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大阪府島本町で古代山ゆすり墨書土器(長さん)

今回は、発掘報告書ではなくて町の広報で、
指定遺物と紹介されている出土土器に、
2字目が「さんずい」に甘と書く「ゆすり」
と訓読みする漢字で「山ゆすり」と読める、
ダイダラボッチを連想させる墨書が有るよう
に見える、大きな甕型遺物が有るとの旨の
紹介である。

山を清める、米のトギ汁を入れる大きな甕の
意図である

とみられる。古代の墨書としても珍しい。
 遺物の写真がweb上に公開されて、
大阪府島本町の広報類に載っている。その
広報は奈良文化財研究所の発掘報告書等の
データベース全国遺跡報告総覧に登録公開
されている。pdfファイル名は以下の通り
である。
139355_1_島本町立歴史文化資料館館報.pdf
 広報の名称は以下の通りである。
島本町立歴史文化資料館館報第15号、
西暦2023年12月、島本町立歴史文化
資料館。
 第19ページの記載より、遺物が出土場所
は、大阪府三島郡島本町桜井二丁目。出土年
は、西暦2015年に指定文化財となってお
り、その前だとみられるが、私には今の時点
で判らない。
 遺物の成立年代は8世紀頃のようであり、
奈良時代末から、平安時代の初とされている。
 遺物の写真は、同広報の同19ページの、
3番目に載っている。胴周り1m以上の大甕
であり、欠けが無い状態で出土したりっぱな
物品であり、町の指定文化財になっている。

島本町山ゆすり.gif

上図のように、第2字目の左にヨゴレがある
ものの、写真の左上に縦に「山」と、「さん
ずいに甘」と書き「ゆすり」と読めるとみら
れる、漢字のようにも見える、珍しい模様が
有るのではないかと、写真からは私には疑わ
れる。
 山を揺するとなると、体がでかい「ダイダ
ラボッチ」のような妖怪が連想出来て、コワ
モテの将棋駒名をも連想させる。が、「さん
ずいに甘い」の「ゆすり」は、webによる
と、「頭洗い水」の意味との事である。
 山は揺れているのではなくて、頭から水を
かけられて、清められているという意味のよ
うである。なお、この「ゆすり」には「米の
トギ汁」を使うという記載もweb上に有る。
よって大甕の中には、大量の米のトギ汁を
8世紀に入れて、山を祀る祭祀をしたのかも
しれない。「奉山」墨書土器の、広い意味の
類のように、私には見える。
 古代の山岳信仰の跡を示す大型の遺物が、
島本町で出土して、大事に保存されていると
いう事になるかと私見する。
 なおこの広報には、水無瀬宮の水無瀬兼成
の将棋駒と中将棋駒が、西暦2009年に、
同じく水無瀬兼成の、将棋馬日記が西暦
2011年に、島本町指定文化財になった事
や、西暦2022年に「水無瀬駒と関連資料」
の実物展示が行われた旨が第12ページ付近
に紹介されている。大阪府の島本町は珍しい
遺物のある町とのイメージが、更に高まった
と言う事だと私は思う。(2024/05/10)

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コメント 2

いっぷく

「米のトギ汁」を入れた大甕が祭祀に用いられた可能性は、宗教文化史というか、古代の山岳信仰や祭祀の形式を理解する上でも興味深いと思います。この情報は私は知らなかったのですが、多くの人々が島本町の歴史的価値を再認識し、地域の文化遺産に対する関心が高まるといいですね。
by いっぷく (2024-05-11 02:37) 

df233285

いっぷくさん、コメントありがとうございます。奈良時代の日本人。
知能指数、恐ろしく高いですよ。令和の私たちの方が、コメのとぎ汁
を、彼らの爪の垢とでも見立てて、たまに作ったら過熱して煎じて、
飲むべきなのでは?
by df233285 (2024-05-11 06:12) 

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