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碁聖目中国朝鮮日本吐蕃5、17、9、13は何(長さん)

歴史上、日本の碁のように、予め幾つかの
碁石を碁盤に置かないで、自由に碁を打つ
事は余り無かったと聞いている。碁盤に、
聖目があるのは、最初に置く碁石の位置を、
表示するためのものだというのが、定説で
ある。中国では5聖目碁盤が用いられ、
朝鮮半島では17聖目碁盤が用いられ、
日本へは9聖目碁盤が、飛鳥時代に伝来し
て定着し、シッキム盤の基になった、チベッ
トでは、13聖目碁盤が、少なくとも歴史
上は使用されたと聞いている。今回は、こ
うした聖目の数のパータンが、囲碁と恒星
天文道ないし暦道に関する、強い関連性を
仮定する、本ブログの論と矛盾しないかど
うかを、論題にする。回答を書く。
 置き石ルールは、碁盤に合わせたと考え、
聖目数は、半天恒星図の100°区切りが
起源。陰陽道と天文科学が未分離なほど、
科学的な”半天恒星図”感覚が減少し、
呪術化たため、

聖目数が増加したとしても、大きな矛盾は
無い

と考えられる。では、説明を続ける。
 現在の定説は”置き碁ルールが聖目パター
ンを決めた”である。このケースは、最初
は中国古代100°の印の4聖目制だった
という状態から、ゲーマーが勝手に聖目数
を増やしたと考えればよいから、史料と天
文囲碁関連説とは、最初から矛盾が出ない。
 問題は、理由が不明なまま、聖目だけ増
えて、ゲーマーが合わせたとしたときに、
”半天恒星図”としての囲碁盤からの、
聖目増加の理由が説明できないケースが

有り得るという懸念

だと思われる。

しかし、理由付けは現実としては容易

なのではなかろうか。すなわち、概ね次の
ように、理由づけすれば、良いのだけでは
なかろうか。

中国5聖目盤・・元々天元に星は無かった。
が、五行説の影響で、星が5個になった。
朝鮮17聖目盤・・八卦の影響で、8個、
黒番、白番共に碁石を置くルールが生じた。
天元は中国の影響でそのままとし、残りの
16聖目は、八卦に関する易学と、関連す
る挙動だった。
日本9聖目盤・・日本では寺院で、9星
占いが流行っていたので、18升目とみた
場合に、9領域の中央に星が一つづつある
デザインが、特に好まれて定着した。置き
碁をしないのに、聖目だけ付けられたまま
残ったのは特に中世、日本で呪術が盛んだっ
たからである。
チベット13聖目盤・・12神将等に
ちなんだ、やはり宗教的デザインが元なの
ではないか。天元の聖目も、形から見ても
いかにも”天の中心”等、宗教感覚で付与
したもののようである。

つまり、元々科学的だった、恒星図として
の囲碁盤に、非科学的な占い・呪術が

後から入り込んだ

で、全部説明できるのではないかという、
意味である。
 この中で、中国の5聖目が、9聖目に、
中国中原領域で、進化したとの史料が、今
の所無い点が、重要なように私には見える。
 易学や9星占いは、中国が本場だが、
天体観測をするセクションと、9星占いを
公的にするセクションとが

未分離なのは日本であって、中国では特に
唐王朝以後には無い

事が知られている。(たとえば、日本の暦、
岡田芳朗著、木耳社(1972)64ペー
ジ。)つまり、初期科学としての天文学と、
呪術としての天文道が、組織が大きい中国
の歴代王朝内では、はっきりと分離してい
た点が、日本の碁盤との、大きな差になっ
たと私は考える。つまり、

安倍晴明のように、

天体観測をする専門家が、おどろおどろし
い、呪術の伝説をも合わせ持つという例が、
人材が豊富で、分業が、当時から進んでい
たと見られる

中国には、余り無いという意味

である。そのため、原始的な化学としての、
五行説の取り入れ位で中国の碁盤は、進化
がおしまいだったと、今の所考えてよいと
いうのが、出土した史料の、状態パターン
なのではないのか。むろん今後発掘が進む
と、そのような物が無いから、有る程度は
有るへ、ひっくり変えるかもしれない。
たとえば今述べたの趣旨の事を、西暦20
17年に、清水康二氏が、自身の明治大学
学位論文で書いている。

中国で、19路9聖目盤が、今後見つかる
可能性もある。その通りであろう。

 しかしいかにも、星図の座標に100毎
に、印を付けただけな感じの、四聖目盤が、
仮想中国新出土品の9聖目盤よりも、マイ
ナーという認識に、将来本当に遊戯史界が、

変化するかどうかまでは、断言できない

ように、私には思える。
 つまり、たとえばイスラム帝国との戦争
で、精神論では勝てず、科学技術力が必要
と痛感した国では、平和で王朝も交代しな
かったような国に比べて、非科学的な遊戯
盤の普及は鈍かったと考える。そうすると、
日本が、今でも9星聖目囲碁盤で、中国で
は漢代から、日本よりも科学的な4星聖目
盤なり5星聖目囲碁盤である事が、かなり
尤もらしく、説明できるのではないのか。
 そうだとすれば、半天恒星図が囲碁盤の
デザインの元であるという本ブログの論と、

各国出土・伝来等の囲碁盤の聖目パターン
は、仮説を破壊するほどには、大きく矛盾
しては居無い

のではないか。
 以上のように、やはり私には思われるの
である。(2019/12/02)

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