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平安大将棋。溝口和彦飛龍位置3筋説正解の可能性(長さん)

故溝口和彦氏の13×13升目68枚制の
平安大将棋初期配列図には、自陣4段だとい
う以外に、飛龍第3筋という特色がある。
5段目:口口口口口口口口口口口口注人口口口口口口口口口口口口
4段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
3段目:口口口口飛龍口口口口口口横行口口口口口口飛龍口口口口
2段目:奔車口口口口口口猛虎口口口口口口猛虎口口口口口口奔車
1段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車
 残念ながら今となっては、桂馬の進み先を
飛龍にしたという理由付けしか明らかでない。
 ただしさいきんは本ブログも、西暦
1110年頃の平安大将棋の成立時、ゲーム
の出来の良いものを作る力が、一時的に減退
したと考えている。なぜなら陰陽寮師の世襲
化の為に、当のゲームの出来の良し悪しの力
をつける原動力となる、囲碁の流行を推進す
る、天体の中国星座内での観測情報が、一時
隠匿されて世間に広がらなくなった結果、
囲碁が低迷したからである。何れにしても
その結果、ゲームの出来の良いものを作る力
が、一時的に減退したと考えているので、

ゲームの出来が良いかどうか、以外の理由で、
平安大将棋の、最初のルールが決まる可能性
がある

と考えるようになってきた。よってそもそも
溝口氏の言うように、4段目自陣配列では、
発生当初は無かったのかもしれないと、益々
思うようになった。つまり以下のような原案
が、例えば藤原忠実に対して、陰陽寮の作成
担当の安倍泰長等から、西暦1110年頃に
示されたのかもしれないという事である。
原案1
4段目:口口口口口口口口口口口口注人口口口口口口口口口口口口
3段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
2段目:奔車口口飛龍口口猛虎口口横行口口猛虎口口飛龍口口奔車
1段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車
つまり、”標準的な”平安大将棋とは、飛龍
の位置だけが、1升目中央に寄っている形で
ある。
 では、この自陣3段目配列は、有り得るの
かどうかを、今回は論題にする。回答を書く。
有り得る。
陰陽寮等から藤原摂関に示された原案は、よ
り厳密には、ひょっとすると次のような初期
配列の大将棋だったのかもしれないとも考え
られる。
原案1´
4段目:口口口口口口口口口口口口注人口口口口口口口口口口口口
3段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
2段目:奔車口口青龍口口白虎口口横行口口白虎口口青龍口口奔車
1段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車
では、論を開始する。
 このように、陰陽寮で特に自陣2段目に加
える、新しい駒種が設定されたのは、以前に
述べた通り、

直接的には三角縁神獣鏡の獣種がモデルだっ
たと疑われるが十二神将と四神が考慮された

ものとも考えられる。つまり、それぞれ別に、
次のような原案2、原案3も有ったと疑われ
ると言う事である。
原案2
4段目:口口口口口口口口口口口口注人口口口口口口口口口口口口
3段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
2段目:奔車蟠蛇飛龍走兎猛虎猛牛横行猛牛猛虎走兎飛龍蟠蛇奔車
1段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車
原案3
4段目:口口口口口口口口口口口口注人口口口口口口口口口口口口
3段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
2段目:奔車玄武青龍朱雀白虎口口横行口口白虎朱雀青龍玄武奔車
1段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車
つまり、
十二支配列にしようと思えば、虎は3番目で

龍は5番目だから、鉄将の上に龍をおく必要
がある。

また四神配列にしようと思えば、白虎は秋で
青龍は春だから、

虎と龍の間の隙間は1升でなければならない
から龍はやはり鉄将の上でなければならない

という事である。
 だから原案2と3に加えて、三角縁神獣鏡
の2獣をもってきた、最初の自陣3段配列の
原案1系でも、

ゲームとしての出来の良し悪しを度外視して、
陰陽道等との関係を重視すれば、飛龍等は、
2筋目ではなくて3筋目にしたと考えた方が
自然

だ。ちなみに十二支のパターン原案2では、
端列を除外して7番目として馬を、下段に落
として、逆向きに中央に戻すように数えると、
桂馬が元々ちょうど良い位置に来る。
 従って、4段目化したときにも、溝口モデ
ルは考慮に入れられたのかも知れない。また、
2筋目に飛龍が移動するモデルが、結果的に
は正しいにしても、そのように確定したのは、
飛龍が角行動きで確定した時点であり、西暦
1110年よりは、少し後だったのかもしれ
ないと、私は最近は疑うようになってきたの
である。(2020/03/09)

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