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数学力低下の平安理科離れ。囲碁の谷間よりも深刻(長さん)

以前、囲碁のブームは11世紀から1140年程度
まで落ちたと仮定できると、本ブログでは述べた。
本ブログ説では、天文道の世襲化が要因であり、会
合現象と超新星の位置観測の隠匿によるものであり、
逆に平安大将棋の成立には、追い風になったとした。
出来の悪さに、気がつかないでくれたからという
事である。今回は、この論が弧立したものではなく、

西暦2010年発行の成書に、関連すると疑われる
現象が記載されている

との旨紹介する。

 数学が9世記から12世紀まで落ち込んだという
もので、”平安の理科離れ”というセクション題を
付けられた上で、以下の成書に記載されている。

”理科で歴史を読みなおす”、伊達宗行著、ちくま
新書、西暦2010年。

更に、伊達宗行氏は、”数の日本史”でも論じてい
るらしいが、私は、そちらは確認して居ない。
 ”遣唐使の廃止が西暦895年に有って以来、
『文化の倦怠期』に入り、算博士は世襲化、大衆
への教育意欲が失われ大衆が割り算出来なくなる等、

平安時代後期に数学力、計算能力が低下

した”とある。以前に本ブログでも、月食時の月位
置の計算を、宿曜師が間違えたとみられる話をした。
 天文道、位置観測に対する広報機会の低下は、
西暦1000年から1140年、計算力低下は、
西暦900年から1390年程度と見込まれ、

天体位置観測や囲碁の一時的落ち込みよりも、
”平安の理科離れ”と伊達氏が表現する、数学の
落ち込みの方がひどくて長い

ようである。伊達氏はまた”銅の精錬術力の低下が、
数学の傾向と一致する”との旨前記彼の成書で述べ
ている。なおプロの天文道師の天体位置観測能力の
落ち込みは、山下克明氏の”平安時代陰陽道史研究”
思文閣出版、2015記載の、斉藤国治氏の集計に
よれば、鎌倉時代・室町時代初期の1200年~
1450年が精度の谷間とされて、後半部分程度に
当っている。
 何れにしても、

本ブログが指摘した、囲碁ブーム後退と、天文デー
タの一部の、一時的記録数低下は、弧立した現象で
はない。

幾つかの、関連現象が既に、先行研究として指摘さ
れている。そしてそのきっかけは、

全体とした、”平安時代の文化の倦怠によるもの”

であるらしい。ただし遊び事については、元来気楽
なので、険しい学術分野のように、少しの低下で
そのままペチャンコになる事は幸いなく、指導者が
やる気になりさえすれば、しばらくすると復活して
元に戻ってきたと、いう事なのであろう。(2020/01/28)

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