SSブログ

雲南ハニ族の昔話に、暦法で一悶着有った話有り(長さん)

雲南省の季節感については、現地の気象を
調べれば一目瞭然だろうが。大理国の都
の大理市と、南の中国国境の真ん中のへんで、
昔どうだったのかを知りえる、雲南省ハニ族
の民話に、私は最近接した。

求龍堂(東京の千代田区紀尾井町)が、西暦
1998年に出版した
”中国少数民族のむかし話”(邱奎福氏編)
のハニ族の昔話、
”アロがカッコウを探す”である。

なお、アロとは架空の、中国雲南省少数民族
ハニ族の”とある”男性人物の名。カッコウ
は鳥だが、空を飛び回れる動く”時計ロボッ
ト、七十二候広報ロボット”のような、霊鳥
と、物語り中で表現されている。
 ちなみに、

”ハニ族はweb上に、日本人の祖先か”と
いう話が散見される、雲南と日本との関連性
が噂された民族

の事である。本ブログでは、前に述べたが、
この点につき、”倭人”が、漢人以外の人種
をさす用語というのが、元々の意味であり、
特別に、日本人と中国雲南のハニ族を、どち
らも指す事が多いために、混同があるという
説が存在する事を、紹介している。
 また、上の民話にも出てくるが、雲南省で
の民族分布は、人数の多い種族だけ、拾い上
げてみると、

北からイ族、ペー族、ハニ族、タイ族とイメー
ジすると判り易い

ようである。むろん、漢族は、もっと離れた
北東方向に居る。またこの昔話の中では、

タイ族の居住地には四季が無く常夏で、ハニ
族の居住地には、温暖ながらだろうが、四季
がある

ように描かれている。ハニ族は、秋の終わ
りの中国古暦10月に、収穫祭のような意味
で正月を祝い、2か月位準備してから古暦
12月、つまりグレゴリオ暦の1月から、
上記物語によると、真冬の粟の種まきをする
ように書いてある。四季が有るとはいえ、
現地はかなり温暖なようだ。
 以上の点を踏まえて、この昔話の内容を
以下に、要点だけ述べる。
①この話は民族によって、それぞれ別々に、
暦が存在するという観念に従って、展開さ
れている。
②暦を持っているのは、漢族だけで、ハニ
族には、暦が使わせてもらえないのか、漢暦
は使え無いとの認識で、話が進む。
③ハニ族の英雄の青年が、カレンダー情報広
報ロボットの”カッコウ鳥”を、農作業の民
のために探す話になっていて、結局最後には、
自分がカッコウ鳥に、身を犠牲にして変身し
て、ハニの人々を救うという、美談になって
いる。
④途中に挟まって、”熱帯なので、タイには
四季が無く、暦は無くてもすむ”事が指摘さ
れている。
 つまり、いにしえから中国の歴法を輸入し
て、使用するのが当たり前の日本人には、

理解が困難な、異国の昔話

である。
なお昔、雲南省で、中国唐の暦法で良いのか
どうか、少なくとも何か、一悶着あった形跡
がある事を示す、言い伝えのようにも、私に
は読める。

 近郊のイ族に独自暦法があるのと、何か関
連するのであろう。

雲南王に”唐の暦は唐のもの。南詔国の暦は
南詔国のもの”等と、ハニの民が予め刷り込
まれて居無いと、上の②のような、我々日本
人には、何を言っているのか、意味不明な主
張は、もともと理解できないものに違い無い。
 なお、更に注意深く読むと、陰陽暦の場合、
節気が、別に挙動する事に象徴されるように、
暦とは別に、立春、雨水・・を教えてくれる、
七十二候広報ロボットである”カッコウ”鳥
が必要であるという、太陰太陽暦の弱点をも、
示唆しているようだ。各月の初めに、前記ロ
ボットカッコウは”片言の人間の言葉”で、
”定まった七十二候に類似する文”を、広報
マイクのように、告げながら、雲南省を
飛び回るように、書いてあるからである。
 つまりグレゴリオ暦のように、節気や候が、
歴日に対して毎年ほとんど、ズレ無い暦が、
”カッコウ”鳥によって、もたらされたとい
う史実が、この昔話の裏には有るようだ。

ハニ族の先祖も、昔は南詔国の重臣の座を占
めており、太陽暦を選択した南詔王の政策を、
褒め称えていた疑いがある

事を、もとよりはっきりとはしないが、この
昔話りは、示唆はしているのかもしれない。
 雲南では唐王朝期から定朔を入れたために、
暦計算が複雑化して、嫌気が差して、月の
位置観測をしなくなったのだろう。その結果、
”天の漢帝国”を観測するための、星座の配
列表現ツールとしての囲碁を、ほぼしなくなっ
たと疑われる。以上のように、星座の形の把
握と囲碁とに関連し、かなり注意すべき民族
民話が、雲南には実際に存在するように、私
には読み取れた。(2019/10/29)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー