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38枚制古作登興福寺酔象配列は短命の疑い(長さん)

web上にpdfファイルで公開されているが、
興福寺西暦2013年出土酔象駒の解釈として
通説化していると、本ブログ管理人は認識する、
「朝倉小将棋から、飛車・角行を除いた、表題
古作登氏の、興福寺38枚制将棋の初期配列図」
が、本ブログで前にも紹介したが知られている。
大阪商業大学学術情報リポジトリ/平安時代の
酔象駒発見から日本将棋の進化過程を推測する、
141~165、古作登、西暦2014年、
大阪商業大学アミューズメント産業研究所。
以上の論文集の第146ページ付近に図が在る。
故木村義徳氏もこの説に賛成と旨記載箇所が私
には思い出せないが、記載されている。

古作興福寺.gif

 本ブログの現在の説と、元々9升目の標準型
平安小将棋である点が、大きく異なるが、

興福寺ではどれも指したが、このゲームは短命

だったが、管理人の見解である。
 理由は、①

本ブログでは、このゲームで酔象が角行動きで
無ければ、入れない状態からの変更はほぼ徒労

であると見た上で、

②角行としての酔象の配列が、たまたま筋違い
の為に、古作型付け加えにほとんど意味が無い

状態になってしまっていると見ている為である。
 本ブログでは、7筋の最下段に左銀将を角行
動きの酔象に替えた36枚制の小将棋(取捨て)
も、古作登提示ゲームと、当初のプレー頻度は
同じ位だったと見ている。このゲームは、初手
に▲6八酔象△4二酔象とすると、以下のよう
になる。

長さん興福寺.gif

 この配列から、左桂馬と桂馬上の歩兵は動か
さない。酔象はその位置に置いて、旦代の難点
型の先後手同形駒組をして行くとする。すると、
角行動きの酔象の代わりに、オリジナルである
左銀将を、旦代難点配列に普通に他の駒と同様
にして組んだ場合と異なり、

互いの端筋が捌けるのは明らかで、難点が回避

される。ただし、もっと進むと玉・2×金・5×
歩の互いに8枚の駒が中央に浮いた両陣の間で、
双方の角行動きの酔象が、

行ったり来たりを繰り返すだけの状態になって、
中盤途中で行き詰まる

と私は見ている。
 何れにしても、問題を中盤初期から中盤中期
に先送りは出来ているので。古作登氏発表型よ
りも、ここで本ブログが提示したゲームの方が、
長命だったのではないかと、私には疑われる。
 その後、持ち駒ルールが発生することによっ
て、条件が緩和され、ずっと時代が下って、
朝倉小将棋の時代まで、小将棋の酔象を生き延
ばせたのは、

古作登氏発表の興福寺酔象将棋と、酔象の位置
が、角行動きで、筋違いだった配列の将棋

なのではないのか。
 以上の理由で、冒頭に述べたように興福寺の
酔象入り将棋を、玉将前酔象配列と決め付ける、
恐れの有る単一ゲーム説を疑っている。
 本ブログの管理人よりも、木村義徳も古作登
も、著しく将棋の棋力は上位なので。以上の私
の考えの当否は、読者の方々の見解に任すこと
に致したいとは考えている。(2024/12/03)

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