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正方形路盤ならチャンギの象は角度何度で移動か(長さん)

以下、今後の考察の準備の為の、arcTan(θ)
の四則計算の話である。
以前、桂馬の跳びの角度は、中心点移動で完全方形
升将棋盤ならば、前方を0°基準として約26°.565
であるという話をした事がある。八方桂のケース
に広げたとするとatn(1/2)とatn(2)
となり、その間で、答え同士はθ’=90°-θ
である。そのときには数表を見てここには書いた。
 その他、日本電気製インタープリターのbasic
に読み込ませて計算する、”プログラム(当時)”
について紹介したときに、atn(X)という関
数を定義しないで、使用した記憶が有る。
 今回は関数電卓、数表が無いとして、筆算だと
キツイが、少なくとも普通の電卓だけで、四則演算
でそのatn(X)を計算してみる。
 web上のyahoo知恵袋に、チャンギの象
の横動きにあたる、atn(2/3)の例が載っ
ている。

以下引用
***********

アークタンジェントの計算方法

ysl********さん
2011/8/1423:29:57
アークタンジェントの計算方法

tan^-1(2/3)を教えてください。電卓なしで。

ベストアンサーに選ばれた回答

tak********さん

2011/8/15,00:05:13

テイラー展開を利用します。そのままでは収束が遅いので、
加法定理を使って収束の速い形に直します。

tanθ=2/3 とおくと、
tan(π/4-θ) = (1-tanθ)/(1+1・tanθ) = 1/5
arctan(2/3) = θ = π/4 - arctan(1/5)
arctan(1/5)をテイラー展開して3次の項までで打ち切ると、
arctan(1/5) = (1/5) - (1/3)(1/5)^3 = 0.1973
一方π/4=0.7854 なので、
arctan(2/3) = 0.7854 - 0.1973 = 0.5881
真の値は 0.58800260354... なので、まあ悪くない結果です。


質問した人(ysl********)さんからのコメント

2011/8/15 00:18:45

降参 俺計算無理だ、ありがとうございます、理解50%できた。
***********
以上引用終わり。
tak********氏が9年前程度に回答したものであ
る。彼の解説は正しいが、途中が、はしょられて
いて、質問者が最後に書いているように、理解し
にくい。三角関数表の作成方法のカテゴリーとい
う、とても重要な情報とみられたので、補足して
判りやすくする事にした。必要とみられる点を以
下、まとめて見た。

atn(0)=0°
atn(2-√3)=15°=1/12・πラジアン
atn(1/√3)=30°=1/6・πラジアン
atn(1)=45°=1/4・πラジアン
atn(√3)=60°=1/3・πラジアン
atn(2+√3)=75°=5/12・πラジアン
atn(∞)=90°=1/2・πラジアン
が判っているのが前提とする。
ただし、実際には、変数の絶対値が1を越えたら、
(それを正整数にするのは当然として更に)逆数化
して答えを出し、0°から45°の間で答えを出し
ておいて、概ね90°から引いたほうが、精度が良
い。

ラジアンで答えは出るが、最後に57.29578
倍して、°に直さないと不親切。上の例では答えは、
tak********氏によると

チャンギの象は、縦横線から33°.696動きと
いう結論

になる。

tan(π/4-θ)=1/5以下が、唐突で判りにくい。

atn(X)±atn(Y)
=atn((X±Y)/(1-+XY))
=atn(X±α)

という第1項と第2項はtangentの加法定理
の公式の変形を使っていて、しかも、結論として

Y=α/(1±αX+X^2)

で、Yが計算できるという説明をした上で、

α=1/3で、X±Yは、このケースはX-Yで、
Y=(1/3)/{1-1・(1/3)+1×1}
 =1/5
だと言う方が、公式さえ覚えればよいので、判り
やすい。理由は、

この公式に、たまたまだったが、係数が無い

からである。

テイラー展開が、3回微分の項で係数に関し
-1/3で良いと言う説明が、唐突。
atn(X)の微分が1/(1+X^2)という事
を使い、更に2階、3階微分して説明するのが正確
だが。書くと長くなるので、以下tan(y)の微
分で、最後に逆関数ひっくり返しで、傾きを
(1-δ)≒1/(1+δ)を使って証明すると、
次のようになる。但しδは1に比べて微小な整数。
(tan(y))’=sec^2(y)

(tan(y))’’=(sec^2(y))’=
2sec(y)・tan(y)・sec(y)
=2・tan(y)・sec^2(y)

(tan(y))’’’
=2・(tan(y)・sec^2(y))’
=2{sec^2(y)・sec^2(y)+
2・tan(y)・sec(y)・tan(y)・sec(y)}
=2・sec^4(y)+4・tan^2(y)・sec^2(y)

ここではかならず、y=0でテーラー展開している。
マクローリン展開になっているという意味である。

だから、tan(0)=0だしsec(0)=1
である。つまり、

tanの入った項は消える

のである。だから、

1回微分の項と、3回微分の項の第1項である
sec^4(0)=1しか残らない。0回微分の
項と2回微分の項は0である。しかも、テーラー
展開では、

3回微分の項には1/3!の係数が付く。

つまり、{2/(3×2)}・sec^4(y)=
+(1/3)・sec^4(y)なのである。
だからテーラー展開は、
tan(θ)≒θ・sec^2(0)+
(1/3)・(θ^3)・sec^4(0)

=θ+(1/3)・(θ^3)である。
しかもatnはtanの逆関数なので、最初の方
で述べたように、グラフの傾き1+(1/3)・(θ^2)
はX軸、Y軸が入れ替わって90°-元の傾斜
に変わり、以下のY値が1/6以下の時には概ね、
(1/3)・(Y^2)が1/100以下な為に、
atn(Y)≒Y/{1+(1/3)・(Y^2)}
≒Y・{1-(1/3)・(Y^2)}
=Y-(1/3)・(Y^3)
となって、tak********氏の言うように、なるの
である。むろん、まっとうにatn(Y)を1~
3階微分した方が、証明方法としては正確。
1/(1+x^2)^2+・・等がたまたま見苦
しいので、上記ではtanやsecの計算に変え
ている。
 なお、何冊かの成書には、1/(1+x^2)
を二項展開してから、項目別積分をしてYの3乗
項までが、Y-(1/3)・(Y^3)になる、
atn(x)’=Y-(1/3)・(Y^3)+(1/5)・
(Y^5)・・・
という旨の導入方法を、説明しているものがある。
 蛇足だが、以上の①と④の説明から、
atn(X)には45°(45°×0.0174533
(ラジアン/°)=0.7854ラジアン)から
よりも、

初期値として、30°を入れ、atn(√3/3)
=atn(0.57735)とatn(0.66667)
の差分atn(0.57735+0.0893165)
を計算した方が、精度が良さそうだとは予想できる。

X+Yのケースで、α=0.0893165だと、
Y=0.0893165/(1+0.0893165・
0.57735+0.57735・0.57735)=
0.064493(約1/15.5056)であり、
(1/3)・(0.064493)^3=
0.0000894である。
よって、0.064493-0.0000894=
0.064404であるから、
atn(2/3)=atn(√3/3)+
atn(0.064493)
=π/6+0.064404=0.588003
となり、真の値とtak********氏の言う 0.58800260354に

『0.5881』よりも更に近くなる

のである。つまり、それに57.29578を掛けて、
33°.6901にした方が、tak********氏の
33°.6956よりも更に、真のチャンギ象動の角
度値、
33°.69007・・に近いのである。
 何れにしても、良い情報だった。ysl********氏は、
50%ではなくて100%理解し、有名私立大学の
数学の入試問題程度が、すらすら解けるようになるよ
う、その後がんばった事を、影ながら祈る事にしよう。
 以上のように原則的に、atn(x)の代数計算に
関して、9年位前の『yahoo知恵袋』に、今後の
考察等に充分役立つ、”数表そのものを作る”という
数学情報が載っていたという点は、ほぼ確かと言える。
(2020/06/05)

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