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集成鎌倉の墨書。木-193は将棋と無関係(長さん)

以前述べたように、私には古文書読解の能力
が無い。のでぱっと見に、墨書木製品が有っ
て、書いてある内容が将棋に無関係であって、
例えば伝言板ではないかと私に思えても、確
証の無い状態である。
 そこで今回は、今述べたような例について、
齋藤均氏に関連する、くずし字の入門書を複
数使い、内容を解析した例を示す。なお以前
にも紹介したが、今述べた成書は以下の2冊
である。
”今のことばで覚える初めてのくずし字”
齋藤均、柏書房、2016年
”よくわかる「くずし字」見分け方の
ポイント”、齋藤均(監修)山本明(著)
メイツ出版、2017年。
 これらの成書から、特定のひらがなに形の
似た別の読みの、くずし字変体カナの表を作
成するなどし、難読文字史料の解読を試みた。
 今回読解を試みた木製品は、具体的には以
下の書籍に、紹介されているものである。
集成 鎌倉の墨書、鎌倉考古学研究所、西暦
2017年。
この中で遺物は、2014年より少し前に、
北条時房・顕時邸跡から出土した成立年代が、
13世紀後半の折敷とみられる木製品である。
そして上記書の155ページに”木-193
番遺物”として記載されている。以下のよう
に、確定的ではないが、一部読める部分は、
別の所から鎌倉に戻る者(”入道”何がしか?)
の伝言板のようである。

鎌倉墨書木_193.gif

上図のように”うまにて品川 は入(←いり)
そ(うら)む 口-----口そうろう(?)
あしたのくれ(?)ころ つきそうろう 
入道(?)(以下、左側不明)”に近い内容
のように、私には見える。なお、品川の”品”
の字については、以下の成書で確認している。
”覚えておきたい古文書くずし字500選”
柏書房編集部編、柏書房(2002)
 この遺物は、文面の長さから見て、総計が

将棋のルールが記載されているルールブック
の文字数に近い

と以前から私は疑い、その為”木-193番”
遺物は、特に気になってきた。しかしながら、

ぱっと見に、何かの伝言ではないかと見て、
読み飛ばしていた

のである。しかるに今回、前記解説書と首っ
ぴきになりながら、どうやらこうやら、まだ
曖昧にだが、概略の内容把握にこぎつけた。
 そして恐らくだが、

出典鎌倉考古学研急所の著、集成鎌倉の墨書
には、以前本ブログで述べた分だけであり、
もうこれ以上将棋駒や、将棋ルールが記載さ
れた史料は載ってい無いのではないか

と私は、2020年の将棋の日の頃に思って
いる。
 やはり、今述べた遺物は、たまたま大雨か
何かで、紙で使い走りの者に渡すと溶けてし
まうので。折敷か何かに、たまたま予定を書
いて、家に連絡を入れた、主人かその他の者
の伝言文の、たぐいであったのかもしれない。
(2020/11/17)

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