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岩手県盛岡市志波城跡より横馬墨書土器(長さん)

以下、”横馬”と二文字の将棋駒名風の墨書
の有る、9世紀前半の杯型土器出土の話題で
ある。1977年出土と、遺物が発掘されて
から、相当に時間が経っている。
 場所は岩手県盛岡市中太田の志波城跡で、
この発掘調査で、城柵である事が確定したと
のことである。
 発掘報告書がweb上に公開されていて、
オンラインで見れ、奈良文化財研究所
発掘報告書データベース全国遺跡報告総覧
に登録されている。写真の出ているpdf
ファイルは、以下の通りである。
52689_6_東北縦貫自動車道関係埋蔵文化財調査報告書XIII.pdf
発掘報告書の表題は以下の通り。
岩手県文化財調査報告書籍68集
太田方八丁遺跡(志波城跡)、
岩手県教育委員会・日本道路公団、
西暦1982年。 
 今述べたpdfファイルの、写真図版59、
右上段2列目に遺物の写真が、17号住居跡
89番杯型土器として出ている。

岩手志波城横馬.gif

なお、杯型土器であるという事に関しては、
本文の90ページに説明がある。本文の、こ
の部分のpdfファイルは、分割されていて、
以下の名称である。
52689_2_東北縦貫自動車道関係埋蔵文化財調査報告書XIII.pdf
 さらに、この遺物の成立が9世紀の前半と
されているが、その説明は、”まとめ”とし
て、本文の467ページに有る。467ペー
ジの属する、分割されたpdfファイルの
ファイル名は、同じく以下の名称である。
52689_5_東北縦貫自動車道関係埋蔵文化財調査報告書XIII.pdf
 さて遺物を見ると、二文字目の”馬”が薄
いが、これは有るとして、

第1字目の”横”は不明解で”木へんに無の
ブナの漢字”等の可能性もある。

何れにしても、将棋駒名称である横行、桂馬
から1字づつを取り、

横馬と組み合わせた将棋駒は存在しない。

よって、9世紀前半に、日本にある種の将棋
が存在したという証拠にはならないと本ブロ
グでは、今の所考える。
 古代の東北地方の城柵跡には識字層が存在
し、文字史料が多数出土していて、事実上、
あらゆる漢字文字の組合せが出現しているよ
うである。が、

将棋駒名が、具体的に墨書の内容の中で、跳
び抜けているという形跡が、今の所余り感じ
られない。

やはり、奈良時代や平安時代初期、日本では
囲碁と違って、将棋は余り行われなかった疑
いが、少なくとも存在はするのではないか。
(2021/02/25)

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