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鎌倉横小路流改善熊沢良尊型に裸玉勝ちルールは要る(長さん)

最近、表題の創作ゲームのルールを本ブログ
で紹介した。玉を捕獲する通常の日本将棋に、
ライオン駒は無いけれども、歩兵・仲人・
悪行駒にトライルールが、北尾まどか創作の
「どうぶつしょうぎ」式に有るような形となっ
ていた。
 ところで二中歴の小将棋には、本ブログが、
「裸王の自殺手に対する優先」と呼んでいる、
敵玉を一枚にしてしまうと(相手玉を詰まな
くても)勝ちになるというルールが存在する。
 32~36枚制の将棋のルールが、68枚
以上の大将棋の類にも援用されるという論は
これまでは無かった。二中歴の平安大将棋は、
駒枯れ引き分けになるまで、局面が進行する
のに、途方もない手数が必要なのは明らかで、
必要性そのものが謎だからである。
 しかしながら、獅子のような急激に終局へ
収斂させる、攻撃力の強力な駒の存在しない、
鎌倉横小路流改善熊沢良尊型大将棋の属する
後鳥羽上皇期の大将棋では、終局局面らしい
局面には到達して、駒枯れ引き分け模様と
いうケースが存在すると予想できる。
 今回はこの、相手の玉を一枚にしてしまえ
ば勝ちというルールが、獅子のような強力な
決着駒が無い為に、駒枯れが起こりやすい
鎌倉横小路流改善熊沢良尊型大将棋では特に、
以下のチェックの結果、必要であったと結論
された旨を報告する。
 すなわちそれを確かめるため、後手が先手
の真似将棋を意識的に行い、形成が仕掛かり
の局面では全く傾かないようなケースを作り、
この将棋では、その後の展開が実際にどう動
くのかを以下のように試し指しした。なお、
真似するのは独力で着手を考えるよりも、持
時間を使わず済み、有利なのは明らかなので、

先手が勝ちやすいように、ルール調整しなけ
ればおかしいのは明らか

である。
 そこで実際には以下は、普通唱導集成立期
の後鳥羽期より60年程度遅い、大将棋唱導
の定跡戦法崩れとも言うべき駒組で、先手が
鎌倉横小路流改善熊沢良尊型大将棋で採用し
たと仮想して駒組を仮にし、後手がその完全
な真似将棋を指したケースの、仕掛直前局面
例である。

改善熊倉良尊悪行入同型1.gif

 上図のように互いに右側の仲人を、斜めに
狙っているのであるが改善熊沢良尊型大将棋
の系統では、横行も反車も、狙い筋から逃げ
る事が出来る。その上で仲人とは、嗔猪の代
りに同じ動きの二中歴の「銅将」が、「腹を
合わせ」、桂馬を熊澤良尊型では反対側から
だが、過剰防御で「のぼせて支えてい」る。
 この駒組みでもしばらく後手は、先手の真
似将棋を続けて仕掛局面となる。だが、以下
の局面で先手が、文字通りの「先手」を取り、
急速に戦いが始まって点対称性は失われる。

改善熊倉良尊悪行入同型2.gif

 しかしながら、双方注意深く指すと、形勢
が極端に先手に傾くわけでもなく、以下のよ
うな局面を経た後に、

改善熊倉良尊悪行入同型3.gif

 更に以下の局面に到達し膠着状態になった。

改善熊倉良尊悪行入同型終.gif

 この状態で、レフリーに勝ち負けの判定が
任されると見られる。
 が後手の残り駒は前進しか出来ない香車と、
改善熊沢良尊型の、すなわ二中歴の鉄将と、
前後左右歩みの銅将が残り駒であり、先手は
玉将と金将を使用して3駒個々に捕獲すれば、
手数があと数十手程度かかり、その間後手に
は、駒を取られる先手の攻撃から駒を単純に
逃がす手しか無いと予想されるが、結局

香車、鉄将、銅将の3枚共にやがて捕獲され、
後手は、裸玉状態になるだろうと容易に予測

出来る。
 よってこの対局のレフリーは、この局面で、

真似将棋をしてい無い、先手勝ちと判定する
のが道理に適ったもの

と見るべきではないか。以上の事から、形勢
が僅差である事によって起こる、
駒枯れで、玉一枚になる側の出るケースは、
玉詰みされる事や自殺手を指す事よりさえも、
相手玉将を一枚にしてしまう事を勝敗基準で
優先する「自殺手に対する裸玉の優先則」は、

平安小将棋同様、
鎌倉横小路流改善熊沢良尊型大将棋でも必要

であった。以上のように、私は結論したので
ある。(2023/07/03)

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