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成麒麟が寄せ専用の普通唱導集大将棋は致命的か(長さん)

今回は表題のように、”成り麒麟が寄せの切り札”
なのは、普通唱導集大将棋(2017年タイプ)
にとり、致命傷にならないのかどうかについて、
考察する。なお、問題にしている”新作”将棋の
初期配列は、以下の物についてである。

普通唱導集2017駒枯.gif

 この将棋の攻撃力は、麒麟の成り駒としての
獅子の存在が大きく、まだ動きの弱い麒麟の状態
で、互いにそれが消失してしまうと、

攻撃力が、防御に対して過少になる疑いが強い。

そのような局面は、

わざと序盤から、互いに玉将ではなくて、麒麟を
狙い撃ちにするような将棋を指すと、起こり得る

と考えられる。今回は、実際にどうなるのか、ど
うするのかを、論題とする。
 結論を書く。麒麟狙い打ち戦法が、本当に有力
なのかどうかを、今後確認する必要が有る。が、
もし回避不能なら”麒麟と鳳凰は、初期位置と、
相手陣の中の何れかで、取られたので無ければ、
それぞれの初期位置のみ、先手で言う8十二の位
置に麒麟、6十二の位置に鳳凰を、一手を使って、

取られた駒を、相手から戻してもらって、打てる”

という将棋ルールを、付け加える必要がある。
 では、以下に論を続ける。
 下の図は、序盤から、互いに玉を詰めようとせ
ずに、麒麟を無理攻めして詰むように指した将棋
であり、先手の麒麟を後手が詰んだ所である。

普通唱導集麒麟狙.gif

 この図から、更に指し進めると、後手も無理攻
めが祟って、先手に麒麟は取られてしまい、一例
では以下のように、そこからは、容易に勝負がつ
かない、

駒枯れ模様の局面に到達する。

普通唱導集麒麟狙掛.gif

 上の図では、後手に成り鳳凰が残っているが、
先手の二枚残った横行の存在が大きく、この将棋
は、なかなか勝負がつかないと考えられる。

つまり、このような異常な将棋を指したケースで、
普通唱導集大将棋(2017年型)には、アラが
見えてくる

疑いが高い。つまり終盤、獅子で互いに、相手陣
を攻めて行く展開にならないと、軽快にこの将棋
は進まない事が有るという意味である。
 対策は容易に思いつく。

麒麟が死ななければ良いのである。

ただし、麒麟を取ったら、取った麒麟の向きをひっ
くり返して相手の物になるという、摩訶大大将棋
の提婆や無明のようにはしない方が良い。つまり、

所有者は変えないほうが良い

とみられる。理由は、局面評価が大きく変動しす
ぎて、人間には愉快なゲームと、感じられないか
らである。むしろ、

盤双六方式の”死なないが、振り出しに戻されて
しまう”

の方式の方が、このケースは有力だ。つまり、
麒麟を取られたら、

相手から返してもらって、自分の持ち駒にできる。

しかし、再度打てる場所が、元居た麒麟の位置で
ある、先手で言えば、8十二の升目に限られる
とすると、いうものである。
 しかし、この方法には、以下の問題点がある。

①鳳凰は”中国不死鳥”だというのに、麒麟は不
死身で、鳳凰が取られて死ぬというのはおかしい。

 ①の事から、麒麟が不死身なら、鳳凰も不死身
にしなければ、形式的に収まりがつかないと考え
られる。そこで、鳳凰にも同じ能力を与えるとす
る。すると、次の難点が発生する。

②鳳凰は不成りで、敵陣で暴れることが、ある程
度できる。

つまり、わざと不成りにしながら、敵陣で暴れる
戦法が、生じてしまうのである。
 これは、鳳凰が麒麟と異なり縦横歩みで、駒が
麒麟よりも、少し強いからである。ちなみに麒麟
は通常、成り駒である獅子の動きに比べて、問題
にならないほど弱く、かつ後者の動きが前者を、
完全に包含している。
 そのため、 麒麟も鳳凰も、相手陣に入ってい
る場合と、千日手が生じやすい初期位置のままで
居た状態で取られた場合は、例外として、振り出
し初期配列位置に、打て無いで”死んだまま”に
するというルールに、する必要がある。
 むろん、成り麒麟の獅子や、成り鳳凰の奔王に
は、このルールを適用してはいけない。温泉気分
の当初の攻め側が、悪手を指したときに、咎めた
結果、本来なら起こるはずの逆転が、困難だろう。
 以上の付加的ルールを、普通唱導集大将棋20
17年タイプに加えた上で、麒麟が詰んだ上の方
の途中局面から、改めて指し進めると、当然かも
しれないが、以下のように、正常に終わる。

普通唱導集麒麟持駒.gif

 普通唱導集大将棋2017も、提示から2年
以上が経ち、情報の蓄積が進んだ。むろん、最初
に示した図に関して、相手が麒麟詰みを序盤に
狙ってきても、相手にしないで普通に指し、元の
左横行位置に、自分の麒麟を置いて、固めれば、
このような問題は、基本的に起きないとは見られ
る。しかし、将棋はどう指そうと、ルールに従っ
ていれば、基本自由である。だから、今述べた問
題が、全く無いとは言い切れないと考えられる。
 そこでここで示した、

”麒麟と鳳凰は、初期位置と相手陣に居らず、か
つ、成っても居無い状態で、相手に取られたとき
には、盤上から取り外すが、相手のではなくて、
自分自身の持駒に、取り返してする事にし、それ
ぞれの初期配列位置に限られるが、一手を使って、
再度打って、リサイクル使用ができる”

というルールは、さしあたって、西暦2017年
の調整当時から見て、後付けのルール変更はした
くないので、今の所採用を推薦はしない。が、
麒麟の互い消失による、駒枯れの問題が大きいと
結論された場合に備えて、

”押さえの切り札”として、このルール案は
取っておくという事を一応しておくと、安心

できて良いのではないか。
以上のように私は考えている。(2019/09/05)

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