SSブログ

本ブログ版”今に残る二人制チャトランガ”非残存(長さん)

最近になり、大内延介氏の”将棋の来た道”
(メコン社、西暦1986年)を読み返していて
表題の件について、読み間違いが有るのに気がつ
いた。本ブログで今までインドの”今に残る二人
制チャトランガ”と称していた、マークルック(
マックルック)で、兵が2段配列のような象棋は、
インドでは、実際には今は残っていないゲームで
ある。ただし、”文献で確実に辿れているようだ
という意味では、残っている”

らしい。

 もともとこのゲーム種の発掘経過は、大内延介
氏が、インドのマドラス市のチェス協会の、
パラスラム氏から聞き取ったものであり、
~14世紀(?)のものとの事ようである。ただ
し、もっと後まで、残っていた可能性もあるとみ
られる。
 本当のインドの今に残る2人制チャトランガは、
将棋天国社の世界の将棋で”チャトランガ(正確
には、チャツランガ)2人制”と表現されている
ゲームの事のようである。これは、

イスラムシャトランジで兵の成りが、相手陣初期
配列駒に成るのであって、大臣ではないルールの
象棋の事である。

なお”インドのシャトランジ”と大内氏が、別の
インド人で、たぶん観光協会のジャベット氏に聞
いて、表現しているゲームは、

大臣駒が女王動きである点で、イスラムシャトラ
ンジとは違う。

本ブログでは、インドシャトランジの大臣/副官
が猫叉動きだと、何箇所かで勘違いして、紹介し
てしまった可能性がある。
 その他、まとめるてみると次のようになる。
1.”インド二人制古チャトランガ”
(ビールーニ反転以前のインド古代ゲーム。象が、
恐らく飛車から角行へ、途中で変化。)
2.インドの”今に残る2人制チャトランガ”
3.”世界の将棋の2人制チャトランガ”
4.大内延介氏の指した”インドのシャトランジ”
 そして世界の将棋では、以上の4タイプのゲー
ムに続いて、第5番目の
5.”インドのシャトラング”(世界の将棋では、
チャトランジあるいはシャトランジと表現)
が、紹介されている。これは4の大内延介氏の”
インドのシャトランジ”よりも、更に西洋チェス
に近いゲームである。すなわち、駒の動きに関し
て、兵に初期2升目動きが無いのと、王が一度だ
け八方桂動きが許されるという点を除いて、駒の
動かし方が、全部西洋チェスと同じという、近代
インドゲームの事のようである。なお5.のゲー
ムの兵の成りは、インドの、相手初期位置駒に成
るという型であり、西洋チェスのように、王駒以
外駒への、自由成りでは無い。
 なお、王と大臣の配列が、上のゲーム番号で、
3~5について、王右、大臣左(点対称だが、
左右が、古代と逆)へ変化したとの事である。
 以上の事から。つまり2.について。私が個人
的に知っている情報が、元々たいへん少ないのだ
が、とにかく、

2.は、今は指されていないゲームらしかった

ので、本ブログの今までの認識は、正しくなかっ
たようである。しかし混乱を避けるため、表現方
法は、今後も変えないで統一する。またインドの
将棋について、梅林勲、岡野伸氏、将棋天国社、
2000年の『世界の将棋』には基本的に、2人
制の小将棋関連型に関しては、これ以上の情報が、
特に見当たらないようだ。(2020/04/20)

nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー