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山形県米沢市馳上遺跡で古代竜王木簡(長さん)

今回は、木簡学会の会報「木簡研究」に、
表題遺跡で平安初の木簡が出土し、洪水
の収束ないし、雨乞いが目的と思われる、
呪術用の、龍神に祈願する内容の木簡で
あるとの旨の紹介である。
 龍神で雨乞いないし洪水の収束を祈祷
するという内容の祭祀は全国的に行われ、

東北地方からも、その系統の呪術木簡が
例外無く、存在している事を示している

という事であり、会報の内容の通りであ
ると、以下に結論づける。
 遺物の写真がweb上に公開されて、
会報冊子「木簡研究」の第23号に載っ
ている。冊子は奈良文化財研究所の発掘
報告書データベース、全国遺跡報告総覧
に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
90185_1_木簡研究.pdf
 会報の書誌概略は以下の通りである。
木簡研究第23号、西暦2001年、
木簡学界。
 情報は、該会報の第103ページ付近
からある。遺跡の場所は、山形県米沢市
大宇川井字元立。木簡遺物が出土したの
は西暦2000年前後の事のようである。
 会報の同じく第103ページ下段付近
の記載より、遺物の成立年代は9世紀
前半の、平安時代初期と、発掘時に出土
地点の様子から、考えられたようである。
 遺物の写真は、同会報の第104ペー
ジに在り、両面に「竜王」ないし「○王」
の墨跡が、明らかに存在する。

馳上竜王.gif

 釈文で下部の切れ端の右側が「八竜王」、
左側も「八竜王」と、木簡学会により読
みを付与されたようである。
 会報では「草木万七千(または十)」
と上図右下のように、書いて有るので、
枯れ草木が、青々と蘇るように雨乞いが
行われたと、みられているようである。
 それで正しいであろうと、私も考える。
龍神信仰が本州北端まで有るのが自然だ
から、東北地方でも、この類の呪術木簡
が出土するのは、時間の問題だったのだ
ろうと、木簡学会の会報の記載の意に私
も同意する。(2024/07/19)


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