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初期横行位置で108枚制130枚制の”受”弱陣の訳(長さん)

普通唱導集の大将棋の唱導唄の、第2節に合致する
ゲームモデルを考えるというカテコリーの話をする。
表題は”仮番②”とする横行位置受けのケースにつ
いて述べている。が本論では、”仮番③”とする
歩兵列位置受けのケースまで、更に突っ込んで、
以下考察する事にする。
 仮番②の件から説明する。
 以前述べたように、普通唱導集の大将棋の唱導唄
の第2節には、仮番で①として、標準の

①仲人と嗔猪が腹を合わせた配列に加えて、桂馬を
昇らせ、仲人位置を支える

と、陣の仲人段(歩兵段+1)の地点で、相手の
定跡の”斜め走り駒5枚攻撃”を、ムダに出来ると
の旨が書いてあるとみられる。そこで、前に、この
防御方法の別解として、言うならば、

②横行退避し捨て駒置き、小駒(108枚制鉄将、
130枚制嗔猪)と横行で、元横行位置を支い得る

という、陣の歩兵段の1段下(歩兵段-1)に、引
き寄せる受け方がある点について、言及した。
 そして、その優劣を比較した結果、

②ケースには、受け側が1枚駒損になる

との結論について、13升目108枚制
普通唱導集大将棋(本ブログ版、西暦1290年
タイプ)に関して述べた。
 実は、歩兵段下の、走り駒列が、中央より袖に向
かい、奔王、龍王、龍馬、角行、竪行、横行まで同
じでかつ、中間段が5段で同じである、

15×15升目130枚制後期大将棋と普通唱導集
大将棋(本ブログ版、西暦1290年型)とで、状
況が、ほぼいっしょ

である事が、その後の調べ(詳細省略)で本ブログ
の管理人によって明らかとなった。ただし、②の陣
形を取った側の、玉守りの陣が、後期大将棋でだけ
象虎銅豹型であり、玉周辺も堅いため、破られても

後期大将棋では、勝敗には無関係に近いとみられる。

 以前述べた所まででは、②ケースにだけ、受け側
が1枚駒損になる

原因は謎

とされた。その後、よく調べた所、①の受け方と、
②の受け方とで、②だけ受け側が1枚駒損になり、
優劣がつく理由は、

②では、仲人の所で雑に一旦受けるため、

攻め側に制圧されたときに制圧駒が、更に味方の駒
を1枚余分に取り、相手駒の1個についてだけだが、

2枚替えが発生

している。その為、その分、1枚だけだが受け側の
駒損になるのが原因だと判明した。
 そして以下が重要だが、

13×13升目盤に、びっしり108枚駒を並べる
本ブログタイプの普通唱導集大将棋では、①の受け
方に、性能で匹敵する、防御の駒組を更に別に考え
るのは、困難だ

という事が、以下のように判ったのである。今回は、
15×15升目130枚制後期大将棋についてだけ、
陣内の駒の分布がスカスカなため、配置替えし易く、
①の普通唱導集の大将棋の第2節の唱導唄の防御陣
と、性能の完全に同じ、更に別の第3の防御陣形と
して、以下の説明の”仮番③”とする守り方陣形が
有る、という点について、更に突っ込んで報告する。
 そこで以下、仮番③の件について説明する。
 つまり、普通唱導集の大将棋の唱導唄が、仮に、
15×15升目130枚制の後期大将棋を唄ってい
るとすると、

その第2節に、”唯一”との性質が無い事になる

という事である。
 最初に、陣形について、どうなるのかを述べる。

③”銀、鉄、悪狼(ただし108枚制の場合は、
猛(虎)、鉄、嗔猪に取り替える。)が3枚並び、
竪行先歩兵は支え得る。”

という唱導唄に対応する、ちょうど歩兵の段(歩兵
±0)を支える方法が、

15升目の大将棋でだけ有効

なのである。
 前置きが長くなったが、以下に③の説明を続ける。
 すばり示すと、そのような陣形は、15×15升
130枚制の後期大将棋に関して、次のような形で
ある。

後期大将棋引付受2.gif

上の図で、後手は①の普通唱導集の大将棋の唱導唄
第2節の受け方、ただし桂馬は悪狼に交換している。
それに対して先手が、③”銀、鉄、悪狼3枚並び、
竪行先の歩兵は支え得る。”で受けている。なお、
両方共に、奔王、龍馬×2、角行×2の5枚攻撃を、
後期大将棋では有効では無いにもかかわらず、して
いる。今回は、この作戦に、意味が有るのかどうか
ではなくて、多少は駒の損得が存在し、差が出来る
のかどうかを問題にしている。つまり、そもそもは

①~③で、先手・後手、どう組合せても、後期大将
棋の場合は、引き分けに終わる可能性が高い

という意味である。
 なお、②の受け方を、15升目の後期大将棋で、
先手が取った場合を以下に、再掲する。

後期大将棋引付受再掲.gif

 この図では、元の横行の有った、歩兵段下1段で、
相手の5枚斜め走り駒攻撃を受けているように、
線が書かれている。が実際には仲人の位置で、相手
後手の攻撃を一旦受け、持ちこたえられなくなって、
戦いの前線が、2段下へ移動しているのである。
 結論から言うと、上の③を説明する図で、先手の
取っている、L11地点の歩兵を、悪狼、銀将、
鉄将の三枚で守っている陣は、L11の地点の守り
が雑ではないので、仲人位置を一旦、雑に守ってい
た、下の②のような

守り手側の”1枚だけだが駒損”は起こらない。

なお上の方の図で、先手陣(黒側、手前)で、K9
位置の仲人は、K10位置から、わざと浮かして、
土塁の役割を、先手自らが解除している。つまり、
竪行前の歩兵で、後手の奔王、龍馬×2、角行×2
の攻撃を、最初から受けるつもりだったのである。
 それに対して上の図で、先手の同形の攻撃を、後
手は、普通唱導集の大将棋の唱導唄の第2節の通り
①の陣形で受けている。そして、先手が上の③の陣
のような、普通唱導集の大将棋の唱導唄第2節の陣
①とは、別の形の陣を組めるのは、元々15升目
130枚制の後期大将棋の陣に空きが多くて、駒が
移動しやすいので、陣形が変えやすい為である。
 それに対して次に、別の図で説明する事にするが、
13升目108枚制の本ブログ版普通唱導集大将棋
では、③のような別解の防御陣を組むには、下記の
図の先手のようにするが、

とても手数がかかる。

まるで16パズルのように、歩兵はほぼそのままに
して、陣内の駒を組み替えてゆく必要が、有るから
である。

普通唱導集引付受2.gif

そのため、上の陣は完成する前に、普通唱導集の
大将棋の唱導唄の第2節で、普通に防御陣を組み、
更には同形の5枚斜走り駒攻撃の陣を作った相手に、

先攻めされてしまう。

よって本ブログ版108枚制普通唱導集大将棋(西
暦1290年型)で③の陣形の場合は、”完成前の
不完全陣形で、攻められてしまうので、相手の教科
書通りの、”仲人嗔猪腹合わせ・・”陣形の後手に

力で押し切られてしまう。

そのため先手の劣勢が、駒損で劣勢の②のパターン
とは別の理由だが同様に、108枚制の本ブログ版
普通唱導集大将棋(西暦1290年型)では、③で
も発生してしまうのである。
 だから、13升目で108枚ぎっしり陣の、
普通唱導集(本ブログ版、西暦1290年タイプ)
の大将棋が、本当の普通唱導集大将棋だったので、
①の防御陣が、”決まり手”のように、普通唱導集
の大将棋の唱導唄の第2節で、披露されたと、当然
考えられる。
 逆に言えば、
普通唱導集大将棋が、後期大将棋だったとすれば、
”①のように守るのが、当然だ”と普通唱導集の、
大将棋の唱導唄の第2節で唄うのは、③の陣でも、
今度は容易に組めるので同等だという事になるので

おかしい

と言う事に、やはりなるという事である。
 つまり、後者の後期大将棋のケースは、

①と③の守り陣が、ほぼ同等の強さだから

である。
 以上の事から本ブログでは、③の陣形での状況も
また、普通唱導集の大将棋で唄われた将棋は、15
升目130枚制の後期大将棋では無く、13升目
108枚制の、本ブログ版普通唱導集大将棋(12
90年タイプ)であるという、今度はかなり精密な、
証拠の一つなのではないかと、疑うのである。
(2019/07/29)

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