SSブログ

国際三人将棋の実数化挙動は日本将棋と違う(長さん)

梅林勲・岡野伸共著の世界の将棋2000年
将棋天国社(改訂版)の最終章にも載ってい
るが、昭和初期に国際三人将棋というゲーム
が創作されている。ざっと見ると判るが、
正六角形升目にしたため、個々の駒の動きの
ルールは、日本将棋と違う。が参考にしなが
ら傾向として同じにした、日本の将棋の一種
で多人数化したものある事が判る。本ブログ
では、世界の将棋に記載程度にメジャーなチェ
ス・将棋・象棋類に関して、歩み・走り駒を
実数化したときの、ゲームの出来の変化に関
する挙動を過去考察して来た。が、ほぼ残り
1種に近い形で今回は、この特殊な日本の将
棋の実数ルール化ゲームの出来の良し悪しに
関して、考察する事にする。回答から書く。

桂馬に当る駒を抜いたためディフェンス過多
になるように挙動し、国際三人将棋は歩み・
走り駒の実数化によって、恐らく劣化する

とみられる。
 では、説明を開始する。
 この将棋も持ち駒ルールであり、冒頭に
書いたように、初期配列や駒の動かし方ルー
ルを決定する際に、有る程度だが日本将棋に
近似させるようにしている。
 ところが、この将棋の将棋盤が6角形升目
である上に、走りで一つ置いて向こうの升へ
移動させる事を許すように、縁の線上動きを
許容した。そのため、
実数化で問題になる排除円の大きさが、正
六角形升目に内接する円より、僅かに小さい
程度に、小さく調整される事になる。
 その結果、次の大事な効果が発生する。す
なわち、

六角形の交点に、全部打ち駒が出来るように
なってしまう

のである。このため、整数型国際三人将棋に
比べて実数型国際三人将棋では、実質敵に

駒を、三倍の密度で充填可能になってしまう

のである。つまり、玉を非常に硬く固める事
が出来るという事になる。また、悪い事には

この将棋には跳び駒が全く無い。

だからゲーマー三者が皆自陣をで固めあうと、

ほぼ、攻め駒が足りなくなって、玉が寄せら
れない事が自明

である。ちなみに実数化日本将棋では、充填
密度は約二倍に収まり、桂馬が打てるので、
固めすぎると、玉が逃げられずにトン死筋が
発生して、ディフェンスは過多にはならない。
 確かに、外交という角行に当る駒の筋代え
効果はあるのだが。この将棋は外交の右上の
兵駒(尖占)が元々浮き駒で、初っ端に、
飛車駒に当る軍教という駒で、互いに只取り
できる配置になっている。このとき取った兵
を、玉駒である興論の前に打つ等して、順次
自陣を固める事が、実数型の場合にだけ可能
である。なので、

整数型に比べて実数型の国際三人将棋のディ
フェンスはかなり強くなる

と、簡単に予想が付くのである。よって、冒
頭のように、この将棋は実数ルール化によっ
て、勝負が付かなくなって劣化する可能性が
ある。だから少なくとも、実数ルール化の議
論に置いて、昭和初期成立の国際三人将棋が
日本将棋と類似の挙動をするとは、とても
考えにくい事だけは、特にテストをしなくて
も、明らかなように、私には思えるのである。
(2020/08/18)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー