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3人将棋やチェスは偶数升目のときどうなるか(長さん)

web上には、三人チェスのゲーム盤図が
簡単に発見できる。しかし、ゲーム盤を実際
に用いたときの、約束事についての情報を
探すのは、容易ではない。ここでは、

前後非対称駒の有る、8×8升目32枚制
原始平安小将棋持駒使用型や、それに飛車・
角行を加えた場合の、3人将棋盤の問題を、
三角領域が2、2、2、2、2、2、2、2
升目盤を例にとり考察

する。結論を述べると、

中央2筋が、他2者の陣に繋がっているか、
どうかという点をはっきりさせる必要がある。

では、議論を開始する。
 チェスについては4人制チェスが欧州では
多種類、古くから知られている。が、この類
の4人制チェス類に使用するチェス盤に、問
題は生じない。

チェスの駒の動かし方ルールが、左右前後共
に対称だから

である。他方3人制についても、web上に
きれいなゲーム盤のチェス盤が見られる。が、
このケースは、中国シャンチーの三人象棋で
ある、3友象将棋と同様で、三角領域が、
1、2、3、4、4、3、2、1型のゲーム
盤になっている疑いがあり、そのケースには、
偶数筋より外筋に斜め前が定義できないとい
う問題が、やはり発生すると思われる。
 以上の事から、三角領域が
2、2、2、2、2、2、2、2型の升目盤
だけ考えれば良いだろうと、予想が付く。
実際3角領域2升目一定盤を作ってみると、
以下のようになる。が、結局の所、

偶数型三人小将棋盤.gif

中央2列が一方としか繋がっていないのか、
奇数升目盤の中央列のように、両方に繋がる
のかを、

予めルールとして決めて置く事が大切

である事が、よく見れば判るのである。
 つまり上の図で、たとえば後手の左から4
筋目から、中手の右から4筋目へと多少大回
りで行けるのかと、同じく後手の左から5筋
目から、先手の左から4筋目へ、多少大回り
で繋がるのかという点が、問題だという事で
ある。
 繋がるとすれば、たとえば原始平安小将棋
(持ち駒有り型)では以下のようになる。
①香車が中央筋下段から、他2者の陣へどち
らも入れるように打ち込める。
②金将が奥四段目列から中央筋の近い方に戻
れば、一旦自陣4段目に戻って斜めに上がれ
ば、他の対局者へ攻め替える事ができる。
③また、仮に日本将棋の角行動き駒を使う変
則ルールの場合、自陣2段目2列の位置から、
他2者の陣を、同時に狙える。
 それに対して、繋がらないで、図の中央を
直線的に横断できない場合は、以下のように
なるとみられる。
①香車が中央筋下段から打ったとき、睨んで
いる陣は、右の中央のときには右の棋士、
左の中央のときには左の棋士の、どちらか
だけである。
②金将が奥四段目列から中央筋のより遠い方
に戻ってから、一旦自陣4段目に戻って、斜
めに上がれば、他の対局者へ攻め替える事が
できるが、繋がっている場合に比べて1手余
分に必要。
③の角行動き駒の、打ち込みについては、1
つ大回りの繋がりが無いルールの場合、自陣
2段目2列の位置からは、他のどちらかの陣
にしか、睨みが利かない。すなわち、右袖の
位置からは右のプレーヤーの右袖だけが狙え、
左袖の位置からは、左袖のプレーヤーが狙え
るだけでややこしくなる。
 なお、補足すると②に関して。この偶数ゲー
ム盤では、奇数のケースとは違い、4段目と
5段目の特定プレーヤーから見て、奥の3筋
には中央2段で、”後退方向”が存在しない。
だから金将は、横に動いて、後退の定義され
た、中央筋に戻らないと、攻めるプレーヤー
陣の交換が出来ないのである。ただし、事前
に特例として底筋から底筋への移動だけを、
後退で許す便法を、予め決めておく方法は、
当然考えられる。ちなみに3人チェスで、
ナイトの、このケースの方向反転升目跳び越
えを実際にどう処理しているのか、私は知ら
ない。西洋ルールには、向きとか方向という
概念が、薄いとの印象である。
 以上の事から、偶数の三人将棋盤で、ルー
ルが簡単になるのは、中央三角領域が2升目
で一定盤の場合に限られるのであろうが、そ
の場合でも、中央2筋が、共通3者で繋がっ
ているのか、筋は2者繋がりだけと考えて、
駒の動かし方ルールを決めて置くのかは、

予めどちらかを、決めておかないと対局中に
トラブルになる

と考える事ができるのである。
 前に奇数升目盤で三角領域が1升目一定型
を説明したし、今回は偶数升目で3人将棋の
三角域2升目一定盤について説明した。
 升目の数は、今回一例として8升目、前に
説明した奇数の場合は9升目であった。しか
しながら、当然その他の数の升目でも、状況
は4升目以上なら、同一である事は明らかで
ある。また、シャンチーのように片方偶数、
片方奇数のケースもある。奇数列の場合は、
中央筋が、元々共有になるし、奇数段の場合
は、今回議論したような分岐する中央筋が、
出来ないため、②の角行型駒の相手2者同時
睨み等は、起こらない状況になるだろうと考
えられる。
 よって、以上の事から、たとえば偶数段偶
数筋将棋・チェス盤の場合について中央2列
は3者共に接続すると決めておけば、ゲーム
盤による、駒の動かし方ルールの不確定性は、
基本的には、三角領域1~2升目一定盤の
ケースに関しては、三人将棋、三人チェス等
で、余り起こらないだろうと、考えられる事
が出来るとみられるのである。(2020/05/07)

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