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中国雲南省博物館学術論文集に陰陽暦の記載(長さん)

以前、web上のかなり昔に公開された
サイトに、中国雲南省のイ族に、独自の
太陰太陽暦があるらしいという話を、
本ブログでした。中国の文献にあるよう
だが、フォントが私のpcでは、文字化け
して、読めなかった。
 文献の種類は違うし、暦法の詳しい説明
は無いのだが、以下の文献に、雲南から
四川にかけて、トンパ文字を使用するので
有名な、ナシ族にも太陰暦があり、その
説明の中で、イ族の暦が、太陰暦系である
という記載がある成書を、最近私は発見
した。

雲南人民出版社発行(1989年)
雲南省博物館学術論文集、雲南省博物館編

その中の、民族文化研究、朱宝田氏他執筆
で、”ナシ族の二十八宿占星術より”に、
ナシ族が、純粋太陰暦を使用しているとの
旨の説明がある。

1カ月を29.5日、一年を354日
とするという、散漫な方法と、書いてある。

なお28宿占いに関連して一恒星月も、
雲南ナシ族の暦は、27.5333日とし
ていて、実際の27.32166日とは、
かなりズレているという。
 雲南省のタイ族にも、同類の古暦があり、
30日一ヶ月と、29日一ヶ月の入れ方が、
ナシ族と逆なだけだとも書いてあった。
 暦例を見た限りは、中国の旧正月に、
ナシ暦は、あわせて居るように書いてある
ので、実際には、

雲南ナシ族の暦は閏月を入れる、太陰
太陽暦と疑える

ようで

前記成書に書いてあるほど、レベルは低く
無い

かもしれない。
 なお、雲南ナシ族の星座は、”織女座”
が、こと座はもちろんの事、おとめ座から、
いて座の領域まで、広く春と夏の星空を覆
う、巨大な一星座となっており、中国星座
はもちろんの事、インド、アラブ、西洋星
座の何れとも全く違う、独自の体系となっ
ているようだ。
 そのような記載の直ぐ後で、”イ族は、
一恒星月を、正しい数値に近いあわせ方を
している”との旨を、1月の日数が、規則
的に繰り返すことを、示唆する記載と共に
書いている。ので、ほぼ

イ族に、平朔の太陰太陽暦がある事を示す
記載になっている。

ナシ族の、誤差の大きな恒星月は、28宿
での2/3日強の多すぎの誤差を、
354日に6回、1宿飛ばしをした結果、
その占い暦の恒星月値が、27.5333
に日なるためとの旨の、説明がある。
 恐らくナシ族よりレベルが上とのイ族は、
まず12太陰月を、354.000日に
しないで、月の大小を入れ替えて調整して、
354.36708日程度にするだろうし、
閏月は章法に近いような入れ方を、したの
だろう。
 そして28.0宿の、27.32166
日より、2/3日程度の大きすぎは、4太陰
年続けて、4カ月に一回、1月(つき)内で
星宿を1つ飛ばしは、しない月にする。
そのあと1太陰年だけ、3カ月に一回、1月(
つき)内で、星宿を1つ飛ばしはしない月
にする。残りの月には、その月末に、月の
居る28宿を1つ、必ず飛ばし、補正する。
そしてこれを計5太陰年一組で循環させる。
そうして1恒星月を、27.3215日
程度にしたのではないかと私には疑われた。
 なぜなら、1989年に朱宝田氏らが
執筆した、中国雲南省博物館学術論文集の
中の計算は、いま述べたのと、

答えが同じにならない、計算が狂った説明
をしている

からである。つまりこの成書の暦計算に関
する詳細説明は、真偽が当てにならないと、
私は思う。
 なおイ族は”年に一回頻度で、月位置を
観測して、平均としての恒星月の数値を、
チェックするような、天体観測をしていた”
との旨、この成書に書いてある。やはりイ
族の古王国である、南詔国の暦担当者には、

月の黄経の短周期の偏差を、詳しく把握す
る事だけが、めんどくさかった

だけだったのであろう。
 つまり、

囲碁を打つにしても、”たまに”にしたかった

という意味である。
 何れにしても、1月(つき)の長さの入
れ方が規則的との表現が、この成書にある
よう

なので、中国雲南省のタイ族、ナシ族、
イ族の民族暦が全部、平朔法なのは、ほぼ
間違い無い

事であろうと、私には思われた。(2019/11/06)

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