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平安小将棋”旦代理論”の木村義徳氏/持駒使用の謎での表現の復習(長さん)

このブログでは、過去何回も、9×9升目36枚制標準平安小将棋(持ち駒、
有りないし無し)における、”後手真似将棋、仕掛け直前の行き詰まり問題”
を指摘してきた。この事実が実際に有る、というのが、結局本ブログでの、
根幹であり、それが正しいという前提が崩れてしまうと、

”この現象の存在を根本原因として、平安末期の将棋史が展開した”とする、
このブログでの、私流の大半の議論が灰になるほど

である。そこで、今回は、一名”旦代の9升目平安小将棋に関する
難点の議論”、木村義徳将棋九段の持駒使用の謎(2001)における
略称”旦代理論”の内容を、明確にしておきたい。
 個人的には今の所、の現象をまとまって取り上げている成書が見当たらな
いため、持駒使用の謎の記載で、それを定義するのが、最も確かだと、私
は考えている。木村義徳日本将棋九段により、2局の棋譜の形で、行き詰
まりの状況が説明されている。以下の2例である。

例1:持ち駒無し将棋に関する、公開された棋譜

⑨⑧⑦⑥⑤④③②①
香口口口口口口口香一
口口口口口玉口口口二
歩金桂歩口金桂口口三
口歩歩銀銀歩歩歩歩四
ほ口口口口口口口口五
口歩歩歩銀歩歩歩歩六
口金桂玉銀金桂口口七
口口口口口口口口口八
香口口口口口口口香九
(駒は一段から四段が全部、後手。
六段から九段が全部、先手のである。
⑨五の位置の”ほ”は、先手/こちら
側の、歩兵である。

なお、ここまで、▽⑤五歩▲同歩▽同銀▲⑤六銀▽⑥四銀(と引く)▲5七銀
▽④二玉(?)等と指されたらしく、先に無理攻めした”後手が、先手に反撃
された”との旨、同成書で記載されている。なおこの後は、▲⑨六金▽⑨四歩
▲同歩▽同香で、先手の金が死んだ(金と香車の斬り合いになった)との旨が、
記載されている。

例2:持ち駒有り将棋に関する、公開された棋譜

⑨⑧⑦⑥⑤④③②①
香口口口口口口口香一
口口金口玉口金口口二 後手:持ち駒無し
口口桂銀口歩桂口口三
歩歩歩歩歩銀歩歩歩四
口口口口口口口口口五
歩歩歩歩歩銀歩歩歩六
口口桂銀口歩桂口口七
口口金口玉口金口口八 先手:持ち駒無し
香口口口口口口口香九
(駒は一段から四段が全部、後手。
六段から九段が全部、先手のである。)

上記のように、棋譜は点対称ではなくて、五段目のラインに対して、線対称に
なっている点に、注意が必要である。つまり、厳密には真似将棋の定義からは
外れるが、線対称になるように、後手が駒を組んだ場合を、想定しているの
である。

例1と2から、何れも”中間段へ向かって、ほぼ線対称型に、後手も目いっぱ
い陣を、せり上げたときに、9×9升目36枚制平安小将棋では、持ち駒ルー
ルが有りでも無しでも、先に攻める側に、有利になる手が無いという現象があ
る”というのが、旦代理論の意味である事が判る。個人的には、桂馬が常に
3×3の位置に4枚とも並び、特に陣が完全に線対称であるケースが、典型的
だと考えている。つまり、特に

例2の棋譜のケースが典型的であり、持ち駒ルールが有ろうが無かろうが、
この局面で、平安小将棋は行き詰まっている

と私も考える。ただし、旦代氏の原因考察は私とは大きく違う。歩兵が4段差
配列なっているのが原因と、彼は考えている(らしい)からである。他方、
私は、桂馬が互いに当たらないようにすれば、とにかく、この行き詰まりは
解消するとの立場を、このブログでは、複数回表明している。
 また、持ち駒使用の謎の記載と、合わない所もある。私は8×8升目32枚
制原始平安小将棋では、持ち駒ある無しに係わらず、この行き詰まりは無いと
いう立場を取っている。が、木村義徳九段を初め、賛成者の例は、オリジナル
の旦代氏を除いて、私は余り知らない。
 なお、この種の研究は、日本将棋が、これだけ普及した中にあっても、これ
以上、ほとんど進んで居無いと認識している。以上の情報を基に、私流の
言い方では、旦代現象の定義がより明確になると共に、その内容がより鮮明に
なるよう、今後の、百円ショップの将棋道具等を用いた研究の高まりに、ただ
ただ期待するしか無い所だと、心の奥底から考えているのである。(2017/10/31)

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