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実数日本将棋のゲームとしての出来の良し悪し(長さん)

これまで本ブログでは、歩みと走り駒の歩数が
正の整数ではなくて、正の実数であるような
日本将棋を何回か論じてきた。しかし、このゲー
ムの攻守バランスが、日本将棋と違い大きく崩
れてしまう等して、ゲームとしての出来が悪く
なったとしたら、論じるだけ無駄だったという
事になろう。桂馬を走りや単純X:Y=1:2
比例跳びにしては駄目である事は、以前に論じ
た。が今回は、その他の駒について、動きの実
数化で、ゲームの出来としての不都合は無いの
かどうかについて論じる。実際にゲームをして
みてそれを確かめたが、

非合法手を着手しているかもしれない、曖昧な
チェックでしか、今回は確かめる事が出来なかっ
た。

ともあれ結果は、

序中盤、やや攻撃力過多。終盤は逆に守備が強
いゲームに変化しそう

である。では、以下に論を開始する。
 このゲームを、普通の盤駒でする場合のネッ
クは、やはり以前指摘したとおり、

相手駒を取った場合の、移動座標の正確な計算
が、取り合いが激しくなると面倒

である事である。そこで今回は、

目分量でだいたいの位置に置いて、構わず先に
進めて結果を見る

事にした。その結果テストはラフで、この将棋
として、完全に合法手だけが、繰り返されてい
るとは限らないという事になってしまった。し
かしともあれ、

強引にチェック行為をしてみる

と一例では以下のような、指終局面に到達した。

実数日本将棋指終.gif

上図のように、攻め方の龍王等、幾つかの駒の
位置が、不規則にズレている。
 結論から言うと、
序中盤は、初期配列通りに整然と駒が並んだ状
況下で、角行の筋変えが出来る事が大きく、そ
の為にこの将棋は、日本将棋に比べて、序中盤
は少し攻めが強く、

急戦になりやすい傾向がある。

 それに対して終盤は逆に、駒の位置が不規則
になるために、今度は龍王や龍馬の筋が、通り
にくくなる。更には銀将が、不規則化した自陣
の駒に対して5方利きではなくて、7方利きに
なる事が多くなる。それらの結果によって、

守り方が、日本将棋に比べて終盤強くなりやす
く、終盤に、こじれる事の多い将棋

になるようだ。
 ここで、銀将の隣接升目に対する利きが変化
するのは、前に少し述べた事が有るのだが、
斜動きの他駒への利きに関して、左右後方駒に
利きが生じ無いのは、

厳密に升目の中央に、それぞれの駒が居る場合
だけだ

という事による。縁点で利き筋がカスッテいる
ので普段、銀将は左右や後方隣接駒へ利いてい
ないのだが。駒の位置が少しズレると、場合に
よって、これらの銀将が利かないはずの左右後
方升目に該銀将の利き筋が通ってくるのである。
 それに加えて、龍王や龍馬の利きに対して妨
害する駒も、終盤には、中盤までよりも増えて
くる事も加わり、

守り方の玉の守りは、実数将棋の方が、正の整
数歩数の日本将棋に比べて堅くなる傾向が強い

という事になっているようだ。
 しかしながらこの不規則な、序盤と終盤で入
れ替わる攻守の相対的強さの変化は、

むしろ、実数日本将棋の特長でもある

ように私には思えた。駒の移動先の座標計算が
もっと便利になれば、ゲームとしてはこの将棋
も成立する可能性が、充分に有るように思えた。
(2020/07/10)

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