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茨城県鎌田遺跡より大兎墨書土器(長さん)

以下茨城県筑波郡伊奈町大字南太田の鎌田遺跡
より、9世紀成立の大兎と書かれたとも読める
土器が出土したという情報である。

鹿や兎を祭る動物信仰のマジナイ用ではないか

とみられる。
 この墨書土器に関する情報もまた、いつもの
ようにweb上に公開されている。
 奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録された報告書に写真が
有り、その報告書のpdfファイル名は、以下
の通りである。
18941_2_鎌田遺跡.pdf
発掘報告書の表題は以下の通り。
茨城県教育財団文化財調査報告第176集、
鎌田遺跡、茨城県土浦土木事務所・財団法人 
茨城県教育財団、西暦2001年4月。
 写真は、PL64(図版64の意味)、
”第38・41・51~55・58・59号
住居跡出土遺物”の左下2段目に、拡大図の
ある土器である。この遺物には、
SI51-300という番号が、発掘者によっ
て付与されている。

茨城鎌田大兎.gif

また、発掘報告書本文pdf、
18941_1_鎌田遺跡.pdfの、150ページに
スケッチがある。スケッチのある図の名称から、
住居跡は第51号である事が判る。他にも墨書
土器の共出土があり、この土器に、墨跡が有る
ことは間違い無い。なお、発掘者は大□と読ん
でいる。問題の遺物の成立年代は本文の347
ページの記載から、9世紀の平安時代であると
見られる。
 発掘報告書の見解のように、2文字目のアタ
マの部分が、すこぶる不明解ではあるが、上図
の遺物の2文字目の

”ワ冠”部分は、全て汚れか書き損じ

ではないかと私見する。すると、2文字目は
草冠に兎か免と書いたとみられ、草冠が有って
も無くても、ほぼ同じ意味に読めるように私見
される。

つまり書いてある字は”大兎”である。

ただし”大免”と書いて、大免田つまり大荘園
内用の土器で有る事を示しただけの可能性は、
もちろんある。
 何れにしても大兎だとしても大兎は、将棋駒
名には無いので、9世紀に日本に将棋が存在し
たという、確たる証拠にならない事は確かであ
る。たまたま将棋駒名に有る漢字を、2つあわ
せた形になったが、この場合の”大”の字は、
”大いなるもの”という意味であって、つまり
神を祭る、マジナイの意味なのではなかろうか。
 鹿や兎を神と祭る習慣が茨城県筑波郡の現地
には有り、大鹿や大兎と書かれた土器が使われ
た可能性も、全く無いとは、言えないのではな
かろうかと私は思う。(2021/02/17)

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