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インド海岸はインド二人制古チャトランガで無い(長さん)

以前に、11世紀の時点で、インドでは、
ガンジス川上流カナウジでインド二人制古
チャトランガ。海岸のたとえばタームラ
リプティ(ほぼコルカタ又はカルカッタ)
では、イスラムシャトランジであったろう
と推定した。今回は、根拠が何か有るのか
を論題にする。
 回答を書く。
 20世紀の時点でインドのシャトランジ
について、インド南端海岸付近で名称だけ、
イスラムシャトランジの象、車を元戻しし
て、逆転させた将棋があるという情報が、

将棋Ⅰに載っているのが根拠

としての存在とみられる。では、以下に論
を開始する。
 20世紀のインドシャトランジは、普通
は駒の成りルールが、イスラムシャトランジ
と違って、相手初期配列の駒に成るのであっ
て、大臣成りではない。その他、大臣自体
のルールが、猫叉ではなくてクィーンとも
聞いている。(将棋の来た道。大内延介、
西暦1986年、株式会社メコン)その他
は、イスラムもインド(現)も、シャトラ
ンジは同じである。
 恐らく、このゲームに関するとみられる
が、増川宏一著、ものと人間の文化史23-
1将棋Ⅰ(法制大学出版局、1977)の
Ⅱ-6:日本の将棋とアジアの将棋との比
較の、<象>の駒の変化(73ページ)に、
次のように書いてある。

 ”南インドの南端地方のタミル人等のルー
ルでは我々の<飛車>の動きをする駒は一
番端に置かれて、象を意味する言葉が当て
はめられている。”

 ようするに、インドシャトランジで、
象、馬、車、王、大臣、車、馬、象が一段目
配列と、南インドでは現在もなっていて、
飛車、八方桂、飛龍、玉将、クイーン、飛龍、
八方桂、飛車と動かすのであろう。
 話自体が、車が銀将というのはおかしい
から、シャトランジの話と考えざるを得な
いと、

私が推定する。

そうすると、12世紀にイスラムシャトラ
ンジを受け入れた、カナウジと同時期には、
少なくとも既に、南インドのタミル人等は、
イスラムシャトランジ化したのではあるが、

12世紀から15世紀の頃まで、動きのルー
ルはそのままで、駒を根こそぎ象・車交換
した

事になる。その後は大臣を猫叉からクイー
ン動きにしたのだろう。他方、

駒の位置を取り替えるだけにするなら、実
質、駒とその動かし方の切り替え混乱は
ゼロだから、いつでもそのような変更は、
出来るのが当たり前

だろう。
 とすれば南インドでは、9世紀から11
世紀の間に、早々にビールーニ反転させた
疑いの方が、強いという事である。大臣は
その頃、ルールは不安定だったろう。
 よって、南インドでは、インド内陸、ガ
ンジス川上流のカナウジよりも、イスラム
の象棋に、もっと前に合わせていた疑いの
ある史料は、

存在しそうだ

と判る。
 なお、南インドは8世紀から11世紀ま
で、交易で発展した王朝、たとえば
チョーラ朝が支配し、北インドのバルダナ
朝やラージプト時代の諸侯とは、対外政策
のスタンスが融和的であって、違っていた
可能性が高そうだ。直接領土が接して居な
いし、交易の拠点で友好関係を結んでいた
ため、恐らくイスラムシャトランジに関し
て、チョーラ国は敵国ゲームとは見て居な
かった疑いが強いのではないかと、私は疑っ
ている。
 何れにしても、対イスラムの交易港は、
インドの西海岸の都市と、スリランカ近郊
の、チョーラ朝の首都の有った付近の港の、
ナーガパタナムが主体。
 それに対してインドの東海岸は、イスラ
ム帝国の相手国の大物が、9世記~11世
記の間はクメール(カンボジア)だった為、
全般に航路から北にはずれ、一部ミャンマー
向けに現コルカタ(カルカッタ)に近い港
の、タームラリプティが使われただけに、
限られると見られるようだ。つまりイラン
からカンボジアへ船で行くのに、マレーシ
アの半島が邪魔なため、ミャンマーに立ち
寄りにくいという意味である。岡野伸氏の
著書に記載の、シットゥインの成立経路図
で、不自然にスリランカへ南下、迂回して
いるのも、チャトランガ伝送路と、シャト
ランジ伝送路とが、伝説の中で交錯してし
まったためと、考えられる。
 以上のように、今に残るインドシャトラ
ンジの地方変種という根拠があるため、
インドでも地方によって、将棋・象棋の
ビールーニ反転つまりは、

インド発の第2波の到達が、9世記から
12世紀程度という程度に、大きなバラツ
キがある疑いがすこぶる強い

と推定出来る事が明らかになったのである。
(2020/01/01)

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(コラム)2020年代の出発に当って

新年あけましておめでとうございます。
昨年来、皆様にはたいへん御世話になり深く感謝申し上げます。
ともあれ新旧出会いの時期には係わり無く、何れに致しましても
本ブログを御訪問してくださった皆様には感謝の意を表しますと
共に、皆様のこれからの益々の御多幸を、心よりお祈り
申し上げます。(西暦2020年元旦)
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