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雲南省の”近代碁盤産業”は、カヤ材の拠出(長さん)

以前本ブログでは、中国雲南省大理市の遊戯施設
天龍八部城を取り上げ、大理国時代に囲碁が打た
れた事を示すのではなくて、近年の碁盤関連の企
業の進出を示唆すると述べた。これは今にして思
うと、

常識知らず

な言い回しだった。webを検索すると、現在
日本で使われている、囲碁盤

将棋盤共に、その多くは中国雲南省のカヤ材

である。たとえば、開運何でも鑑定団で、お天気
キャスターの森田正光氏が、自身の持ち物として、
以下の時点で既に、その旨を公開している。

開運何でも鑑定団、西暦2015年05月12日
放送。鑑定依頼人:日本気象協会所属森田正光氏。
鑑定士、鵜川善郷氏(近世・近代工芸)

 鵜川善郷氏によると、森田正光氏の将棋盤は、
”蝋付け(ポリエチレングリコール処理の事か)
しているので中国(雲南省等)製だと判る”とい
う事である。webで検索すると、中国雲南省製
の将棋盤・碁盤は現時点で、厚みの薄いものが、
多く流通している。そして、伐採禁止が徹底され
ていなかった前世紀には、上記のような、分厚い
高級盤も、雲南省製が多く生産されたようである。
 従って、少なくとも天龍八部城が建設された頃、
まだ、中国雲南省で、囲碁盤や将棋盤が、カヤの
木を伐採して多数生産されていたとみられる。価
格ピークは、前世紀の西暦1980年代頃との旨
が、同じく鵜川氏からの情報として、web上に
書き込まれている。
 よって、少なくとも原材料の製造は中国雲南省
であるから、日本向けをも含めて、天龍八部城で
その宣伝の

モニュメント等は、造る気になるのは当然

かと考えられる。
 なお、厳密な所を調べていないが。カヤの木は

苗を中国雲南省に持って行って、育てた

らしい。亜熱帯の高地に近い雲南省で、温帯樹の
カヤが自生していたのかどうか、謎だからである。
 おなじく、鵜川氏によると”カヤは、何処で育
成しても、元材の性質は、変わらない”との事で
ある。それは多分だが

間違い

だろう。他の植物との競合上、冬の無い雲南では、
樹木は伸び続けなければならず、

必然的に水分が常態として多くなり、比重は減っ
て、部材の品質は元々日本産より劣る

と、素人園芸マニアの私には、思えるからである。
 つまり

日本なら、この材料は”規格外品”だ

という意味である。そうしてみると、
四季が無い生産地の品に、伐採季節の議論を持ち
出しているという点で理由がヘンだが。鑑定額の

森田氏の本人評価額の1/6は、正しい

ように、私には思える。つまり、
”ポリエチレングリコール処理”は業者が雲南省
博物館等の指導を受けて、伐採現地成形するよう
になってから、し出したか、日本でしているのか
は謎だが、見てくれや駒音の良し悪しは別として、
数百年のレベルでは盤が破壊されないので良い事
かもしれないと私は思う。近代科学の力を借りて、

手間隙掛けてくれた事には、遺跡からの木製出土
物に興味の有る者の一人として、中国人等に感謝

しておこう。なお、将棋盤、囲碁盤の雲南省の工
場に於ける、製造責任者の所属民族構成が特定で
きないので、約1000年前の記憶が、将棋盤に
有るのかどうかは、今の所私には謎である。
 まあそうだとしても、現日本式の高級な将棋盤
は、百年オーダーでの埋蔵状態での寸法の安定性
が無いとみられる。だから西暦1000年頃に、
大理国平安小将棋が中国雲南省に有って、将棋盤
が必要だったとしても、シナ桂材も含めて、木材
は、経年で縮むのが心配だったろう。だから分厚
い日本式のものは、大理国王侯貴族用には、当時
もたぶん作らなかっただろうと、推定はできるよ
うに、私には思える。
 むろん将棋駒は宝玉の立体駒だったというのが、
本ブログの論の前提である。だから、指したとき
の音を、雲南の王侯貴族は、楽しまなかっただろ
うとは、思えるのだが。
 なお森田正光氏がその後、亜熱帯高山地区で
原材が栽培されていることを、気象学的に調べた
上で、鵜川善郷氏に再度、材そのものの品質の質
問をしたのかどうかは不明である。(2019/12/14)

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