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インド四人制チャトランガ西暦850年頃成立説(長さん)

現在の国際的チェス史学会では、インド
四人制チャトランガの成立は事実上、西暦
1031年頃である。”アル・ビールーニ
の記録より以前に、史料が無い”との認識
が広く行き渡っていて、萎縮気味である。
 ここでは、気配程度でよいから、もっと
以前に遡れる要因が無いのかどうかを論題
とする。結論から書く。

イスラムシャトランジの大臣が猫叉動きで
あるから、現在成立説の180年後位なら、
兵駒がポーンなら、存在する疑いも有る。

では、論を開始する。本ブログでは、イス
ラムシャトランジの成立は、インド二人制
古チャトランガで①構成駒を上下対称にし
たのと、②王手象取りを喰わない様に、戦
車と象を反対にしたという内容と把握する。
①については、馬が八方桂であるのが顕著
だが、元々飛龍と飛車動きで対称的だった
新象駒と新車駒は別として、

大臣を近王の金将ないし酔象動きから、
斜め一歩の猫叉にしたのが特徴的だった

と見ている。
次が大切だが、たまたまだったのだろうが、
この猫叉の動きは、

ポーンで相手の駒を取るときに、斜めに行
くが、前方だけでなく後方も加えると、出
来る動き

である。四人制シャトランガをやってみる
と判るが、やっている途中で、

ポーンで斜め後ろの横のプレーヤー駒も取
りたくなる衝動に駆られる事が多い。

方向が判らなくなるためである。実際に、
2人制のチャトランガから4人制は、

この衝動に気がついて作られた

のではないか。つまり、一部のローカルルー
ルだったのかもしれないが、

兵駒を、ボーンではなくて、相手駒を取る
ときに、猫叉動きが出来るとした、四人制
チャトランガが有った疑いがある

という意味である。
 プトレマイオスのアルマゲストに感心し
て、イスラムシャトランジのゲームデザイ
ナーは、前後左右だけでなく、なるべく、
前後対称になるように、駒の動かし方ルー
ルを変更させて、ゲームを完成させたのだ
ろう。が、イスラム帝国では、ペルシャや
マレーシア、インドネシアとは違って、シャ
トランジ象棋の兵の成り先を、大臣に固定
した。すると、四人制チャトランガをたま
たま試作した、恐らく現パキスタンのゲー
ムデザイナーには、兵が生駒の状態で、別
プレーヤーの駒を取るとき猫叉動きになる
パターンに、一致したので、至極、軽快な
感じがして、四人制チャトランガの完成を、
祝したに違いない。なお四人制チャトラン
ガをインドではなくてパキスタン発に、こ
こではしたのは、モヘンジョダロ・
ハラッパーのサイコロの方が、ガンジス川
のサイコロより、有名だと私は思うからで
ある。ともあれ、

前後左右に対称駒の多いチェス型ゲームは、
四人制にしやすい

という事である。だから、少なくとも

イスラムシャトランジの成立が四人制イン
ド・パキスタンチャトランガの成立を促進
する方向に挙動する

と私は思う。特に、イスラムシャトランジ
の大臣、猫叉駒のデザインが良かったので
はなかろうか。兵はたくさん有るので、
猫叉取りルールにすると、四人制ゲームは
快適である。猫叉動きの猛虎の枚数が少な
い平安大将棋では、猛虎が筋違いに動けな
い事ばかりが目立つので、日本の南北朝時
代の鎌倉市今小路西御成小学校遺跡にあっ
たとみられるゲームセンター出土木札が示
唆するように、”近くへ行く。上はゆけぬ”
の盲虎動きに、変更したくなるのだろうが。
 なお四人制チャトランガがパキスタンで
成立したのは、イスラムアッバース朝内で
帝国の分裂が始まり、逆にインドの、
ラージプート時代の諸侯が一時期盛り返し
て、イスラムシャトランジを指す兵隊を、
捕虜にするなどして、ゲーム内容を聞き出
す事等が出来た西暦850年前後が、尤も
らしいように私は思う。ビールーニが、
カナウジ付近を訪れたとされる、

定説の180年程度前

である。
 逆に四人制チャトランガが成立して、兵
で相手駒を取るとき、斜め動きは4方向に
出来るという、少なくともローカルルール
が発生すると、イスラムシャトランジの大
臣駒の猫叉ルールは、より強固になってい
ったに違いない。
 すなわち、それまでは大臣は猫叉だけで
はなく、嗔猪のバリアントも有り、この方
が、逆ビールーニ型時代のときに、王手象
取りを掛けてきた、相手の八方桂を、大臣
で取り返せるので、むしろマシだったのだ
が、その選択枝は無くなって、大臣は猫叉、
象が飛龍、馬が八方桂、車が飛車でイスラ
ムシャトランジは固定になったのであろう。
 以上の事から、四人制インドチャトラン
ガと、イスラムシャトランジは、大臣のルー
ルで、相補的に繋がっているようでもあり、

西暦1031年以前に4人制チャトランガ
は、絶対に成立し得ない

とまでは言えないように、私には思われる
のである。(2019/12/29)

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