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確認事項。世界の将棋の踊り駒は何故制限走りか(長さん)

梅林勲氏の執筆部とみられる、世界の将棋の
日本の駒数多数将棋の踊り駒のルールについて、
同書を読めば一目なのだが、今一度、踊りと
古文書に記載された動きが、なぜ制限走りに
なっているのかを、確認して置く事にする。

跳び越え駒で無ければ、走りだと見ているから

である。少し説明を加える。この書では、日本
の将棋のルール説明は、後の方で出てくる。

前段に、象が中国象棋では跳び越え不可である
が、イスラムシャトランジでは、跳び越える事
が出来る等、跳び越え駒と制限走り類似駒の、
ルール解説が、個別の駒に関して、随所に出て
くる。

その為、世界の将棋全体を通して読むと、
”飛龍の動きは鳳凰の斜めと違う”との旨が
古文書に書いてあると、跳べない走りであると
解釈できる流れが、同書の上では、自然に出来
ていると見られる

のである。その為、飛龍の斜め動きと、鳳凰の
斜め動きとは違うと将棋纂図部類抄に書いてあ
るのを知っていると、飛龍が、駒を跳び越えら
れないと、

世界の将棋を通して読んでいると、自然にそう
思えてくるように、同書は編集されている

と言えるのである。なお、世界の将棋で日本の
駒数多数将棋に関して、踊り駒のルール解説が
始めて現われるのは、後期大将棋の飛龍と猛牛
に関してである。そこで、制限走りと解説され
ていて、以下天竺大将棋等の踊り駒も、世界の
将棋では同様の形式になっているのである。
 つまり、ゲーム性等をチェックして暗々裏に
踊りを制限走りにした形跡は、同書を読んでも、
余り感じられない。なお、踊りに関して説明し
ている、諸将棋図式の記述等が、世界の将棋で、
特に紹介されたり、議論されたりはしていない
と、私は今の所認識している。(2020/08/21)

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ヨルダンフマイマで7世紀シャトランジ戦車(長さん)

ライブドアー(Livedoor)ニュー
スの2019年12月1日の記事によると、
表題のように、イスラムシャトランジ初期
の駒と見られる遺物が、ヨルダンフマイマ
遺跡で、たぶん2019年に発掘されたよ
うである。記事のurlは以下の通り。
https://news.livedoor.com/article/detail/17461769/
駒をサンプリングして、年代測定をしたよ
うであり、成立は西暦700年より、少し
古いと出たようである。発掘者は不確定性
を見込んでいるが、イスラムシャトランジ
の戦車駒に、間違いは少ないように、私に
は見える。

フマイマルーク.gif

ただし、下部の筋が、地面との境を示すの
か、戦車の車輪のキャタビラー(?)を示
すのか、あるいは単なる破損なのかは、私
には良く判らない。筋が無ければ、シャト
ランジゲーム駒と、ドンピシャだったよう
に見える。
 発掘者はイスラムシャトランジ駒の古い
レコードだろうと述べたようだ。たとえば、
ものと人間の文化史110、チェス、
増川宏一、法制大学出版局、2003年に、
”イスラム抽象型のシャトランジ駒は、特
に8~9世紀成立とみられる遺物が、多く
出土している”との旨の記載が有るようだ。
イスラム教徒に、ペルシャのシャトランジ
が導入されて直ぐに、イスラム型へ抽象駒
化された事を示す、貴重な遺物と言えるだ
ろう。(2020/08/20)

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江戸期”重宝記”集成読み”だいしょうぎ”(長さん)

以前に何回かに分けて、本ブログで
大将棋を”だいしょうぎ”と読んでいる
件について議論した。基本的には、
”おおしょうぎ”も”だいしょうぎ”も
正しく、国語辞書の拮抗の現実を反映す
べきものと言うのが、本ブログの主張で
あった。他方本ブログの表題”だい将棋
の謎”は、白熱した高段者の日本将棋の
対局を昭和の時代に、”おおしょうぎ”
と表現した例が有る為、その区別の為と
釈明した。しかるに最近、江戸期の各種
”重宝記”を集積させて編集したとされ
る、”江戸時代生活文化事典”勉誠出版
(2018)に、臨川書店西暦2004~
2009発行の”重宝記・資料集成”の
”別巻索引”に準拠するとされる大将棋
の読みの紹介が出ていて、

江戸時代にはゲーム名の発音読みが、か
なり散漫とした状態だった事を伺わせる
文献が本ブログの管理人にも発見された

ので、以下紹介する。前記の”江戸時代
生活文化事典”は、現代事典の類であり、
出典文体を、江戸期の重宝記のフォーム
にあわせたものとみられるものである。
解説文も文語調だが、カナ使いがほぼ現
代版の変わった辞書だ。
 項目名の読み方に関して、”江戸時代
生活文化事典”と”重宝記資料集成別巻
索引”とは、同じ編者、長友千代治氏に
よるものであり、情報に独立性は残念な
がら無い。
 また項目名で、上巻の718ページに
”将棋”に対応する”将棊の事”があり、
主要部は以下のように記載されている。
(以下、江戸時代生活文化事典”将棊の
事”の引用)
<異名>[書札調法記・六]に、象棋の
異名に、棋番、楸秤(しゅうひん)、
楸局がある。(ただし”秤”は木偏になっ
ている。←本ブログ注記。)
<始り>・・周の武帝が作り始め・・・
将棊には数種がある。○大将棊(おおしょ
うぎ)(=竪横各二十五目馬数354枚)。
○摩訶大大将棊(まかだいだいしょうぎ)
(=竪横各十九目、馬数192枚)・・・
○大将棊(だいしょうぎ)(=竪横各
十五目、馬数130枚)・・・このよう
に色々あるが中将棊、
小将棋(しょうしょうぎ・こしょうぎ)
は世に玩(あそ)ぶが、その外は指し様
が分からず、目数馬数を知るだけとある。
・・・
<将棊の詩>「互に玉将を指し初むる辰
(とき)、先ず歩兵(ふひょう)を突い
て還(また)仲人(ちゅうじん)、盤上
騎(のり)掛荷無しと雖も、角行-行馬
を替へて金銀を使ふ」とある。・・・・
(以上、要部の引用)
 上記から、

泰将棋を”おおしょうぎ”、後期大将棋
を”だいしょうぎ”と呼んで、漢字は、
大将棊としたまま、区別

している事は明らかである。そして内容
から、このように思い思いに、知識人が
ゲームを呼んでいたと思われる形跡があ
る。根拠は江戸時代のメジャーなゲーム
である日本将棋が、

”しょうしょうぎ”とも”こしょうぎ”
とも言われて、統一されていないとされ
る事から、そう推定できる

と、少なくとも私には思われる。日本将
棋ですら、江戸時代には呼称の統一が棚
上げだったのである。大将棋も、そう読
めると考えられる、あらゆる読みが並存
したと見なすのが、自然なのではないか。
 以上の事から、少なくとも

中世から近世にかけては、日本の将棋は、
表現の漢字が、ほぼ一定なら、”呼称”
に拘りがほとんど無かった疑いすらある

とも、私には感じられた。いわゆる御国
によって、どう呼ぶのか、バラバラだっ
たのかもしれないのではないだろうか。
なお、上の文書は、関西風で有る事が、
中将棋と日本将棋の流行を、同等に見て
いる事から推定できる。都内から今の所、
近世の中将棋駒の出土例が、酔象しか無
い事、将棋の家が江戸後期には日本将棋
しか、普及に力を入れていなかったと見
られる事から、重宝記の初期版が関西で
発行され出した事と、この事は何らかの
関係があるのかもしれないと、推定でき
るようだ。
 また<将棊の詩>の中に中将棋に有っ
て、日本将棋には無い”仲人”が出てく
るのも、このケースに関してはその為で
あろう。なお<異名>と<将棊の詩>に
ついて、何れかの重宝記に記載されてい
るのだろうが、浅学の本ブログの管理人
には、何れも初耳の内容だった。
 何れにしても、この時代には。
 以上の事から、物書きは将棋ゲームの
呼称に関して、”漢字でどう書くのか”
に注意するだけ。ゲームを実際にする
庶民は、土地の方言で、共通認識として
一定のゲームを表現して、それで不便が
無いと、済ましてしまっていたというの
が、江戸時代の将棋類の、呼称に関する
実態であった。以上の疑いが、依然とし
て存在する事だけは、確かなように私に
は感じられた。(2020/08/19)

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国際三人将棋の実数化挙動は日本将棋と違う(長さん)

梅林勲・岡野伸共著の世界の将棋2000年
将棋天国社(改訂版)の最終章にも載ってい
るが、昭和初期に国際三人将棋というゲーム
が創作されている。ざっと見ると判るが、
正六角形升目にしたため、個々の駒の動きの
ルールは、日本将棋と違う。が参考にしなが
ら傾向として同じにした、日本の将棋の一種
で多人数化したものある事が判る。本ブログ
では、世界の将棋に記載程度にメジャーなチェ
ス・将棋・象棋類に関して、歩み・走り駒を
実数化したときの、ゲームの出来の変化に関
する挙動を過去考察して来た。が、ほぼ残り
1種に近い形で今回は、この特殊な日本の将
棋の実数ルール化ゲームの出来の良し悪しに
関して、考察する事にする。回答から書く。

桂馬に当る駒を抜いたためディフェンス過多
になるように挙動し、国際三人将棋は歩み・
走り駒の実数化によって、恐らく劣化する

とみられる。
 では、説明を開始する。
 この将棋も持ち駒ルールであり、冒頭に
書いたように、初期配列や駒の動かし方ルー
ルを決定する際に、有る程度だが日本将棋に
近似させるようにしている。
 ところが、この将棋の将棋盤が6角形升目
である上に、走りで一つ置いて向こうの升へ
移動させる事を許すように、縁の線上動きを
許容した。そのため、
実数化で問題になる排除円の大きさが、正
六角形升目に内接する円より、僅かに小さい
程度に、小さく調整される事になる。
 その結果、次の大事な効果が発生する。す
なわち、

六角形の交点に、全部打ち駒が出来るように
なってしまう

のである。このため、整数型国際三人将棋に
比べて実数型国際三人将棋では、実質敵に

駒を、三倍の密度で充填可能になってしまう

のである。つまり、玉を非常に硬く固める事
が出来るという事になる。また、悪い事には

この将棋には跳び駒が全く無い。

だからゲーマー三者が皆自陣をで固めあうと、

ほぼ、攻め駒が足りなくなって、玉が寄せら
れない事が自明

である。ちなみに実数化日本将棋では、充填
密度は約二倍に収まり、桂馬が打てるので、
固めすぎると、玉が逃げられずにトン死筋が
発生して、ディフェンスは過多にはならない。
 確かに、外交という角行に当る駒の筋代え
効果はあるのだが。この将棋は外交の右上の
兵駒(尖占)が元々浮き駒で、初っ端に、
飛車駒に当る軍教という駒で、互いに只取り
できる配置になっている。このとき取った兵
を、玉駒である興論の前に打つ等して、順次
自陣を固める事が、実数型の場合にだけ可能
である。なので、

整数型に比べて実数型の国際三人将棋のディ
フェンスはかなり強くなる

と、簡単に予想が付くのである。よって、冒
頭のように、この将棋は実数ルール化によっ
て、勝負が付かなくなって劣化する可能性が
ある。だから少なくとも、実数ルール化の議
論に置いて、昭和初期成立の国際三人将棋が
日本将棋と類似の挙動をするとは、とても
考えにくい事だけは、特にテストをしなくて
も、明らかなように、私には思えるのである。
(2020/08/18)

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博多遺跡群61次遺跡駒は王将か?(長さん)

天童の将棋駒と全国遺跡出土駒(2003)
に1990年頃に発掘されたと報告されて
いる表題の遺物について、最近web上に
カラー写真が紹介されている。所が、玉将
とされる駒の玉の点があまりはっきりとは
していない事に、私は気が付いた。
 紹介のurlは以下の通りである。
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/438999

写真は啓蒙用に再編集したもので、普通の
サイコロと、目新しさの無い碁石、双六の
駒と共に、2枚組で紹介されている。

博多遺跡群.gif

写真のように、玉将とされているのだが、
点がはっきりしない。webを探してみる
と、奈良文化財研究所の発掘報告書データ
ベース、全国遺跡報告総覧に収録されてい
るとみられる、当時の発掘報告書も見つか
る。そちらの方のpdfファイル名は以下
の通りである。
17280_1_博多24.pdf
巻末付近の写真の木器類に将棋駒の写真も
白黒だがあり、こちらの方には”玉将”に
点が、多少離れているのが気になるが、あ
るように一応写っている。カラー写真は、
遺物が劣化して剥がれたのか、どうしてな
のかは、今の所良く判らない。なお、当時
(1990年頃)の前記発掘報告書には、
”王将”と紹介されていて、玉将にはなっ
て居ない。
 蛇足だが、もう一枚が何の駒なのかに関
して述べておく。香車かと言われているの
だが、カラー写真を見る限り、判別は相当
に困難なように、私には見える。
 発掘報告書で、これらの出土駒の成立が
13世紀~14世紀になっており、

形が鎌倉時代ないし、南北朝時代風なのは
明らか

だ。
 とりあえず、九州では鎌倉時代頃には王
将が出土していないとの、これまでの本ブ
ログの認識は改めておく事にしたい。鎌倉
時代までには、院政期の京都内、鳥羽離宮
内等での習慣が、鎌倉や博多の当時の地方
中心都市までは、かなり広がっていたのか
もしれない。(2020/08/17)

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ミャンマーシットゥインは実数化で防御過多(長さん)

以前、取捨てのチェス・象棋類で、歩みと
走りを実数化したゲームの出来について議論
した。そのときに、ミャンマーシットゥイン
を考察から外した。理由は兵駒以外が自由配
列なため、他のゲームと条件に差が有るから
であった。今回は、この特殊なルールの
ミャンマーの象棋について、歩み駒と走り駒
を実数ルール化したときの、ゲームの良し悪
しに関する変化を論題にする。回答から書く。

防御力(ディフェンス)が強すぎるゲームに
なり、劣化が起こるよう

である。理由は、

王が馬の盲点に動けるため、馬の攻撃力が
落ちるため

である。では説明を開始する。
 以下は、実数ルール化に合わせて初期配列
を変化させた所である。

実数型ミャンマーシットゥイン初期.gif

 こんかい駒は中国シャンチーの駒で代用し、
帥/将、仕、相、馬、車、卒は、ミャンマー
シットゥインの王、副官、象、馬、戦車、兵
各駒に対応させた。また実数日本将棋盤を、
通常の位置に関して交点置きにして使った。
このシットゥインの道具では、最外側の升目
よりも外に、駒は出せない。元々8×8升目
のゲームだからである。
 そこで、実際の初期配列は、以下のように
した。
 兵の小ピンに車を置いて、初手で2枚の兵
と車を交換する、2枚替え作戦をとってみた。
更に、盤の中央で、兵、副官、象が睨みあっ
ている。中央点へは、馬も利くようにしてみ
た。王は銀に当る象一枚で、囲っている。残
りの車は、最下段に置いている。
 この初期配列では、車が1枚序盤で消耗す
るのと、馬は両方、整数間隔で置かれている
点に特徴がある。実際には馬を微妙にずらし
て配列すると、多少違ったかもしれないのだ
が。終盤は王が、相手の両方の馬の盲点に逃
げ込むと、互いに寄せることの困難な局面に、
到達してしまった。
 よって、

このゲームは、実数化により、王が少なくと
も相手の馬1枚の、盲点に移動してしまうた
めに、攻撃力がその分落ち、ゲームとしては
劣化する疑いが濃い

との結論になった。チェスでこの点が目立た
なかったは、ビショップとクイーンの攻撃力
が大きいために、ナイトを避けても、余り守
りの効果が無かったためと考えられる。むろ
ん、日本の取捨て駒数多数将棋の場合は、
桂馬の相対的な役割が小さいため、これほど
の効果は無いと考えられる。
 以上の結果から、自由配列であり、条件は
他の取り捨てゲームとは異なるものの、
ミャンマーのシットゥインの歩み走り駒実数
化ゲームも、余り面白くなる可能性は無いよ
うに思えてきた。(2020/08/16)

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歩み走り実数化将棋で自在王は跳びで良いか(長さん)

以前、歩み走りは実数、跳びが整数のままの
新作の日本の将棋群に於いて、踊りは跳び、
射駒は個別にバラバラ、跳び越えは跳び越え
ないとき走りで、跳び越えたら整数跳び、
焼き駒は跳び越えで、焼き領域が排除円より
大きい等の議論をした。それで駒種による、
整数から実数への移行で議論は尽きたかと
見たが、表題の自在王が残っているのに気が
付いた。そこで今回は、自在王をどうするの
かを論題とする。結論から述べると、

X.5,Y・五の盲点を残したままで、整数
跳びのままにしてはどうか

と私は考える。
 では、議論を開始する。
 古文書では、自在王は将棋盤上で行けない
所の無い駒との旨等が表現されている。しか
しながら、この駒の動きを多数回の走りで置
き換えるのには無理がある。

跳び越えないと達する事の出来ない領域が、
一般には有る

からである。なんでもかんでも跳び越える事
が出来るので、盤上で行けない所が無くなっ
たとの解釈が、出来ないとはとても考えられ
ない。よって、

自在王は基本的に、歩み・走りの実数化将棋
では、整数動きの跳びのままで良い

のではないかと、私は思う。
 しかしこうすると、言うまでも無く、
”X.5,Y・五の盲点”が発生する。しか
し、ある意味

その方がゲームがむしろ、面白くなるのでは
ないか。

 泰将棋のように、最初から自在王の有る
ゲームでは、玉駒としての自在王同士が互い
に相手の盲点に置かれるという事が無いのだ
が。摩訶大大将棋とその系統である、
大阪電気通信大学の摩訶大将棋では相手玉将
に取られる自駒の位置を、斜めにするという
工夫をして取らせると、次の手で自在王を取
らない限り以降、”忘却ルール”が利いて、
升目中央に通常ある玉将が、相手の自在王の、
盲点であり続けるようにできる。
つまり、

”繋ぎ駒が有る相手駒は、自在王で取れない”
という付帯規則が、不要になる可能性が高い

という事である。大阪電気通信大学の摩訶大
将棋は、歩み走り実数化で、残念ながら劣化
が起こり、出来が芳しくないようなのだが。
何れにしても、

相手自在王で取れない自駒を作る事が出来る

という性質は、今までの摩訶大大将棋・摩訶
大将棋には無かったものである。そしてこの
事はむしろ、ゲームの再調整の可能性を示唆
しているように見える。
 そこで可能性として、このような性質の
自在王ルールの可能性を残しておく為にも、
実数化のときに自在王は今の所、跳び駒の仲
間に入れて置いた方が良いのではないかと、
私は考えるのである。(2020/08/15)

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射駒の弓駒類。その駒と矢は走りか跳びか(長さん)

以前の実数化プロイセンチェスという、弓狛犬
と仮表記した、バッテリーという駒のある、
歩み走り駒が実数型のチェス類を紹介した。
そのとき正確に書かなかったが、梅林勲・
岡野伸著の世界の将棋の31ページの、同義の
プロイシシェ・シャッハには、
バッテリー駒は、自他駒跳び越え不可の、
制限された3升目までの走り駒だとの旨書いて
ある。また、矢も駒そのものの動きと同じく、
制限された3升目までの走り(跳び越え不可能)
との旨が記載されている。なお、射るときには、
停止状態で射る点が、日本の江戸時代荻生徂徠
が作成した、広将棋とは違う。バッテリーは、
余り強くならないようにイメージされるが、
実際には、この方が良い。なぜかと言うと、仮
に元々のその駒の動きが跳び、矢や弾丸も跳び
だと、X.5,Y・五の盲点が出来てしまうか
らである。では表題のように、射るというルー
ルを特徴とする弓駒類は、その駒と矢は走り、
または跳びかに、実数化したときに、踊りを
跳びに統一したように、統一化が出来るのかど
うかと言う点を、今回は論題とする。回答から
書く。

できないとみられる。ケースバイケースで、
バラバラになり、盲点の有る射駒が存在する
ケースも、原理的には考えられる。

 では、説明を開始する。
 ポイントは、たとえば日本の広将棋の

弓や弩やフランキの矢は、走ると見ざるを得な
いし砲の弾丸は跳びの動きと考えざるを得ない

と言う事である。つまり、跳び越えの有無を判
定し、無のときだけ合法にする為には、矢は走っ
て居なければならないのである。それに対して、
自由に跳び越えられるとされている弾丸は、
跳びの形で動いていなければならないし、チャ
ンギの包のように、必ず跳び越えなければなら
ない弾丸がもしあるとすれば、判定の為に跳び
越える直前までは、走り、跳び越えてからは、
跳べるのだから、跳びの条件で常に着地だと考
えざるを得ないとみられる。跳び越え駒は、駒
を取らなければ走り駒、取るため等に跳び出し
たら、跳び越え駒扱いだろう。つまり元に戻し
て弓駒類について考えると、

弓、弾丸の類の性質により、走り型か跳び型か
が決まるので、実数ゲームで、どちらかに統一
するのは無理

だと考えられる。ついでに元駒も、オリジナル
で、世界の将棋のプロイセン古チェスのバッテ
リー駒のようにそれ自身が、動きの最大升目数
の3升に制限された走りだと決められている場
合は走りだし、広将棋の広弓騎や弩騎のように、
その駒自体が八方桂馬跳びなら、跳び駒と解釈
せざるを得ないし、広将棋の弓、弩、フランキ
のように、その駒自体が猫叉動きと言うのなら、
実数ゲームでは実数動きの可能な歩みとみるべ
きなのでろう。そのため、ケースバイケースで
ある。だから仮に、

広砲騎というイメージの駒があるとすれば、
弾丸の照射にX.5,Y・五の盲点が出来てし
まう事も、原理的には考えられる

とせざるを得ないのであろう。
 現実には広将棋の砲は、その駒自体は走りの
砲車に成り、広砲騎というイメージの駒は実在
しないので、弾丸に盲点の有る実数ゲームの
射駒というのは、存在しないと見られるのだが。
 つまり、実数チェス・将棋では、盲点に逃げ
込まれると取れない射駒類という駒を、作ろう
と思えば作れるし、そうした駒類が含まれた方
が面白ければ、それでも良いという事なのでは
ないかとみられる。
 先にちらりと述べた、射駒ではなくて跳び越
え駒のケースでは、大将、副将、飛将、角将、
シャンチー砲等には、相手駒を取らないときに
走るので盲点が通常出来無いが、チャンギの包
だけには、盲点が有るという事になる。
 なお更に、射駒では盲点の問題があるが、
焼き駒では、近間に居ても焼けないといったよ
うな、そのような問題は生じ無いと見られる。
 なぜなら、焼き駒の停止した位置を中心に、
一般には正方形を書いて、その中に有る相手駒
は焼けると解釈するのが実数型では自然なので、
そのようにすれば良く、円である通常の排除域
とは形が違うので、X.5,Y・五の盲点は無
い。なお、焼き駒の火鬼の3升動きは、それ自
身は踊りと違って、自駒は飛び越せない整数踊
り動き類似のルールであり、その点では広弓騎
や弩騎の跳び越え型に近くすれば良いのではな
いかと、私は考える。なお、火鬼の角行走りは、
天竺大将棋のゲームを、劣化させていると見る。
(2020/08/14)

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▲x・七段置きを表示する実数動日本将棋盤(長さん)

以前から紹介した実数歩み走りルールの
日本将棋では、取り去る相手駒には升目の
7割ちょうどの排除円があり、その円境界
点に達した所で攻撃駒は止まるルールと
ここではしている。そのため、先手で言う
と、前方歩み駒等は、相手駒を捕獲したと
きに、しばしば0.3歩前進し、X・七段
で停止する。
 しかし、升目線から0.3歩手前に印は
従来作成されていなかったので、移動攻撃
駒を、寄せて停止させて表現していた。
 しかしこれでは、乱雑に駒を置いたとき
と、はっきり区別が出来ない。そこで今回
は、使用する

将棋盤に印を付ける事によって、X・七段
置きを表現する方法を工夫してみた

ので紹介する。以下の写真は、その為の、
”←→”線を、升それぞれ四方向に加えて
作成した、実数型日本将棋の将棋盤の例で
ある。以下、これでどうするのかを、もう
少し説明する。

実数日本将棋将棋盤.gif

 駒を0.3歩動かすと、”←→”の片方
が、移動した攻撃駒自身によって、隠れて
見えなくなる。ので、先の升目の中央まで、
攻撃駒の排除円が届いていることを表す

のである。
 問題は、その他のケースで、線の存在自
体が邪魔にならないかどうかだが。
 角行を交点へ移動させるX.5Y・5の
手を指してみたりしたが、

今の所は、誤解を招くような、この”印”
の存在による副作用は、特に見当たらない

ように思われる。これで、X・七段で停止
の手が表現しきれているかと言えば、

無いよりマシ程度

のように思われたが。意図した効果は一応
あるので、

実数型将棋盤としては、このような”模様”
を新たに加えたものでも使用して良し

と、今の所はすべきなのでは無いかと、考
えられるようになって来た。(2020/08/13)

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実数型大理国原始平安小将棋持駒有ゲーム性(長さん)

以下、日本将棋と類似ゲームでやや小型の
将棋の歩み走り駒実数動きタイプの出来の
良し悪しについて論じる。
 以前述べたように、日本将棋よりも小型
の日本将棋近似の特に角行を含むゲームの
実数型は、角行の筋変えにより、初期に
バランスが大きく崩れる5五将棋のケース
は除いて、整数型よりも面白くなるだろう
との予想を述べた。そのようなゲームで
有力なものは、余り無いのだが。
 今回は、表題のように、本ブログ版の、
仮説大理国原始平安小将棋(酔象が角行動
き)の実数型は、持ち駒ルール有りに、
仮に変えるとすれば、面白くなるのかどう
かどうかを議論する。
 なお、仮説大理国原始平安小将棋は、
8×8升目型で、1段目を左袖から右へ向
かって、
香車、桂馬、銀将、玉将、金将、酔象、桂馬、香車
と配置したものと本ブログでは見られてい
る。そして、玉将と金将以外に酔象も不成
であり、

酔象はいわゆる酔象動きではなくて、角行
ルールだったと本ブログでは推定

している。つまり、一段目は、
香車、桂馬、銀将、玉将、金将、角行、桂馬、香車
2段目空、3段目が8枚歩兵という配列か
ら出発する将棋という事である。実際には
取捨てルールだったとみられ、成金が、
オモテ駒とは、物体として別(黄金)に存
在したと、本ブログでは推定している。
日本には酔象だけ略され、成り金将銀将に
取り替えられて、西暦1015年に後一条
天皇のオモチャになったというのが、本ブ
ログ独自の推定である。つまり、インドの
チャトランガの7世紀ペルシャ贈呈話の、
11世紀の日本版が想定されている。盤駒
の作成は、雲南省大理市の業者。運び屋は
中国人の一例、周文裔であろうと見ている。
 ともあれ今回は、このゲームの歩み、走
り駒実数動きの、持ち駒タイプのゲームに
ついて、整数型よりも面白くなるのかどう
かを議論する。回答から書く。

攻撃力(オフェンス)がすこし強すぎ

のようである。
 実際にチェックしてみると、持ち駒が発
生し始めた時点で、玉を詰むのは、将棋と
しては、さほど難しくなくなる。やはり、
不成り角行の筋代えが容易である事が、大
きく利く。実際には日本将棋から、各々の
側について、飛車と金将と銀将と歩兵1を
取った形なので、

若干攻撃側に偏るとは推定されたが、目論
み以上に攻撃力が増加したとの印象

を受けた。つまり、元々のゲームと比較し
て、改良されたとまでは行かない。
 そこで次に、

標準型平安小将棋で右銀将を角行に替えた
タイプの持ち駒ルール型の実数動き将棋

を試しにチェックしてみた。つまり最下段
が今度は、香車、桂馬、銀将、金将、玉将、
金将、角行、桂馬、香車と並んだゲームの
歩み、走り駒実数化将棋を持ち駒ルールで
テストしてみたのである。因みに出だしに
このゲームは、▲4六歩~▲5.5,六・五角
と指して1筋の端攻めをする作戦が自明で
ある。

作戦が単調である点、日本将棋ほどの深み
が無く、大味のゲーム

だが、

駒捌きが痛快で、かなりバランスが取れ
面白いゲーム

になる事が、指してみて判った。
 よって、冒頭に書いたように、実数型の
大理国原始平安小将棋持駒有型は、余り出
来が芳しく無いが、

標準型9升目平安小将棋持駒有りタイプの
大理国型角行酔象駒導入型の実数ゲームは、
日本将棋と同様、整数型から実数型へ変更
すると、面白くなる。

以上の事が今回明らかとなった。つまり、
日本将棋類似で、それよりやや駒数の少な
いゲームは、動きの実数化で、基本的に、
面白さが増すよう、挙動するという事になっ
ているようである。(2020/08/12)

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