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高槻城三の丸遺跡中将棋不明11枚内1枚龍馬(長さん)

高槻城三の丸遺跡跡よりは西暦1990年頃
の発掘で、18世紀末から19世紀初成立と
みられる、中将棋の駒が21枚程度出土して
いる。そして、駒名がどうやらこうやら読め
たのが、うち半数弱の10枚程度と言われて
いる。
 今回は、残りの11枚について、一番有望
な、天童の将棋駒と全国遺跡出土駒番号で、
14番の駒の読み取りを試みた。結論から
書くと、

成りが、草書体角鷹の龍馬駒のようである。

では、以下に報告する。
 ここではweb上で読み取る方法で、駒名
を調査した。
 出土駒の写真が、以下の文献に載っている。
 高槻市文化財年報西暦1988~1989
年度版。
pdf名が、以下の通り。
5200_1_高槻市文化財年報昭和63・平成元年度

この文献は奈良文化財研究所の発掘報告書
データベースの”全国遺跡報告総覧”の中に、
収録されている。
 天童の将棋駒と全国遺跡出土駒の遺物番号
は、高槻市文化財年報1988~1989年
度版の図版8の番号と同じである。問題の番
号の出土駒”14番”は、以下の通り。

高槻城中将棋14番.gif

上の図に示したとおり裏と表を、上記文献、
天童の将棋駒と全国出土将棋駒共に間違えて
おり、

裏と書かれている所に龍王、表と書かれてい
る所に、角鷹と書かれている

と本ブログでは見る。
 なお、天童の将棋駒と全国遺跡出土駒の
スケッチで、問題の第14番駒左の右中段隅
の朱打点は、

角鷹の右斜め前の走りを表している

とここでは考える。なお”角”という字は、
汚れて墨が広がっているので、この第1字目
を識別するのは、容易ではないと解釈する。
 そして、このケースで大事な事は、

草書体では、角鷹の鷹の”まだれ”が、左下
に延びないと言う点に気が付く事である。

 草書で”鷹”の字がどうなるのかについて
は、以下の成書に詳しく載っている。
”覚えておきたい古文書くずし字500選”
柏書房編集部編、柏書房(2002)
 ”14の裏”と表される、この駒のオモテ
は、1字目がよく見ると明解に”龍”、2字
目も、左上から右下に走る線がヨゴレである
と見れば、薄く馬なのが判るのだが。”14
の表”と表される、この駒の裏面の”角”の
字が、たまたま潰れている為”鷹”の草書体
を知らないと、この駒が中将棋の龍馬である
事には、気がつきにくいという事だと、私は
考える。以上を考慮すると冒頭の結論になる
という事である。(2020/11/08)

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