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佐伯真一氏の普通唱導集大将棋第2節配列の確認(長さん)

三元社が2002年に発行した、”日本文化
としての将棋”等に出ている、佐伯真一氏の、
普通唱導集の大将棋の唱導唄第2節は、後期
大将棋への以下説明の形への駒組であると
見た場合の、当否について、実際に一局試し
に、書いてある通りの作戦をしてみた。そし
てこれが、先手の幻惑戦法であり、純粋守り
の陣では無い旨を確認した。
 つまり、本ブログによれば、
後期大将棋に佐伯氏が記載したような駒組を
した場合には、支えの陣になるのではなくて、

力を入れれば、壊れてしまう拠点を、わざと
相手に、仰々しく攻めさせて、相手の斜め走
り駒を消耗させ、

それに対して、自分の斜め走り駒は、敵陣の
急所に使って、使い方の有効度の差で、勝ち
に結びつけるという作戦であるとの旨を、
確認するという、以下は趣旨である。
 では、以下に説明を続ける。
 以下の棋譜は、15升目130枚制の、
後期大将棋の序盤の局面であり、先手下側が、
佐伯真一氏の図の通りに、中間に問題の、
”意味ありげな囮拠点”を作ったところである。

後期大将棋佐伯駒組.gif

それに対して、後手は、”まんまと引っかかっ
て”、斜め走り駒を5枚とも繰り出して、この
ケースは、先手左横行に向かって、猛攻をかけ
ようとしている訳である。
 この将棋は、一例では以下のように変化する。

後期大将棋佐伯駒替.gif

いっけんすると、後手の攻めが成功したように
見える。が、斜め走り駒は1枚になってしまっ
ている。そのため、更に進むと、以下のように
なった。

後期大将棋佐伯変化.gif

後手は、麒麟が流れ弾攻めされて、左翼に逃げた
のもマズかったが、先手に成り麒麟の獅子を、
先に作られた。しかし、陣を見てみると判るが、
先手陣は、玉周りの駒組が健在なので、後手に
先に獅子が出来たとしても、容易に先手の玉は
寄らない。
 それに対して、先手は温存した、斜め走り駒
等で、後手の玉周りの陣を崩したので、上の局
面では、麒麟の位置に係わらず、この後期大将
棋は後手が、はっきりと悪く敗勢である。
 先手は、歩兵を進めて”と金”を作る等して、
地道に更に、後手陣を崩し続け、結局以下の局
面で、後手の玉が詰んだ。

後期大将棋佐伯指終.gif

以上の事から、先手のいっけん意味ありげな、
佐伯真一配列に相手が引っかかって、斜め走り
駒を序盤で消耗させてしまうと、場合によって
は、後期大将棋の場合、

騙されて、先に斜め走り駒を無駄使いした方が
負けてしまう

傾向がある事が判る。
 よって、

佐伯真一氏が西暦1993年に発表した、
普通唱導集大将棋の唱導唄の第2節の解釈の
陣形は、後期大将棋の作戦として、しばしば
有効なケースがある

と見られるのだが。”真面目に『支える』の
を、本来目的にしていない”という点で、
普通唱導集の大将棋の唱導唄の内容とは、ズレ
がある、と言う事になるという訳である。
(2019/10/25)

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