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大阪府八尾市東郷遺跡で4C泰山等墨書土器(長さん)

 今回は、以前紹介した東郷遺跡&
田中井追跡の発掘報告書記載の出土土器
の中に、こんどは古墳時代前期の比較的
成立年代が早い、漢字で「奉山」「山奉」
と書かれているように見える土器遺物が、
出土しているとの旨の紹介である。
 遺物写真は同様にweb上に公開され
奈良文化財研究所発掘報告書デタベース
全国遺跡報告総覧に登録公開された同じ、
発掘報告書で説明本文が今度は前半の第
1pdfに記載されている。
 pdfファイル名、発掘報告書名、
遺跡の場所、今回紹介する遺物の出土年
は、順に次の通り。
 写真図版のpdfファイル名:
4434_2_八尾市埋蔵文化財発掘調査報告昭和63年度.pdf
 発掘報告書の名称:
(財)八尾市文化財調査研究会報告17
Ⅰ.東郷遺跡・Ⅱ.田中井追跡、1989年3月、
財団法人八尾市文化財調査研究会。
 今回紹介する遺物は、以前と違い前半
の東郷遺跡で、どちらも出土したようで
ある。
 遺跡の場所と出土年:
 発掘報告書東郷遺跡編第130ページ
付近に記載された「第18次調査の調査
に至る経過」により大阪府八尾市光町1
丁目19-4。遺物が出土したのは、
東郷遺跡編の冒頭「調査に至る経過」に
より、西暦1984年前後の何れの遺物
についても同じで、第18次調査のとき
のようである。
 遺物の成立年代は、以下紹介する
「山奉」墨書土器が第2土坑、「奉山」
墨書土器が第1溝から出土したが、発掘
発掘報告書第132ページの記載等から、
層序により何れも古墳時代前期、4世紀
程度成立の遺物と考えられているように
読み取れるようである。
 遺物の写真は「山奉」墨書土器が発掘
報告書東郷遺跡写真図版編第2pdf前
半の写真図版第43の最下段左側に在り、
第18次調査の遺物番号第13番との旨、
ナンバリングされている。丸底瓶の破片
土器のように、私には見える。

第18次山泰.gif

 上図のように、側面の中央に左上から
右下に斜めに漢字で「山奉」とかなり、
大きく書かれているように、私には見え
る。
 次で写真は「奉山」墨書土器が発掘
報告書東郷遺跡写真図版編第2pdf前
半の写真図版第45の最上段左側に在り、
第18次調査の遺物番号第53番との旨、
ナンバリングされている。こちらも丸底
瓶の破片土器のように、私には見える。

第18次泰山.gif

 上図のように、今度は左に寄った丸瓶
胴中央段に、くっついて右から左に奉山
のようにも見える、不明確だが暗い塊が
あり、「山」と読んだ塊の下に今度は縦
に「山々」と読める模様が在って、結局
「奉山山山」と読めるようにも見える。
 これまで示した大阪府の古墳期の山奉
類墨書遺物同様、大阪・兵庫を拠点とし
て古墳時代の前期4世紀に、日本各地の
山岳部で生産活動をしていた有力識字層
がおり、八尾市付近の宗教施設で、活動
している日本各地の山を奉じる祭祀が、
盛んだった疑いがあるのではないかと、
本ブログでは考えているという事である。
(2023/05/27)

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