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世界の将棋紹介インド中世象棋の中央非対称駒配列起源(長さん)

今回は、インドの中世将棋で、梅林勲、岡野伸著
世界の将棋(改訂版)西暦2000年で言う、
シャタランジャ①~③、アトランジ②、
近世作のシャトランジ・バローダの、

中央4駒非対称配列は中国雲南、大理国将棋起源

とみられるという論について述べる。
 なお本ブログの見解では、西暦1015年時点
に於いて、(仮説)中国雲南大理国の将棋である、
大理国原始平安小将棋の中央4駒は、以下の3段
目以下の初期配列図にあるように、非対称4駒型
であったと見ている。(興福寺で1058年前後
に復元されたと、本ブログでは推定している。)
3段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
2段目:口口口口口口口口口口口口口口口口
最下段:香車桂馬銀将玉将金将酔象桂馬香車
なお、酔象は名称が象で、動きは角行で不成り。
桂馬は正式には馬。香車は正式には車。歩兵は
正式には兵で、馬、車、兵は、現在の日本将棋の
動き成りと見る。他は名称が、大理国時代も同じ。
 次に、インドの中近世象棋である、
シャタランジャ①~③、アトランジ①~②、
近世作のシャトランジ・バローダの、中央4駒
を左中央筋、右中央筋、玉袖、金袖の順に並べる
と、以下のようになると、世界の将棋に記載され
ている。なお、前記の大理国原始平安小将棋では、
例えば玉将、金将、銀将、酔象となる。
シャタランジャ①
麒麟、王、司令官、将官
シャタランジャ②
司令官、王、ブクシー、皇太子
シャタランジャ③
皇太子、王、司令官、コタワル
アトランジ①
司令官、王、ラタ車、ラタ車
アトランジ②
司令官、王、皇太子、女王
シャトランジ・バローダ
王、女王、司令官、将官(黒側、後手。)
以上のように、アトランジ①配列はチャトランガ
型で象駒が同じ両”ラタ車”であるが他は和将棋
に似て、

4駒非対称配列

である。なお”世界の将棋”では現代型記載なた
め、シャトランジ・バローダの西洋チェス型は別
として概ね、イスラムシャトランジの王が中央右
配列となっていて、冒頭の大理国型とは、左右が
鏡映となっている。
 今回は、以上の類似が何処から来るのかを問題
にしている。先行研究は、大理国原始平安小将棋
が、本ブログ以前に知られていないために、明確
な指摘は無いとみられる。
 すばり本ブログは、

インド中世将棋が、中国雲南の大理国原始平安小
将棋の玉将、金将、銀将、象、4駒非対称配列を
取り入れた

と考える。根拠は、時間的順序から見て

これらは、中世11世紀以降の成立であり、恐ら
くは、チムール帝国の各国将棋情報をインドが更
に取り入れて、成立したものと考えられるため

である。又、中央4駒非対称にしなければならな
い理由付けが、単にイスラム圏のシャトランジ系
ゲームを真似ただけなら、特に見当たらない事も
ある。更には、皇太子駒は、日本の太子を連想さ
せ、チムール情報のうちの、日本の駒数多数将棋
の中央玉・酔配列を連想させるという点もある。
そもそも、上記で述べた、中世・近世のインド古
象棋は、何れも10升目以上の駒数多数将棋であ
るため、

日本の駒数多数将棋の情報が、チムール帝国の
情報収集活動の結果を経由して、インドの駒数多
数中近世将棋に導入されたとしても、極端な
不自然感は無い

点も挙げられる。
 以上の事から、大理国原始平安小将棋の配列が、
左袖から、車、馬、銀、玉、金、象、馬、車と、
中央4駒が、銀将を押し込む為に、非対称になっ
たとする本ブログの仮説には、

淡いが、インド中近世駒数多数将棋の初期配列が、
その示唆をしている言う点が根拠と、一応言える
のではないか。

以上のように、結論されたのである。(2020/06/04)

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