SSブログ

奈良平城京より天平時代の龍自在王木簡(長さん)

以下、摩訶大大将棋と泰将棋の駒名として知られる
自在王が、奈良の推定内裏跡より出土したという
話題である。

前に南無(无)、後に佛という字が書いてあり、
将棋の存在を示唆しない。

web上で見る事の出来る、下記のpdfファイル
の13ページの上段左に、釈文だけがが記載されて
いる。前後に写真は無いようである。
15038_1_平城宮発掘調査出土木簡概報.pdf
このpdfファイルは、本ブログ内で再三紹介した、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に掲載されていて、文献の表題は
以下の通りである。
平城宮発掘調査出土木簡概報(15)
奈良国立文化財研究所、1982年5月。
出土したのは、前世紀でありかなり前だ。
ここで問題にしているのは”GE33 011”と、
記号が付された釈文のことである。
 釈文は手書きだが、たぶん次のようにだけ書いて
あるようである。
南无龍自在王佛
 残念ながら、紹介したpdfはシリースのうちの
一部の抜き出しであるようで、写真が見当たらない。
そのため木簡がどういう形をしていたのかは、私に
は判らない。
 そして本木簡概報の2ページ目に、発掘地点は、
奈良の平城京の内裏北の”官営地域”だとの旨出て
いる。成立年代は、共出土した木簡に、年号の記載
されたものが有るらしく、西暦746年前後の
奈良時代とみられているようだ。なお西暦の746
年は天平18年。また発掘されたのは、より正確に
は西暦1981年の頃となっている。

朝廷内に”龍自在王仏信仰”と称するものが有った
事になり、情報に、それなりの重みは感じられる。

ただし今の所、摩訶大大将棋および、泰将棋の成立
が8世紀との説は、たぶん無いだろうと、本ブログ
の管理人は認識している。
 加えて墨書の内容が”南無(无)・・・佛”であ
るから、仏教的な木簡なのであろう。少なくとも、
奈良時代に、怪獣や恐竜の類ではなくて、

龍自在王という名の、人間の仏に対する信仰が存在

するという事なのではないか。
 なお類似の仏の名称として世自在王は阿弥陀如来
の師として知られる。が、龍自在王がどんな仏様を
指すのか、少なくとも私には判らない。しかし何れ
にしてもこの木簡から、

摩訶大大将棋の成立よりも、龍自在王という名の仏
の方が、恐らく先に知られていた

ようであ。だから龍王同様自在王も、摩訶大大将棋
では将棋盤の、中央列近くに配置すべきだとの認識
を、摩訶大大将棋のゲームデザイナー等に抱かせる、
要因の一つになった可能性は、全く無いとは言い切
れないのであろう。(2021/01/13)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。