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マークルックは金一枚の原始平安小将棋と似ているのか(長さん)

口頭で発言したのを、誰かがコピーしたのだ
ろうが、将棋の高段者の羽生善治氏が”世界
の主なチェス・象棋・将棋類で、日本将棋に
近いのは、マークルックである”と発言され
た事があるようだ。同じく日本将棋の高段者
の大内延介氏が、”将棋の来た道”を著作さ
れて、大きく時間が経つ前の話だったと記憶
する。
 日本将棋とマークルックの類似性は、日本
将棋連盟の見解に任せる事にして、ここでは、
金が双方に1枚タイプの、原始的な8×8升
目32枚制平安小将棋、取り捨て型(聖目超
え成り一発)型と、マークルックとの類似性
について議論する。答えを先に書く。

基本戦法が、余り似ているように見えない。

では、議論を続ける。
 マークルックで終盤、駒枯れ模様ないしは、
双方飛車による、玉の追い掛け、千日手模様
の局面にならないようにするには、

1)玉自体が、序盤から攻めに加わるように
駒組をする事が必須

だと、私は認識する。そのような指し方は、

8升目タイプの原始平安小将棋はしない。

8升目タイプの原始平安小将棋は、金で玉を
守りながら、右銀、右桂馬、右香車で、相手
左袖を破ってゆくような、

”守り駒は金気。攻め駒は銀、桂、香”とい
う、日本将棋的な指し方をする

からである。玉が攻め駒の一枚だと、強く意
識されないので、マークルックとは、

かなり趣が違う

と私には思える。
 なお、玉損の攻めをして、ようやく引き分
けではなくて、勝負がついた、マークルック
の指し終わり図の例を、下記に示す。

マークルック終.gif

上の例では、先手玉は入玉しているが、手前
先手の勝ちである。
 また、

2)兵が歩兵ではなくてポーンなので、香車
先の歩兵を突き捨てるような、日本将棋流の
戦法は踏襲できない。

この点でも、序盤の戦法は、マークルックと、
8升目型の取り捨て平安小将棋とは違ってい
て、似ているとは私には思えない。
 似ているのは、

a)根駒が銀型なので攻めに加わってくれる。

という点と、
b)終盤、余り勝負に関係するように私には
見えないのだが、成りポーンの猫叉駒が、幾
つも現われて、

原始平安小将棋が金将将棋だったのを、マー
クルックを指す事により思い出させてくれる。

という2点位である。

 たしかに、大理国の将棋の”香り”はする

のだが。
 基本的に現代マークルックは、中世のイス
ラムシャトランジの方に、日本の原始的な
平安小将棋よりは近いゲームなのではないか。
 以上のように、やはり私は結論したいと思
う。(2019/08/17)

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