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本当に普通唱導集大将棋等は相手陣4段目成りか(長さん)

今回は本ブログのメインテーマにとって、響く
内容である。これまで本ブログでは、二中暦の
平安大将棋(西暦1200年頃成立、)の自陣
4段配列タイプから、本ブログ版普通唱導集
大将棋(西暦1290年成立)まで、相手陣内
突入一発成りルールであって、成りは相手陣
4段目以内で可能になるとしてきた。歩兵段で
成るのが尤もらしかったからである。ここでは、

以上のケースでも、二中暦の将棋の方に合わせ、
4段組大将棋の歩兵下段の3段目で成る可能性

について以下に論じる。根拠は、二中暦大将棋
用に使える囲碁の聖目型。路数で言うと、

第4線聖目の14路盤が、西暦1110年以降
かなりの間普及していたのではないかという疑

いからである。
 では、以下に論を続ける。
 本ブロクの最近の論では、将棋盤は、賭博用
である事が目立たないように、聖目を4線にし
て、9星占い盤、19路の日本型囲碁盤(現行
タイプ)に合わせていた疑いがあるという事だっ
た。昔は物持ちが良かったので、

この状態が、12世紀から14世紀初まで続い
た疑いがある

ように、私には思えてきた。
 それでも、実戦で4段目で、麒麟や鳳凰を
成らせているかどうかが、実質的には影響する
だけなので、相手陣3段目成りと4段目成りと
でどちらが正しいのか、特定することは難しい。
しかし、

①二中暦の将棋には、相手陣内で成るルールの
説明で、3段目で玉・金以外は金に成るとの旨
とみられる記載が有るが、歩兵段に対する言及
は無い。文献に書いてある事が、ゲームの良否
よりも当時、優先されやすかったのではないか。

②普通唱導集大将棋の唱導唄第1節で、相手の
飛車が無くなってしまえば、麒麟が成りの地点
で取れないので、勝勢だと唄っているようにも
取れ、13升目型の普通唱導集大将棋を、本ブ
ログ流に仮定して、先手▲12四麒麟成りが、
実際には不能で、▲11三麒麟成まで、入り込
む必要が有るようにも取れる

という2点が、補強論理として挙げられる。
 なお”陣が歩兵列前までだというのは明らか
に形がおかしいので、二中暦の歩兵段は、3段
目だ”と、木村義徳氏等、多くの将棋史家が考
えたのが、現行の、二中暦将棋、初期配列図の

”起源”であると私は”推定”している。

どこかに、議論した文献があるのだろうが、私
の手元には、残念ながら無い。つまり、

二中暦大将棋は元々、第2標準将棋だったはず
だから、4段目化しても、成り段だけは、
3段目のままに、した疑いも有る

と言う意味である。
 以上述べた点については、本ブログでは

大将棋ルールのフレ巾が、元々大きい事から考
えると、ローカルルールが複数有った

と、今の所しておきたい。西暦2017年版の

普通唱導集大将棋では、反映させずに4段目成
りのままで良い

と思う。そもそも相手陣突入成りを自由成りに
してしまったし、麒麟や鳳凰が4段目成りの
条件で、攻守バランスを調整しており、3段目
成りに変えると、僅かだが、更に攻め駒を増や
さなければならないように挙動して、

不合理だから

である。
 しかしながら、将棋史としては、無視すべき
ではないと見られる。
なぜなら、近々述べる予定だが、これは、水無
瀬兼成の将棋纂図部類抄の、後期大将棋等に、
聖目点が無い事と、何らかの繋がりがある、証
拠と疑われるからである。(2019/12/12)

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