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興福寺酔像木簡の”の”のような字は何(長さん)

西暦1058年物とみられる、興福寺出土の
習字木簡には、定説では、酔像、歩兵、金将
が書かれている事になっている。ごちゃごちゃ
に字が書いてあるので、薄い字まで解読する
のは、当然困難で、本ブログでは、過去、
酔象らしきものも確認している。ごちゃごちゃ
な字の塊の木片の話なので、その他にも先行
研究として、幾つかの別の字の話が有る。
 ここでは、きりが無いので、紹介や検証は
中断して、以下のスケッチに関して今回は、
緑の矢印で示した、”の”の字のように見え
る墨跡が、

少の字の崩し字では無いかと言う話だけする。

木簡興福寺少.gif

では、論を続ける。
 まず、この字が”の”では無いのは、縦線
が真っ直ぐに伸びているので、明らかだと考
えられる。
 将棋の駒とは、全く関係ない字が混じって
居るはずがない無いという主張は当然無理だ。
しかし、歩兵や金将や酔像と、関係のある字
であるという仮説は、この木簡が、ほとんど
歩兵の字であるため、一応尤もらしい。
 個人的に、この奇妙な①の崩し字は、下の

草書の”少”とも、やや似ているように思う。

草書少.gif

問題の木簡で、最後が下に延びて居無いのは、
その下に”兵”と書くスペースを、確保した
いときに書く、歩の下半分だと考えると、す
くなくとも私には、一応納得できる。
 つまり、

興福寺では発掘されていないが、歩兵駒に、
草書で歩と書いた駒も、もしかすると存在し
たのであろう。

歩の字で、下のくるっと丸く、少と書く部分
の、草書の調子を練習するため、だいたい
2つ位”の”のような、墨跡が、有るのでは
なかろうか。
 個人的にだが、私にはこの他に、この木簡
に字の種類が、発見できていない。
 自己満足の世界だが。これで興福寺105
8年物習字木簡の将棋面は、内容がほぼ、全
て解読できたような”つもり”になって、良
い気分で今、いる所である。(2019/10/25)

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