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清王朝期中国三友象棋盤升目の問題について(長さん)

以前に、日本将棋の三人将棋の盤について考察した
ときに、5段目だけを間延びさせて中央三角領域に
埋め込んで示した。これは、中国清王朝時代に成立
した中国シャンチーの三人象棋、鄭晋徳作成の、
三友象棋の盤スタイルとは違っている。後者では、
三角領域は端筋を0とし1、2、3、4、3、2、
1、0と交点数を階段状に、中央筋が4個で最大
になるようにしているからである。本ブログで示し
た盤は1、1、1、1、1、1、1、1、1と、全
部1升目にする方式であった。

どちらが良いのかを、今回は論題にし、見掛けは
悪いが、本ブログ方式の方が、ルールに曖昧性が
発生しにくい

と結論する。
 では、以下に論を開始する。
 そもそも、交点置きの盤で、相対位置の”斜め”
を議論するのは、意味不明である。そこで、議論
は、升目置きの盤に限る。表題の清王朝期、
中国三友象棋盤升目は9筋だが、議論は5筋盤程度
で、本質的な問題は充分に明らかになると思われる。
 5筋で三角域が0、1、2、1、0升目になるよ
うに、三人将棋盤を作ると、以下の図のようになる。

中国三友象棋盤.gif

以上の図から、○の升目の左右に、”斜め前升目”
が存在し無い事が判る。一見して斜め前にあるよう
に見えるAの升目は、”前升目”だし、Bの升目は、
”横の升目”である。正確には今度はB升目から○
印升目を見たときに、○印升目は、B升目にとって
”2つの左横升目の一方”でしかない。つまり、
○升目には、右横の升目もないし、そもそも右前の
升目はない。一般に、三角盤の中央域で、横升目同
士は中央に限られるし、それは目で見ても明らかだ。
 しかし、もっと大きな問題は、

接続が偶数升目になる筋で、袖筋方向に関する
斜め前升目が無いにも関わらずそれが判りにくい事

である。中国三友象棋盤方式では、図のA升目が、
○升目の前升目なのだが、斜め右前升目のようでも
あるし、前升目のようにも見えるという点が問題で
あろう。
 具体的に中国三友象棋では、斜め歩み駒として
火駒が、桂馬跳び駒として馬駒があるので、斜め前
か前かの判定が問題になる。日本将棋のケースは、
当然だが玉将、金将、銀将、打ち込んだ桂馬でこの
点が問題になる。
 三友象棋で問題になるのは、盤の具体的な部分で
言うと、”山”の所と”海”の所である。なお、馬
駒は海では横すべりするしかないのかもしれないが、
火駒には制限が無い。山の所では両方問題になる。
日本将棋の玉、金、銀、桂には、そもそも進み先に
関する禁手は無いので、全部問題になる。
 こうしたケースは、事前にきっちり決めておかな
いと、ゲーム中に問題になるし、それが致命的な問
題に

実際なったので魏蜀呉の三国志で有名な中国でも、
三友象棋は廃れてしまった

のかもしれない。
 何れにしても、やぼったいが。本ブログの盤の形
式の方が、使っていて問題が発生しにくい事だけは、
以上の点から見て確かなように私には思える。
(2020/05/04)

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