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(コラム)livedoorの”大将棋の謎”について(長さん)

このたび、so-netのseesaa社への売却に同期して
livedoorのホスト内に、書庫を作成致しました。
ssブログurl→https://chiyoosan.blog.ss-blog.jp/
livedoorブログurl→http://df233285.livedoor.blog/
マクロで見て”ブログの時代”が転換期に入り、大手管理会社
の一部が撤退する流れになった為、継続しているホストで公開
を続ける必要が発生したという経緯からの準備活動です。なお
具体的に、ssブログが閉鎖されるという話は、今の所有りま
せん。

 お手数ですが、livedoorの”大将棋の謎”ブログを
御訪問された方は、前記ssブログのurlへ御移動頂きたく
希望致します。何卒よろしく御願い致します。

すなわちこのブログは現状、ssブログで公開されていますが、
livedoor側では、コンテンツを保管しただけで、
『非公開』の状態を継続しています。と言いますのは現行、
google等の検索エンジンで、本ブログは特定の検索内容
が、かなりの数hitします。が当然ですが、全部ssブログ
のurlの検索結果です。ので、google検索エンジンの
状態を保存する為の措置で、やむを得ず、そう致しております。
 livedoor側のurlで御訪問頂いた方へは、空の内
容を御見せし、誠に見苦しく恐縮致しております。が今述べた
経緯ですので何卒御理解のほど、よろしく御願い申し上げます。
(だい将棋の謎・大将棋の謎ブログの管理人”長”2020/05/31の2)

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女王駒の起源は幸田露伴の将棋雑考に説明が有る(長さん)

以前、本ブログで女王駒への大臣駒の転換原因として
スペインでの4人制アセドレフでの問題発生が起源と
の旨の説を述べた。この問題は著名で、日本でも古く
から、先行研究や、その結論が紹介されている。
 以前の紹介では、先行研究の紹介が抜けていたので
追記的だが以下に紹介したい。
 日本での解説で、最も古いのは恐らく、幸田露伴の
将棋雑考であろう。この文面は、結論から言うと、

現在の定説と同じ

である。なおweb上に、原文の方の将棋雑考が載っ
ていて、以下のようになっている。

以下、幸田露伴、将棋雑考の原文のコピー

 女王の馬子は、其名、其性、其力に奇異なる變化を受け
たるなり。當初此馬子は「しゃとらんじ」にては「ふぁるつ」
又は「ふぁるざん」「ふぁるじ」「ふぁるじん」坏と稱せら
れし馬子にして、其名はゝ輔翼者、大臣、將軍等の義を
有せるなり。されば固より女王とは稱さるべくもあらざりし
が、其稱羅甸語化せられて、「ふぁるじあ」又は
「ふぁるしあ」と呼ばれ、佛人に訛られて「ふぃえるす」
「ふぃえるじ」と呼ばれ、「ゐぇえるじゆ」と呼ばれて終に
女子を稱するの語に近似するに至り、轉じて女性となりしと
云ふ。猶他の一説に據れば、從前は「ぱうん」の第八格に
達するや必ず昇級して「ふぁるじん」となりしが、
其情勢佛・蘭・西の「だーめ」の戲に似たりしを以て、
「だーめ」に女子の義あるまゝ、一轉して「ふぁるじん」の
馬子は女性と目さるゝに至れるなりと云ふ。
按ずるに、「だーめ」は我邦の「飛び將棋」「にょいにょい」、
支那の蹙戎(酉陽雜俎續集卷四に見ゆ)の類にして少しく
異なるもの也。
 古は此馬子一格を限りて對角線に行動するのみにして、
常に盤上の弱將たりしなり。然るに今の如く大能力を有する
に至りしは第十五世紀の半よりの事にして、從つて各將及び
歩兵も亦其能力を大にするに至りしなるべし。

以上が将棋雑考の該当部分。
 このうち、翻訳により訛ったという説は有力である。

この定説は、否定困難

であろう。
 本ブログの説は、兵駒の成りに絡んだスペイン起源
説であるから、後半で幸田露伴が紹介している”ダー
メ説”に近い事が判る。なお本ブログで述べた、私の、
4人制アセドレフ起源説を取るためには、4人制アセ
ドレフ自体がコーディクス・アルフォンソより150
以上成立が早くないと、出土チェス駒の事実とは合わ
ない。名称”女王”駒の成立が、西暦1100年程度
と見られるからである。よって本当に女王の起源の謎
に迫るのには、更に史料の蓄積が必要だと見られる。
 ちなみに私の認識では女王を”ダーメ”とスペイン
でも言うが、上記で幸田露伴も言及していないが、
ダーメはドイツあたりが、言葉の中心のようにも、私
には見える。その事からも、問題の解明が、実際には
容易では無い事が判る。つまり、

日本では、欧州でチェスの副官駒をクイーンと言うと
思っている方がほとんどだと思うが。実際には”世界
の将棋”(将棋天国社、2000)、梅林勲、岡野伸
によると、欧州では”ダーメ”の方が、実は多数派と
の事らしい。

 何れにしても冒頭に述べたように幸田露伴の上記文
の内容は、今の将棋史界の認識と、実質的に同一であ
る。(2020/05/31)

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