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福岡県福岡市姪浜遺跡で弥生期龍丹墨書土器(長さん)

今回は、福岡市の姪浜遺跡で弥生期とみら
れる壷型土器に、龍神の赤龍を連想させる
「龍丹」と漢字で書かれているような模様
のある遺物の紹介である。

漢方薬のキキョウ根の龍胆の別字で、龍丹
と書かれているという意味とみられる。

なおweb上に胆を丹と書く事を示唆した
サイトが有る。弥生時代に漢方薬を入れる
壷が、福岡市に有った事を示しているので
あろう。ただし、将棋駒名の青龍の類例で
「赤龍」、その言い換えで「龍丹」のよう
にも一応見えるので、今回本ブログでは、
取り上げた。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
20573_1_姪浜遺跡3.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
福岡市埋蔵文化財調査報告書第1058集
姪浜遺跡3第4次調査の報告、2009、
福岡市教育委員会。
 発掘報告書末尾抄録によると遺跡の場所
は、福岡県福岡市西区姪浜3丁目3393。
遺物が出土したのは、西暦1991年から、
西暦1998年の間のようである。
 発掘報告書第31ページ付近によると、
遺物は試堀時に出土したが、弥生土器の壷
で、弥生時代成立のように解釈されたと、
読取れるように思われる。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版
第12の、第2段目右に在り、遺物番号第
117番との旨、ナンバリングされていて、
壷のような形の土器の、上部の破片を横か
ら見たところのように、私には見える。

姪浜龍丹.gif

 上図のようにヨゴレが多いが、写真で
中央の下部に漢字で「丹」のように見える
模様が有るようであり、その上の字は、はっ
きりしないが、「龍」のようにも見え、
キキョウの根の多分意味の「龍胆」の別字
で、同義だと、webの一部のサイトで指
摘されているように私には認識される、
「龍丹」になるようにも見える。
 キキョウの根は漢方薬なので、福岡に居
した弥生時代の帰化人が、漢方薬入れの壷
にキキョウ根を入れ、「龍丹」と印をつけ
たようにも私見される。
 「龍胆」では無くて「龍丹」とすると、
伝説の動物で火の龍とされる「赤龍」に似
た意味にもなり、大大将棋駒等の青龍の、
親戚の赤龍を表しているように見えなくも
無い。が、出土物のように、壷に字を書い
た事から見て、弥生期に漢王朝時代の中国
人が福岡に渡来して、複数の壺に、一種類
づつの漢方薬を保管したとき、各々の銘柄
を区別する為に、各壺に漢方薬の銘柄を書
いたのだが、出土壺には、キキョウ根を保
管したので、その意味の「龍丹」と書いた
と考えた方が、かなり自然なのではないか
と私は疑う。
 この遺物の模様は、福岡市の住人の中に
は、弥生時代の中頃には既に、漢代の中原
に住む人間と、同じレベルの識字層が、か
なり多かった事を示唆していると私は思う。
(2023/02/26)

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