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普通唱導集大将棋。奔王を攻めに加える陣形(長さん)

以前述べたが、普通唱導集の大将棋の唱導唄の
第1節には書いていないが、前段に斜め走り駒
の攻めがまず有ると、本ブログでは見る。普通
唱導集の唱導唄の第2節の”対策”が、端攻め
前の前段の、斜め走り駒の攻めに対する対策と
見ているからである。
 この前段の攻めでは、典型的には2枚の龍馬
と2枚の角行を、13升目型普通唱導集大将棋
(本ブログ推定)の、相手の右辺の仲人~横行~
反車筋に連続して、突進させると見る。
 ところで、神奈川県鎌倉市の鎌倉駅構内から
出土した扇の破片とみられる木片には、この
龍馬、角行計4枚の斜め端攻めに加えて、

奔王を加えた5枚攻めが、示唆されている

可能性がある。奔王は八方動きなので、龍馬と
同様、筋変えが可能であり、仲人~横行~反車
筋を攻めるように、駒組を工夫する事は可能と
みられる。
 ただし、角行を斜め端筋へ2つ進めてから、
同じ側の龍王筋を狙う、角角奔王馬馬作戦とは
別の攻めも考えられるため、通常、奔王前の歩
兵と奔王自身を1歩上げる配置は、中央歩兵が
上げにくいので、とりにくい。結論から書くと、
相手がそのような段組をした陣に対して、角を
外回しして、奔王龍王取りを掛けてきたときに
は、角と奔王の駒損交換を敢えてして、

角角馬馬作戦を続ければ良いので、奔王前の
歩兵上げの手は、このケースは特別に成立する

ようである。
 では、以下にもう少し、詳しく説明する。
 角角馬馬作戦を、角角奔王馬馬作戦に変える
としたとき、奔王を前に一歩出して、筋変えを
すれば、このケースは良いらしい事について、
以下に説明する。
 まず、本ブログの13×13升目108枚制
普通唱導集大将棋は、以下のような配列で始ま
ると考えられる。

普通唱導集STD.gif

この配列で、双方、鎌倉市の鎌倉駅内出土の、
”搦角行角行奔王馬馬仲人・・”木札が示唆
する、角行角行奔王龍馬龍馬で、相手右仲人~
横行~反車筋を狙う攻めの配列を、

奔王は1歩前進させる配列で組む

と、以下のようになるとみられる。

普通唱導集奔王加.gif

 この配列では、図でF5(=8五)の位置
にある、青側後手の角行を、仮にB5(=12
五)に配列したとすると、G10の黒側手前の
奔王と、H11の龍王が両取りになる作戦が可
能である。
 しかしながら、その場合は、敢えて駒損でも、
先手は、配置の違うB5の角行は奔王で取って
くると見られる。なぜなら、後手が角行角行龍
馬龍馬型の攻撃のうち、角行一枚を欠く事にな
るので、先手にとって損な交換と考えられない
からである。よって、通常なら、袖に斜め前に
2歩上がって、中央部の大駒を狙う角行の餌食
になるので、

初期に、G10(8十)の位置の歩兵は上げ
ないのが、大将棋では普通と見られるが、この
ケースに限り、それを敢えてして、奔王の利き
筋を変える駒組をすると見られる

のである。
 以上で説明はだいたい済んだ。ちなみに、上
に述べた駒組図では、この後大乱戦になって、
急戦型で搦(二)角行角行奔王馬馬ガ仲人・・
ヲ(一)の双方の攻めが続く将棋になると見ら
れる。
 普通唱導集大将棋の第2節では、そのタイプ
の攻めを、仲人に嗔猪と桂馬で紐を付ける事に
よって、収められるとの旨の意味が、唄われて
いると、本ブログでは従来より、解釈している。
 そのように、局面を穏やかに収める駒組を示
すと、以下のようになる。

普通唱導奔有2節.gif

この局面から、相手の右辺の端の方の陣を、崩
すのは無理なので、たぶん先手は単純に、D6
仲人とは、指してこないと見られる。(2019/07/19)

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