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言語学「日本語大事典」の湯桶読み説明(長さん)

本ブログの管理人の以前の説明では、藤原頼長
日記「台記」の大将棋の読みは「おほしやうぎ」
だった可能性も有るとの事だった。そのときに
明確な根拠を示した記憶が無い。が実際には
色葉字類抄に、訓読みの漢字が、現実多数出て
いる事から来る、個人的な心象であった。
 そこで今回は、表題の国語言語学に関する
事典「日本語大事典」の内容と、管理人の心象
が、合致しているのかどうかをチェックした。

不一致であった。

 国語学上は、室町時代の辞典「下学集」の、
湯桶読みを「湯桶文書」と読んで卑下(可笑)
している内容が有るとされる点から見て、古代
に湯桶読みは、識者の間で、避けられる方向に
あったととれる旨が、記載されている。
 なお「日本語大事典」の書誌は、編集代表:
佐藤武義・前田富祺、朝倉書店、2014年で
ある。「湯桶読み」の項目は上記成書事典の第
2049ページから、第2050ページ付近に
記載され、その部分の執筆者は笹原宏之となっ
ている。
 「日本語大事典」に限らず国語言語学書には、
重箱読み、湯桶読みを合わせて混読語とされる
ものは、明治時代に至るまで、時代が下るにつ
れて増加するととれる旨が記載されていると私
は認識する。藤原頼長はwikipediaに
よると、西暦1444年頃成立の、「下学集」
よりもかなり前の人物なので、尚更不利なよう
である。
 ちなみに、今述べた成書事典の「湯桶読み」
には「大道具」の例が引かれ、「造語」と分類
されていて「熟語」になってい無いようである。
 また日本語熟語の増加で混読語が増えるのは
必然で、完全否定を目指した儒家を、江戸時代
になると、式亭三馬、伊勢貞丈が非難したとも
記載されている。
 この事典を読んだ印象で、本ブログの管理人
は、藤原頼長が、

楽しんで大将棋を指したとしたら
「おほしゃうぎ」と言った可能性も有る

であろうと考えを変えるようになった。ただし、
管理人は実際のところは、真面目くさって藤原
頼長が将棋を指した可能性が高いと考えている。
9升目36枚制の、院政派作成の、標準型平安
小将棋に対抗して指したものだと、考えている
からである。
 ので、

以前の心象は間違いだった可能性がかなり残る

と調査の結果疑い浅学を反省するようになった。
(2023/12/29)

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