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茨城県土浦市扇ノ台遺跡で9C前王奔墨書甕土器(長さん)

今回は、かなり整った字で王と書かれている
が、擦れている上に、隣に煤が付いていて、
墨書を見落としてしまいそうな、見落とし
注意の出土土器の典型例である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
11303_1_扇ノ台遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
茨城県土浦市扇ノ台遺跡古代編、西暦
1999年、土浦市遺跡調査会・土浦市
教育委員会。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場所
は、茨城県土浦市大字中1141-1。遺物
が出土したのは、西暦1997年前後の事の
ようである。
 遺物の成立年代は、122ページ図から、
9世紀前半の平安時代前期とみられているよ
うに読取れる。なお、この遺物に墨書在りと
の指摘は無いが、この半世紀に成立とされる
遺物の中に、墨書遺物が在ると考えられてい
るように発掘報告書の、その前後のページか
ら読取れる。
 遺物の写真は発掘報告書の写真図版第22:
”遺物(土器・鉄製品)”の、最上段左から
2番目のその段中央に在って、第30番住居
跡の遺物番号第4番との旨、ナンバリングさ
れ、甕型土器の破片のように私には見える。

扇ノ台遺跡王奔.gif

 上図のように、中央やや右に「E」のよう
に見える、かなり黒い模様が在るが、煤ヨゴ
レのようであり、それに幻惑されないように
注意する必要がある。そして、その直ぐ右を
見ると、Eの下横棒と最終画とが重なってい
るが、

かなり整った字で、「王」と書いてある

のに気がつく。そしてその第1字目の「王」
の存在に気がつくと、その下、やや右にズレ
ているが、「奉」と書いて在るように見えて
くる。すなわち縦に2文字で、「王奉」と書
かれた、墨書土器の疑いが在ると私見する。
 中央政府向けに、貢物ないし、税金となる
物品を入れる甕型土器の一部なのかもしれな
い。この発掘で「この遺跡から出た墨書土器
の釈文の内容から、遺跡全体の性格を確定さ
せるようなはっきりした傾向は見られ無かっ
た」との旨、発掘報告書に記載されているよ
うに認識するが。税金を納める側が住んでい
る一帯だと仮に仮定すれば、通常の律令集落
かもしれないと私は疑う。(2022/12/03)

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