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将棋カードゲーム『ごいた』歩札は”し”なのか(長さん)

石川県鳳珠郡能登町で遊ばれている、将棋型
のカードを使用するゲームに”ごいた”があ
る。以下の著書によると、歩兵に当る”歩”
は、通常の漢字の歩で記載されず、”し”と
ひらがなで表記され、32枚のカードのうち
の10枚を占めているとの事である。
伝統ゲーム大事典、高橋浩徳、朝倉書店、
2020年(126ページ)。
今回は、

”し”と書かれている理由を論題

とする。回答から書く。

”し”では無くて、”歩”の俗字から、
右打点を省略したもの

とみられる。
 では説明を開始する。元々の出典は不明で
あるが、恐らく俗字で”ト”に見える歩の漢
字が存在するとの旨が、以下の成書に記載さ
れている。
漢字くずし方辞典 新装版、編者:児玉幸多、
東京堂出版、西暦1982年。
 この本の194ページに、”歩”の俗字の、
”山+少”の字で歩になる漢字の歩の下に、
”ト。”と見える略字のような書体が、書か
れている。なお、余分な”。”は、本の編集
時の、タイプミスの疑いを私は持つ。
 またこのページの左上段隅に、平仮名の
”し”に、右点を打った、”ト”に見える、
さきほど俗字かと述べた漢字の、対応草書と
みられる書体が記載されている。
 証明は出来ないが、この

”し+ゝ”から”ゝ”を除くと、”ごいた”
の字の、”歩”の”し”になる事だけは確か

だと私は認識する。
 たぶんだが、歩兵カードは弱いし、数が多
いので。ごいたでは、僧侶の略文字を連想さ
せる簡易書体の草書の””し+ゝ”にした結
果、そのうち誤伝して”ゝ”が抜け、”し”
になったのであろう。
 なお、俗字の”ト”に見える歩が原因で、
それを知っている人間が、歩兵の成りの今金
書体の呼び名を”と金”にした結果、ここか
ら来るのだと勘違いして、と金書体が更に普
及した可能性も、全くは排除出来ないのかも
しれないと思う。
 幾つかの理由が、重なって”歩兵の成り”
が”と”と表記されるようになったという方
が、証明は困難だが、尤もらしいようには、
私には思える。(2020/12/20)

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