SSブログ

13升大将棋。麒麟・鳳凰導入と猛牛・嗔猪導入どちらが先か(長さん)

前回、本ブログによる、西暦1200年から西暦1260年までの
大将棋(当時は13升目と推定)の変化について、飛龍の変更に関
連して再録した。そこで、こんかいはその勢いを借りて、西暦
1260年頃から1290年の普通唱導集記載の大将棋までの、
30年間の変化について、問題にする。表題に示したように、本ブ
ログでは、この間に
(1)獅子と奔王に成る、麒麟と鳳凰が導入され
(2)鬼門を守る動物種で不足分の、牛と猪が、猛牛と嗔猪の名称
で導入される
という、2つの要素の追加があったと見ている。
 そこで、今回は今までと違い、これを2つに分けて考え、

(1)と(2)とで、どちらが早かったのかを考えてみる事にする。

まず、結論を述べる前に、西暦1260年頃の大将棋と、普通唱導
集時代直前の、西暦1290年頃の大将棋は、それぞれ以下のよう
な初期配列であったと、本ブログでは推定している。

酔象復活期の大将棋の配列(西暦1260年頃・本ブログの見解)
五段目:口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口
四段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
三段目:飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛車
二段目:反車飛龍口口口口猛虎口口酔象口口猛虎口口口口飛龍反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

普通唱導集の大将棋の配列(西暦1290年頃・本ブログの見解)
五段目:口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口
四段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
三段目:飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛車
二段目:反車飛龍嗔猪猛牛猛虎麒麟酔象鳳凰猛虎猛牛嗔猪飛龍反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

ここでの論題は、その中間の、たとえば西暦1275年ころの初期
配列が、以下の(A)と(B)とで、どちらが正しいのかという、
内容である。

(A)麒麟/鳳凰早期説(一例:西暦1275年頃)
五段目:口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口
四段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
三段目:飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛車
二段目:反車飛龍口口口口猛虎麒麟酔象鳳凰猛虎口口口口飛龍反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

(B)猛牛/嗔猪早期説(一例:西暦1275年頃)
五段目:口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口
四段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
三段目:飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛車
二段目:反車飛龍嗔猪猛牛猛虎口口酔象口口猛虎猛牛嗔猪飛龍反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

そこで、これだけ準備した上で、最初に結論を述べる。

ずばり、正しいのは(B)であると、本ブログは考える。

根拠は、次の通り2つある。
(1)猛牛と嗔猪の動きは当時、酔象と猛虎の斜め動きを、単純に
縦横に変えて作られたものと、見られる事。それに対して、麒麟/
鳳凰の当時の動きは、それより手が込んでいる。
 なお、補足すると、本ブログでは、復活酔象が、中国シャンチー
象だったとの立場を、今の所取る。すなわち、
酔象は、2升目先にだけ行ける、斜め4方向走り。
猛虎は、斜め4方向隣接升目へ歩み。
それに対して、初期の猛牛と、この時代の嗔猪の動きを、本ブログ
は、対応する、縦横動きと見る。すなわち、
猛牛は、2升目先にだけ行ける、縦横計4方向走り。
嗔猪は、縦横4方向隣接升目へ歩み。
 つまり、(B)のように、中央から袖へ、金将の前升目を飛ばし
て、酔象、猛虎、猛牛、嗔猪と、動きを規則正しく並べた配列を
先に作り、ついで、それより複雑な、麒麟と鳳凰を後で入れたと考
えると、つじつまが合うのである。なお、当時の麒麟と鳳凰は、
以下の動きだったと、本ブログでは推定している。
麒麟:猛虎の動きを2回繰り返す。(原始的な踊り動きを、始めて
する駒になった。)
鳳凰:当時の酔象と、嗔猪を合わせた動きである。従って、斜めに
は、2升目だけで止まれる走りであって、当時は塞象眼が有った。
つまり、

鳳凰の動きを発明するためにも、その前に嗔猪を作る必要があった

と、本ブログでは、推定するのである。なお、だからこそ、麒麟の
成りが、不正行度の踊り動きである獅子に、鳳凰の成りが、大走り
の奔王になったのだと、本ブログでは考えるのである。
 以上が、根拠の一つ目。
 根拠の二つ目は、
(2)もし(A)のような中間形がしばらく存在してしまうと、
普通唱導集の大将棋に記載された、普通唱導集大将棋の

難点が、猛牛と嗔猪の導入で、増大しているのが、皆にバレてしま
う。そのため、猛牛と嗔猪は陰陽道に反していたとしても、捨てら
れてしまい、普通唱導集大将棋へ移行しなかったはずだから

である。すなわち、(A)のような将棋が仮に有ったとすると。
(A)で、▲3十二鉄将~▲3十三飛龍~▲4十二飛龍~
▲3十三銅将(銅将は嗔猪の導入で、横に動けなくなったと
みられる。よってこのケースは横に行ける。)~
▲3九歩兵~▲3十堅行~▲3十一桂馬~▲2十三銅将~
▲2十二銅将とすると、次の局面になるが、これは普通唱導集の
大将棋で唄われた、端攻め定跡の、角2枚+馬2枚斜め攻撃では、
比較的崩れにくい陣形になっている。

参考(A)から作れる、端攻め定跡で崩れにくい陣形
五段目:口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人歩兵口口口口
四段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵堅行歩兵歩兵
三段目:飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行桂馬横行飛車
二段目:反車飛龍口口口口猛虎麒麟酔象鳳凰猛虎飛龍鉄将銅将反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将口口口口口口香車

そこで、もし(A)の初期配列のような将棋が、しばらくあったと
すると、そのあと猛牛と嗔猪を導入して、普通唱導集大将棋を作成
すると、猛牛と嗔猪の導入のせいで、普通唱導集大将棋には、問題
が発生したと、当然棋士には判ってしまう。つまり、

上記のような陣は、猛牛や嗔猪を加えた升目が、空いていたから
作れたのであって、これらが導入されると作れない。だから、猛牛
や嗔猪を加える事で、問題が、増幅された事に皆気がつく

のである。そのため、鬼門が崩れても、別の将棋にしようとする動
きが、当然ながら起こってしまい、

実際の歴史の事実と違って、大将棋が滅亡しなくなってしまう

のである。
 これでは、当然おかしいので、

猛牛と嗔猪には、麒麟や鳳凰よりも先に導入されたという、既得権
があるはずだ

という事になるのである。
 以上の2つの理由で、極短期間だが、

(B)のような初期配列の大将棋が有った可能性がある

と、本ブログでは推定する。ただし、2段目中央付近に空隙がある
形は、いかにもおかしいので、(B)のモデルのような将棋は、
長くは続かず、麒麟と鳳凰は(B)の形からまもなく、発明された
はずである。また、

 そうすると、普通唱導集大将棋は、発生してからせいぜい25年
で、難が見えてしまった将棋

だったと、言う事になる。むろん、それでも陰陽道が無ければさら
に形は更に変化し、チェスのように、大駒が比較的多い形で、難が
消えれてしまえば、百年単位で生き残るゲームに、なり得たはずだっ
たと、本ブログでは推定するというわけである。(2018/04/18)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。