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後漢書で南夷をテンのように表現の他例は無い(長さん)

以前、後漢書で、テン国王一族の記載が、
贅沢三枚で、領土内で金銀の鉱産資源を有
し、馬牛が多数居るという3点で、日本将棋
の伝来元として、相応しいとの旨を述べた。
しかし単にテン国の後漢書の記載だけでは、
漢王朝が周辺民族一般に対し、しばしば、
上記3点を、決まり文句で記載しているの
かもしれず、証拠として適当かどうかの
疑念もあった。特に史記では”中国王朝に
初めは逆らって反乱を起こしたが、平定さ
れて皇帝を尊敬している”は決まり文句だ。
 そこで、今回は、

リファレンス情報として、周辺民族一般を
漢王朝が、一般的にどう表現しているのか
を、とりあえず産物が類似の、西南夷の章
について、後漢書でチェックしてみた。

以下が、人の性格と特産品に絞った、
”西南夷”についての、本ブログが把握し
た範囲での、後漢書の記載である。

タン人国:人食い人種である。
越しょう国:白い雉が居る。
黄支国:犀を中国に献上した。
ベトナム:雉とウサギが居る。
邑国:犀と雉を中国に献上した。
巴郡の豪族:虎狩をする。勇猛である。
昆明:遊牧民。王は居ない。
夜郎国:原始宗教を信じる。牧畜蚕業が無く
貧しい。こうろう木の皮をはいで食している。
哀牢夷:鼻や耳に穴を空け、体に竜の刺青を
描いている。雲南省の奥地に住み、かつては
弧立。土地は肥沃で五穀が採れ、蚕業が盛ん。
織物業が盛んで麻布、桐の木の”むく毛”の
織物が有る。

金、銀、銅、鉄、鉛、錫、真珠、琥珀、水晶、
瑠璃、翡翠等の鉱産資源がある。

孔雀、犀、象、ショウジョウ等の動物が生息。
首に瘤の有る、特殊な種類の牛状家畜動物が
いて、肉が多い。また鹿が居る。象牙や象を、
漢王朝へ献上した。漢王室に、ここの手品師
が来て、”自分はローマ帝国の末裔だ”と、
名乗っていた。
きょう都夷:平原で稲作地。道楽者で合唱が
好きである。
作都夷:山岳地帯の民。民族音楽がある。
宗教的な彫刻を作る。
ぜんぼう夷:寒く不毛な地で麦が取れるだけ。
牧畜業を営む。牛、馬、羊、鹿、ジャコウ、
鶏、ショウジョウが居る。特産の織物がある。
肉食なので、住民は太っている。
白馬氏(てい):土地が険しく麻畑が続く。
馬、牛、羊が居る。漆を産する。養蜂をする。
川のほとりに住む。向こう見ずで恐れを知ら
ず、命がけで高利貸しを営んでいる。
(以上が、人種の特徴と、特産品についての
抜書き結果。)

以上の事から同じ雲南省で大理市より山奥の、

”哀牢夷”以外、テン王同様、鉱産資源の豊
富な場所等との記載が無い

事が判る。なお、net上の記載を見る限り、
哀牢夷=白衣蛮のように、私には見える。
 以上の結果から、テン国王のような記載が、
漢王朝から、見た当時の蛮族一般に対して、
決まり文句で与えられている訳でもない事が、
明らかである。
 しかも、哀牢夷の王はテン国王とは異なり、

”国王は耳に穴を空けて、肩まで耳が垂れて
いる”等と未開人のごとくに表現され、黄金
に囲まれて暮らす、バイキングの王族系とい
う、テン王イメージとは又、別な表現

のようである。
 よって、後漢書の周辺民族列伝に関しては、
少なくとも、日本の将棋の伝来元に関する、
傾向証拠を全く含み得ない、他民族の記載が
画一化している情報とは、とても言えないの
ではないか。
 テン王以外の、西南夷に関する後漢書の記
載から、私は以上のように考えるのである。
(2020/02/10)

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