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埼玉県本庄市久下前遺跡で4C山泰墨書土器(長さん)

今回は、埼玉県北西部本庄市の表題遺跡で、
赤城山・榛名山・秩父連山の、何れかを
奉じた山奉墨書土器の紹介である。台付甕
土器で埴輪風であり、比較的形の珍しい
遺物である。なお遺物が出土した本庄市
北堀は本庄市児玉町児玉からは、そう
離れて居無いので、以前紹介した児玉町
児玉大久保遺跡の「奉山」遺物と、用途は
類似であろう。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書デタベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
140406_1_久下前遺跡ⅥC2・C3・C4・F2・F3地点.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
埼玉県本庄市埋蔵文化財調査報告書第53
集/久下前遺跡Ⅵ、2018、埼玉県本庄
市教育委員会。
 なお、遺物はC3地点で、出土したよう
である。
 発掘報告書末尾抄録により遺跡の場所は、
埼玉県本庄市北堀1951、1952番。
遺物が出土したのは西暦2009年前後
の事のようである。
 遺物の成立年代は、遺物はC3地点の、
第140番住居跡で出土したが、発掘報告
書第211ページ付近の記載から「住居跡
の形態及び遺構の重複関係や出土遺物の様
相から、古墳時代前期と考えられる」との
事であり、4世紀頃の物品とみられている
ようである。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版第
104の最上段右に在り、第140
住居跡の遺物番号第3番との旨、ナンバリ
ングされていて台付き杯型土器のように私
には見えるが、発掘報告書では「台付き甕」
となっている。

久下前山泰.gif

 上図のように、台の部分に穴が在る埴輪
を連想させ、甕の部分と首に掛けて漢字で、
「山」その下に、同じく漢字で「奉」と薄
く書いて有るように、私には見える。祭祀
用の典型であり、群馬県の赤城山・榛名山、
埼玉県の秩父山地の山を奉じているように
見える比較的珍しい意匠の物品であると私
は思う。(2024/10/13)

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