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大阪府柏原市大県南遺跡で鎌倉期の角行文字(長さん)

以下将棋駒ではなくて、将棋駒名を書いた
井戸枠で継ぎしろ部に墨書があるように見
える、最も新しくて鎌倉時代の遺物の話題
である。かなり薄くて、墨書が有るという
指摘すら文献に無い。

光の当り方による影の悪戯である疑も有る。

問題の遺物は、以下のpdfファイルに
掲載され、pdf自体がweb上で公開さ
れている。たびたび紹介した、奈良文化財
研究所の発掘報告書データベース、全国
遺跡報告総覧に登録されているものである。
18138_1_柏原市遺跡群発掘調査概報1994年度.pdf
文献の表題は以下の通りである。
柏原市文化財概報1994-Ⅳ
柏原市遺跡群発掘調査概報1994年度、
柏原市教育委員会、1995年3月。
柏原市は奈良県との境にある大阪府の市で
ある。
 そして問題の遺物は、第3章大県南遺跡
の24ページの一番下に写真がある。
 2メートル程度残っている井戸枠のうち
の1枚の、巾40~50センチの板の端の
方に、次の井戸枠に繋ぐために鼻型に8セ
ンチばかりに切り欠きが作られていて、そ
の切り欠きの端に、角行の文字に見える影
が写真に写っているというイメージである。

大阪府柏原市大県南遺跡角行.gif

 よくみると、角だけの影が、他にも有る
ようである。切り欠きの長さは今述べたよ
うに8センチメートルなので、切り出すと、
だいたい将棋の駒程度になる。切り欠き部
の厚みは写真からはよく判らない。私の当
て推量だが、強度を出すために2センチ位、
必要なのではないだろうか。

将棋駒を作るにしては、少し厚すぎ

か。なお、発掘報告書によると、元々この
井戸枠は、建築資材の廃材の転用だと見ら
れており、井戸を壊して、将棋駒を作ろう
としたのでは無さそうだ。発掘者は井戸枠
切り欠き部に墨書が有るのを説明しようと
したのではなくて、井戸枠板に切り欠きが
ある事自体が珍しいので、報告書に部分拡
大写真を載せたようだ。

現物を見ると何も無いのかもしれないが。

 なお、鎌倉期の判定は、土器の形からの
もののようである。
 角行は特殊な固有名詞であり、将棋以外
に使うとは、ちょっと考えられないだろう。
本当に墨跡が有るとすれば、角行駒の成立
期を推定する、

有力な遺品

になる可能性が、かなり高いように私は思
う。井戸からの出土品は、井戸枠すら疎か
には出来ないという良い例だろう。
(2021/01/14)

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