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イスラムシャトランジ回転対称駒以外の対称ルールの訳(長さん)

西洋チェスの駒の動かし方ルールは、成ポーンを
含めて、ポーン以外は前後左右対称である。
これは、元々の祖先であるイスラムシャトランジ
のルールが、そうなっているための引継ぎである
事は明らかだ。今回は、立体駒が回転対称で底面
が円なのに加えて、

”エラトステネス等の地球球体論”の知識が有るかど
うかが、それを決める

と論じる。さっそく論を開始する。
 先行研究として”摩訶大将棋のブログ”のTT
氏の、”元々日本の将棋にも、碁盤状の交点置き
ゲームが存在した”為という、たぶん独自の認識
を出発点とした議論がある。詳しくはそちらを見
ていただこう。
 他方、web上には、エラトステネスの地球が
球であるのは折込済みとした彼の認識を前提とし
た上での、地球や月の半径測定の記事が複数出て
いる。ブエノスアイレスの住人が、なぜ足を日本
に向けて立てるのかという点について、エラトス
テネスが充分に解明できたかどうか、少なくとも
私には謎だが。彼が地球が球に近いと思っていた
事は、そもそも地球の半径を、太陽の南中高度の
既知間隔2点での、同時観測から割り出そうとし
ている事、それ以前に、アリスタルコスが月食の
影を地球の形と見ていた事を、エラトステネスが
知って月の半径を計算している事等からして、明
らかだと私は考える。
 所で、21世紀に否定された”閉じた宇宙”説
では、前に向かうと、後ろから出発点に1000
億光年程度進むと、戻ってくるという話はあちこ
ちで見かける議論であった。が、球面内で2次元
世界を考え、主に地表戦だけ想定すれば、

世界戦争でも、同じ事

である。だから、重力が理解できるかどうかは別
として、地球が球だと考える民族は、

チェス型ゲームの駒のルールに、方向依存性を付
けたがらないと考えられるのは自明

であろう。
 つまり、駒名を文字で書く事によって、造形と
して内容が不明の駒も作れるように、なった点も
確かにあるのだろうが、

山奥か、離れ小島の未開人のデザイナーが作った
将棋ゲームの方が、自然科学に強い文明人に比べ
て、8方向バラバラな動きの駒を、教養が邪魔せ
ず作りやすい

という事になる。この事から、

日本の将棋は、シルクロードからも離れたアジア
の山奥の伝来か、または、日本列島内での発生か
の、どちらかの可能性が高い

事を示している。そして更には、

仏教の平板大地観は日本では室町時代から、
江戸時代も強かったと断定できる

事も示しているとみられる。
 また、元々インド二人制古チャトランガ自体も、

インド亜大陸全体までは、征服出来なかった国が
起源

だとも、推定できるように思われる。更には、
平安大将棋には非対称駒であり、やろうとすれば
避けられた横行が有る事。しかし、本ブログの仮
定した普通唱導集時代の大将棋に、加えられた、
奔王、龍王、龍馬、角行、竪行、新横行、飛車、
中国型酔象、麒麟、鳳凰、元々の猛虎、猛牛、旧
嗔猪、飛龍に全く非対称駒が無く、ただし銅将の
動きを、他の将駒とのバランスから、非対称へ再
調整している程度である事。以上の事から、

①平安大将棋のデザイナーであると疑われる陰陽
道の安倍泰長は、宣明暦の月食の算法は知ってい
たが、渾天説で唐代に中国で地球球・円盤論争が
あったとみられる事に、特に興味は無かった。

②西暦1250年前後の、普通唱導集大将棋の成
立期に、中国からギリシャ天文学流の地球球体の
説が、京都の知識人向けの中国からの元王朝国内
から、唐物書籍を通し日本へも一部流入していた。

という、以上の2つの事実が、浮かび上がって来
るように、私には見える。
 何れにしても元に戻すと、ギリシャの古代天文
学や地理学が、イスラムシャトランジのデザイナー
に既知だった事は明らかだから。イスラムシャト
ランジが、前後左右対称駒ルールになるのは、そ
のためだったのだろう。中国シャンチーも、渾天
説で唐代に、歳差の原因に関して地球球・円盤論
争があった位であるから、イスラム人の天文学者
を皇帝が受け入れた北宋時代に、兵卒駒以外が、
前後左右対称駒ばかりの中国シャンチーが、世界
戦争のモデル化をも、視野に入れて作られたのだ
ろう。
 それに対して、雲南省や日本列島内での戦争だ
けを考えれば良かった日本の将棋の成立に関して
は、向きや方向で、駒の動かし方ルールに差をつ
けても、特に問題は生じないと考えたのであろう。
更には伝来者として、本ブログでは疑っている、
北宋商人一例、周文裔にとっては、もともと日本
が島なのは当然の常識だった。だから、地球全体
の戦争にも対応できる、

イスラムの象棋や、当時も海洋文明国であった
東南アジアの将棋は、日本の平安貴族用に、
似合わないとして、紹介を避けるのも当たり前

だったのであろう。かくして淡くであるが、日本
の将棋の駒の動かし方ルールに、方向性が強い事
から、

今の日本の将棋の故郷が、日本列島自身か、
アジア大陸の山奥の、盆地のような僻地である

と、淡くだが、その事からも絞り込めるように、
私には思えるのである。(2020/05/09)

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