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99升目40枚制で1/11歩刻みの日本将棋(長さん)

以下、小数点以下の歩みの可能な将棋の考察の続き
である。以前に1/3升目ずつ歩む将棋、および、
実数歩みで、衝突点を計算する幾何学の考察をした。
1/3歩歩み将棋では、駒の排除領域が、従来の
67%まで縮小し、乱雑駒置き初期配列が許される
と、穴熊囲いが、香車を動かさなくても出来る旨を
述べた。次いで衝突点計算の考察では、電卓で計算
しながらでないと、どの相手駒に衝突するのか、
判断不能になったり、停止点の計算が、思いの他、
面倒である事を示した。このような考察は基本的に、

将棋のルールが、座標の取り方に対して無関係に
なるようにしている

とも言える。本来、奔王には斜め走りと縦横走りに
性能差が有るのも変なのであるが。たまたま、座標
のメッシュが荒いと、駒の排除域が斜め方向に狭く
なっているので角走り方向に有利になってしまうと
いう事である。
 座標の回転に対する不変性に関して、将棋ゲーム
のデザイナーが余り問題視しなかったのは、近代を
含めて、デザイナーの頭の中に、物理学が定着して
いなかったためだろう。しかし、座標の取り方に依
存するという、自然界には無い性質が、気になり出
すと気になるものである。なので、今回は1/3
ステップ将棋を更に推し進めて、

1/11ステップ将棋を考察

してみた。まず、9でも13でもなく11にした理
由から書く。

1)棋譜が縦横2桁で収まる。
2)たまたまだったが、排除域を7、9、11、
13、15、15、・・15、13、11、9、7
列の計15段にしたら、排除領域の形が、ほどよく
真円に近い八角形になった。

以上である。では、もう少し肉付けして説明する。
 この将棋は、9×9升目の日本将棋盤の代わりに、
99×99升目の将棋盤を用いる。元々の1升目を
縦横11升に分割するのである。普通の日本将棋流
に言うと、駒は、11升目域の6六の位置にあると
言うイメージである。元々の1一の位置の後手の香
車の座標は、よって6六に変わり、後手左袖の桂馬
は、17六の位置にある事になる。後手1三の位置
の左香車前の歩兵は、新しい盤では6二十八の位置
になる。以下先手の駒を含めて同様である。
 歩兵は1歩(すなわち11升目走り)だけでなく、
1/11ステップで歩める。つまり、元々の動きを
100%とすると、9%、18%、27%、36%、
45%、55%、64%、73%、82%、91%、
100%の11通りで走れる事になる。
 ただし、味方の駒の排除域には入れないし、通過
も出来ない。また相手の駒がある場合は、相手の駒
の排除域に入った所で、向こうに見える相手駒を取
り去り、その手前位置で停止し、それ以上進めない。
今は歩兵について述べたが、他の駒も同様である。
排除域は、その駒の段で左右7列ずつの15列。
以下排除域の中央に、駒が居るのは同じで次のよう
になる。その駒の±1段で15列。±2段で15列。
±3段で15列。±4段で13列。±5段で11列。
つまり日本将棋流の升目の外にも、排除域はハミダ
シており、他の駒は侵入、通過が出来ない升目が、
今の説明の範囲で32升目有る。升目の大きさの半
径70%程度の円内が、排除域であり、つまりは、
各駒が、升目の35%の半径のボディを有していて、
互いに接触するとそれ以上圧縮できないというイメー
ジである。
 なお±6段で9列。±7段で7列になる。
 つまり、従来の日本将棋流の升目内は、全部排除
域内であり、その他に64升目の、はみ出した排除
域があって、各駒が合計185升目の排除粋を持っ
ているというイメージである。
 これは、以下のように、日本将棋流升目の7割半
径の排除升目円を描いたときに、ハミダシを9列と
7列にすると、ほぼ円形に近い正八角形になる事か
ら決定している。

99升目将棋駒排除域.gif

 冒頭でも述べたが、

7、9、11・・・11、9、7ルールは暗記容易

であろう。なお、縦横と隣接筋段の7升組のうち、
中央3升組と、対角線とその斜め隣接で領域内升は、
2駒以上の接触点が同率のときに、優先させ、その
手前升で相手駒取って、手前1升で止まるようなルー
ルにすると、問題が更に減少するかもしれない。そ
の他のケースは、2枚取り強制でもしかたあるまい。
 何れにしても。
 将棋の駒の動かし方は、縦横の場合には隣接升目
を線分越えし、斜めの場合は斜め隅点越えをするた
めに、斜め越えの方が他の駒で排除される確率が減
少していた。それが、飛車と角行の性能差に現われ
ていたが。元々、座標系が回転する事無く、いつも
同じである事から来る、非現実的な違方性で有った。
 しかし、メッシュを細かくしてしまうと、升目の
線越えか、交点越えかは、ほとんど排除効果に利い
て来なくなる。
 今回しているような走り方式だと、
”バイク乗りの騎士”駒で、

前方隣接と斜め隣接を、両方ともに全部、塞馬脚升
にするルールにしたとしても、駒が実通過する升目
が、排除域に対して小さいので、影響がほとんど無
くなってしまうということ

であろう。つまり、

座標の取り方による違方性に起因する、駒の
”見かけの性能差”が現われにくくなるルール

になるとみられるのである。
 加えて今回述べた方法は、目で見て排除域を判断
する方法なので、相手駒で当って取れる駒がどれな
のか、何処で取れるようになるのかを、計算しなく
て良いし、だから止まる位置の計算もいらない。

ある程度の誤差が、メッシュの細かさに限界がある
ために生じる点が、計算する場合との差だけ

であろう。その他、排除域の有る筋に歩兵は打てな
い2歩の禁ルールと、動けるなら相手奥段の方へも、
歩兵と香車は打てるルールにする必要がある。桂馬
だけは横11升、前方22升跳びで固定で、相手駒
を複数枚取る可能性も、有るとするしかないだろう。
恐らく、以上のルールで、99升目の日本将棋を
やると。

将棋とは、現実の破壊現象のシミュレーションで
ある事が、より厳密に判ってくるのではないか。

以上のように、私は予想している。(2020/06/14)

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