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福島県文化振興財団が格子模様木片を曲物と説明(長さん)

以前に本ブログでは、格子模様のついた木片を
囲碁盤の破片ではないかと紹介した。出土した
のは、大坂城のケースであった。その後、この
タイプの遺物は、食器用の疑いがあるとの旨り
記載が、表題のように、別の場所の発掘報告書
に説明されている事が判った。ただし結論から
言うと、

以前紹介の遺物、大坂城の木片は、これとは別

のようである。では紹介する。
 情報が記載されている発掘報告書は、下記の
2011年発行の文書である。
福島県文化財調査報告書第488集
会津縦貫北道路遺跡発掘調査報告13
西気流C遺跡(1次)、2011年、
福島県教育委員会、(財)福島県文化振興財団、
国土交通省東北地方整備局郡山国道事務所。
この発掘報告書は奈良文化財研究所発掘報告書
データベースの、”全国遺跡報告総覧”に収録
されていて、web上で見る事が出来る。
pdfファイル名は以下の通りである。
23479_1_会津縦貫北道路遺跡発掘調査報告13.pdf

遺跡の場所は、福島県会津若松市高野町大字
木流字木流、磐越西線堂島駅近くのようである。
2012年に発掘調査が行われ遺物の成立年代
は、平安時代後期(9世紀から10世期)と、
みられているようだ。そして巻末の図50と、
図51に、いっけん格子模様であるように
見える木片遺物が4枚、その疑いがある木片が
6枚、合計10枚ほど写真で掲載されてしる。
そしてその発掘報告書の本文中の45ページに、
”ケビキ線のある板材”等と紹介され、
”曲げ物側板等か”という説明がある。曲げ物
側板については、この遺跡の別の所の遺物にも
例が有り”ケビキ線が有るので曲げ物であろう”
との旨の説明も、この発掘報告書には有る。
”格子に見えるが、片方に木目であるケースは、
その木目の線の一部の、見間違いであり、

平行線が引いてあるだけである。

そして、曲げ物の原材料板に、平行な切り込み
を入れるのは、曲げやすいように切り込みを入
れているからである”との含意ではないかと、
発掘報告書の論理を解釈した。そのような例に、
これまで私は、注意して来なかったが、そんな
事も有るものなのかと、私は認識した。
 なお今回述べた報告書の遺物の”ケビキ線”
の間隔は、1センチ以下であり、囲碁盤メッシュ
としても、少し目が細かすぎるようだ。将棋盤
の一部の可能性は、なおさら薄い。なお

大坂城の遺物は、縦横に線が入っているのは、
木目と平行な方向の線が、木目より太い

ので判る。この福島県の遺跡の遺物とは、違う
とみられる。ケビキ木片遺物は、私は知らなかっ
たが結構多く、碁盤・将棋盤遺物検出にとって、
ノイズになるかもしれない。
 何れにしても格子状に見える木片遺物に接し
た際には、木目の一本が、引いた筋のように、
たまたま見えていないかどうかについて、注意
したいと私は、この報告書を読んで悟った。
(2020/12/23)

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