SSブログ

チェス盤の市松模様は角行動き駒の導入より早い(長さん)

チェス盤が市松模様の理由については、遊戯史
上先行研究があるが、斜め走り駒があるゲーム
で、無地の日本の将棋盤より、便利な事は確か
だ。だから個人的には、イスラムシャトランジ
からチェスへ変化したときに、僧侶を飛龍から
角行動きに変えたのが、発端だろうと、個人的
に漠然とだが、最近まで私は考えてきた。

今回は、その私の論の反例を示す。結局私には、
わけが判らなくなった。

 すなわちものと人間の文化史110”チェス”
に、イスラムシャトランジルー時代のイタリア
で、市松模様のチェス盤が有ったとの旨の話を
発見した。言うまでも無く、この著書は法政大
学出版局で、2003年に出版した、増川宏一
氏の著書である。
 第3章のアラブのチェスの所で、イタリアの
エミリア=ロマーニャ州ピアチェンツァにある
サン・サピーノ教会の床面のモザイク造形物が
あり、12世紀の成立だという。遊戯史研究者
のA・Kピンスキーの
”ザリシャー時代の中世の遊びと歓びの証明”
が出典だという事である。
 特徴は、イスラムシャトランジ風の駒を、
西洋チェスの盤に置いた途中局面のような挿絵
で、椅子に座っている棋士から、右下隅を白地
とする、普通のチェス盤である事が判る。なお、
イスラムシャトランジの、王と大臣の左右は、
西洋チェスとは逆だと、webには載っている。
王と大臣が、ひっくり返された時代は、12世
紀である事を、示唆しているのであろう。黒が
昔は、先手だったのかもしれないが。
 個人的に、象がどれなのか良く判らないが、

日本将棋の将棋盤より、僧侶筋が判り易いから
市松模様にしたとは言えない感じ

だ。
 では、なぜ市松模様なのかだが。

今の所、私には良く判らない。

イタリア語とスペイン語は、似ているし、地理
的にさほど離れていないし、場所がイタリアの
北西なようなので、イスラムシャトランジの
変種である、

スペインのグランド・アセドレフの類が、既に
この頃には、イタリアにも入っていて、ワニや
一角獣が角行類似動きなので、利便性から欧州
で変えた

位しか思いつかない。なお、サン・サピーノ協
会の造形物は、情報通りだとすると、日本では、
平安大将棋の時代だし、グランド・アセドレフ
は、アルフォンソ10世エルサビオの遊戯書に
あるもので、13世紀の頃に存在したとされる、
大将棋状のチェスであるから、日本の大将棋の
進化の時代と、ほぼ重なる頃の話だ。ただし、
12世紀にも、角行動きのチェス変種が、欧州
に有ったかどうかは、私には良く判らない。
 恐らく欧州の遊戯史界で、研究がある程度進
んでいるだろうとは考えられるが。

斜めに走る駒が出来てから、チェス盤が
市松模様になったと決め付けるのは間違い

である事だけは、どうも確かなようだ。
(2019/10/19)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー