SSブログ

増川氏言は違う。中将棋大将棋は異制庭訓往来に無い。(長さん)

以前、異制庭訓往来の専門家以外見て居ない写本
に、遊学往来のように中将棋と大将棋が、中抜き
ではなくて、ちゃんと書いてあるという見解で
終わった件の以下蒸し返しである。西暦2018
年09月12日に、端を発し、その後群書解題等
を調査した事が有った。

増川宏一氏の著書に明確に、”異制庭訓往来に、
中将棋が記載されている”との旨書かれ、岡野伸
氏も追従して”中将棋は遊学往来と異制庭訓往来
に書いてある”と、最近は記載するようになった
案件

である。結論を述べると、

増川氏が、続庭訓往来を異制庭訓往来と書き間違
え、続けているだけ

である。では報告を開始する。
 謎を解く鍵は、

増川宏一著、ものと人間の文化史134、
遊戯 その歴史と研究の歩み(法政大学出局、
西暦2006年)の83ページ

に有った。
 ”14世紀の後半に作成された文例集の
『異制庭訓往来』(延文元年・1356~
応安八年・1375)には数多くの遊びが列挙さ
れている。これには庶民の遊びも多数記されてい
るが、類本も多いのでそれも含めて述べると次の
通りである。”に続いて、

遊学往来(”続庭訓往来”と群書類従には副題が
ある)の内容が書いてある。

なお、内容は群書類従の通りだし、岡野伸氏の
中将棋の記録(一)32ページ図の[「遊学往来」
中将棋の記述の部分]と、寛本と記載された部分
に関して同じである。
 よって、本ブログで以前に想像したように、

増川宏一氏は異制庭訓往来の、特殊な書写本バー
ジョンを調べたのでは無い。

単に今世紀に入った頃から、続庭訓往来の中将棋・
大将棋の記載を、”異制庭訓往来の中将棋”等と、
書き間違え続けているだけだと、結論された。
 たまたま、ものと人間の文化史134、遊戯に、
内容をコピーしてくれたお陰で、はっきりと判っ
た。増川宏一氏は成本”遊戯”では、遊戯の全競
技について論じなければならなくなったので、

たまたま遊学往来の、記載部分を具体的に書いた

ようだ。他の著作に内容紹介が無いのは、本の題
名からみて、遊学往来の中将棋部を含めて、ずら
りと、文献内容コピーを記載しなければならない

筋合いが特に無いから

である。
 成書の場合、体裁から300ページ程度に、
文字総数を制御する必要がある。それに対して、
webのブログの場合、字数制限が無い。

論文や単行本にこだわるのは、保存性から正論

だ。しかし事実上発生する字数制限から、今のよ
うな問題が発生したときに、確認する迄に、大き
な手間が掛かるという欠点が、紙媒体の成書に有
る事も確かだと、私はそれからは思うようになっ
た。(2020/02/03)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー