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栃木県小山市神鳥谷曲輪遺跡成金角行画像解析(長さん)

今回は、以前に複数回本ブログで話題にした、
西暦2007年前後に出土した、栃木県小山市
宇都宮線線路脇、小山駅南の表題遺跡出土の、
成りが、前田藩所蔵の色葉字類抄の指し込み
大将棋文書を思い起こさせる、一文字金の角行
駒と本ブログ等で見られている出土駒の、発掘
報告書画像の、強い画像処理結果の紹介である。
 鎌倉考古学研究所代表の河野真知郎氏からは、
少なくとも、撮影後目視で判断するとみられる
条件では、赤外線フィルムによる撮影像の解析
精度が、よみがえる中世/武士の都鎌倉の図版
のように、可視光で通常の種類のフィルムで
撮影された像に比べて、精度が高いと、私は聞
いている。だが、赤外線撮影に加えてダブルで、
画像処理までは、かけない方が良いようである。
 今回の、栃木県小山市神鳥谷曲輪発掘で、出
土した遺物写真は現在、理由が不明だがweb
上には見当たらず、冊子として販売されている
だけのように認識する。web上に公開されて
いた時代には、奈良文化財研究所の発掘報告書
データベース、全国遺跡報告総覧に登録され、
当時のpdfファイル名は、以下の通りである。
23210_1_神鳥谷遺跡Ⅰ第2分冊
 本ブログでは、以前の紹介時、ファイル名を
このブログ上に間違えて書き込んだ恐れがある。
23209_2_・・・というpdfファイルは、当時
から、存在し無かった可能性が高い。
 発掘報告書の名称は以下の通りである。栃木
県小山市文化財調査報告書第83集/神鳥谷
曲輪跡の調査Ⅰ(第2分冊)、2011年、
栃木県小山市教育委員会。
 発掘報告書末尾抄録により遺跡の場所は、
栃木県小山市大字神鳥谷(神鳥谷の北端)。
 遺物が出土したのは繰り返すと西暦2007
年前後の事である。
 本ブログの以下独自の見解であるが、遺物は、
江戸時代に残存していた、廃寺青蓮寺の記録に
基づいて、江戸の中期/徳川家治時代の頃に、
作成された恐れが有る。色葉字類抄差し紙
大将棋の成り記載と整合性が良い事から、戦国
時代の駒数多数将棋のルールの状況とは合致し
ている可能性が高い。現在でもweb上に警戒
情報が出ているかもしれないが。小山市の歴史
研究家の間で、「小山氏の館では無くて寺跡を
発掘しただけ」との意見が有る為、本ブログ
ではその情報を考慮して、発掘報告書に書かれ
た「南北朝時代の成立」では無くて、控え目に、
江戸時代の遺跡発掘の成果を見ているという、
以上は事情による。なお将棋駒は井戸跡からの
出土である。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版第8の、
カワラケの写真の後の第5段目左にあり、以下
画像処理したのは、「駒」「裏」と記載された、
可視光の、普通のフィルムによるとみられる
写真である。

神鳥谷角行裏.gif

 上図のようになり、金の縦棒とvの字の一部
ではないかとみられる、「ハ」の字の下に「⊥」
と「v」のような像が切れ切れに現れた。肉眼
で駒を見ただけでは、これらの像は全く見え
無かったものである。なお、スケッチ図にも、
この新たな模様は、記載されていたと記憶する。
また、以前に本ブログでは、第2字目が右下に
暗い模様が有り、

「也」ではないかと紹介したが、誤読

のようである。謹んでお詫び申し上げたい。
何を意図して付けたのか良く判らない、楕円形
の墨の塊に過ぎないようである。
 戦国時代の頃、角行の裏の「金」を書くとき
には麒麟抄は無視され、漢字は草書等に崩さな
かった疑いも有るという事を反映している可能
性も、この遺物の状況から見て残る疑いもある。
 さて、発掘報告書には、今回紹介した右側に、
赤外線フィルムで撮影したこの遺物の像が有る。
差は簡単に言うと、木目の中に浸み込んだ墨が
濃く出るという点に、実際に現物を見たことの
有る人間が見ると、見えるという特徴がある。

確かに墨は感知し易くなるが、人間の読みと合
わない。

 この例でも、その結果裏面に「金馬」と書か
れているようにも見えてしまうが、人間の目に
は、どうにかして龍馬と読もうとすると、
無理読みすると、駒の下の端に在る、漢字で、
「山」のように見える暗い模様を含めて、「馬」
に見ようとしてしまうときに、そう見えるだけ
である。
 つまり、木目に入り込んだ、通常は縦筋墨を、
漢字画の一部として、無理に取り込もうと視覚
がするので、

かえって、誤読が発生し易くなると言える

と思われる。神奈川県鎌倉市の今小路西福祉
センター遺跡の、割れた木の札が当時、たま
たまだったようだが、よみがえる中世/武士の
都鎌倉で、可視光写真として印刷公開され、昔
の本であるから写真画像も丁寧に作られていた
ことが、現物は見当たらず残念な事のようだが、
不幸中の幸いだったと、むしろ私には、今回の
栃木県小山市の遺物将棋駒のチェックで感じら
れた次第である。(2024/11/10)

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