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群馬県高崎市本郷広神遺跡で9C奔人墨書土器(長さん)

今回は「榛名山信仰祭祀が行われた遺跡で
ある事が疑われ、墨書遺物が出土したが、
2文字以下の墨書ばかりでありはっきりし
無い」と、群馬県埋蔵文化財調査事業団の
研究紀要に記載された、遺跡の文字史料遺
物のうち、釈文不明のものの一つに、幸い、
「奉巫人」の3文字墨書土器があり、祭祀
の行われた遺跡に間違い無く、恐らく、
榛名山等を奉じた祭祀の行われた場所なの
ではないかと、同意した遺物の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
131442_4_本郷上ノ台遺跡・本郷満行原遺跡・
本郷広神遺跡・本郷西谷津遺跡.pdf
 なお、この発掘報告書は、別の釈文が
曖昧な墨書遺物を以前に、本ブログでは、
紹介した事がある。
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団
調査報告書第722集/本郷上ノ台遺跡・
本郷満行原遺跡・本郷広神遺跡・本郷西谷津遺跡・
本郷大カサ遺跡・本郷鶴窪遺跡・本郷萱原遺跡・
本郷嶋上遺跡、2023年、群馬県高崎土木事務所・
公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団。
 この遺跡群からは、墨書遺物が複数発掘
されているが、以下に紹介するのは、近接
して存在する8遺跡のうち、本郷広神遺跡
で出土した土器である。
 発掘報告書第1分冊末尾抄録により、遺
跡の場所は群馬県高崎市本郷町703-1。
遺物が出土したのは、西暦2018年から、
西暦2020年の間、ないしその前後の事
のようである。
 遺物の成立年代は、以下の同じく、奈良
文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録された冊子に、情
報が在る。
 pdfファイルは以下の通りである。
139760_1_研究紀要.pdf
 冊子名は、以下の通りである。、
研究紀要42、2024年、公益財団法人
群馬県埋蔵文化財調査事業団。
 その第49ページ「墨書・刻書土器一覧
表」の中の第15番目に、9世紀前半の、
平安時代初期と推定された旨、記載が有る。
その前後に、墨書・刻書遺物の詳しい考察
が記載されている。
 遺物の写真は、戻って元の発掘報告書、
第4分冊の写真図版(PL.)第389の
下から2段目、左から2番目に在り、遺物
番号第20番と、ナンバリングされている。
杯型土器の裏面のようである。

広神奔人.gif

 上図のように、左上に、上部が遺物の割
れ部分の外に出てしまい欠けているが「奉」、
その右下に、右の「人」の右払いが薄く、
下の横棒が消失しているが「巫」のように
見える模様が有り、その右に、杯の底面の
形に、恐らく従って時計回りに回転して
「人」と書かれているものの、ヨゴレの
せいで「J」のように見えている模様が在
ると私見する。全体で「奉巫人」(ほう
ふじん)と三文字であり、恐らく山岳崇拝
用の祭祀場所が、遺跡内に在り、研究紀要
に記載の通り、平安時代前期の榛名山信仰
と解釈して正しいのではないかと、私には
そこから推定可能な遺物と見る。(2024/07/16)

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